逆張りトレーダー メディア日記を付けて投資機会を見極める
カール・フティーア,
長尾慎太郎,
山口雅裕
パンローリング
A5判 上製本 318頁 2010年12月発売
本体 3,800円 税込 4,180円
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読者のご意見
メディア日記(逆張り用の場帳)を書き留めれば「大衆筋」のポジションはわかる!
「大衆は常に間違う」の実践的戦略
これこそ、「レコーディング(書くだけ)トレード」の奥義!
投資やトレーディングでの逆張りの理論は、相場のかなりの部分が大衆によって動かされているという考えに基づいている。株式市場において特定の投資テーマをもとに大衆が形成されると、彼らは株価を適正価格と比べてあまりにも高くまで押し上げたり、あるいはあまりにも安くまで押し下げることがある。もしその大衆のせいで株の価格に間違いが起きたり、または大衆が適正価格と比べてあまりに高いかあまりに安いところまで相場を動かしたところを見極められるのならば、論理的にはバイ・アンド・ホールドよりも良い成果を上げられるはずだと、逆張りトレーダーは考える。本書は、大衆が周期的に熱狂と恐怖を繰り返すのを利用し、ほとんどの人が無分別だと思いかねないが実は賢い投資選択をする方法を教える。
経験豊かなトレーダーであるカール・フティーアが逆張りトレーダーの主要な道具――メディア日記――について説明する。相場が大きな転換期を迎える前には、ほとんどいつも雑誌の表紙や新聞の大見出しがその兆しを示してくれる。だが、それらは結局、完全に間違っていると分かる。そのため、量的な指標とニュースメディアを使って大衆行動を見張り、さらに歴史的事例を振り返ることで、トレーダーや投資家は相場の転換期に利益を得る用意ができる。メディア日記の情報をどう解釈し、現在と過去の相場変動を統計的な見方でどう調整すればよいのかについて、フティーアは具体的に教えてくれる。1982〜2000年の強気相場、2000〜2002年の弱気相場、2002〜2007年の強気相場、2008年の株価暴落を振り返ることによって、株式市場がその期間に犯した多くの評価の間違いを、彼自身のメディア日記がいかにうまく見極めたかが明らかになる。さらに、彼は逆張り理論の発展を説明し、理論に貢献した重要人物に焦点を当てて、すべての逆張りトレーダーに勧めたい本を何冊か紹介している。また、逆張りトレーダーのためにバリュー投資の簡単な説明も行っている。
逆張りトレーダーの仕事は相場の高値や安値を予測することでも、いかなる種類の正しい予測をすることでもない。フティーアはひとつの目標――バイ・アンド・ホールド戦略によって得られるリターンよりも高いリターンを得ること――に焦点を当てる。本書によって、市場平均を上回るという意外に難しい目標を達成する方法が分かるだろう。
本書は、大衆に基づく集団思考が市場を過大評価するか過小評価するときに現れる投資機会を見極め、それを利用する技術を明かしている。
投資ブログの第一人者であるフティーアによる本書は、大衆の振る舞いがどうして相場を動かすのかを詳しく説明し、大衆に基づく集団思考がどのように効率的市場仮説につながるのかを明らかにしている。フティーアは慎重派にも積極派にもそれぞれ具体的な戦略を示し、実用的な逆張りトレード手法を提供している。彼はテクニカル指標や定量的な情報をメディアの大見出しと組み合わせて、市場センチメントがいつ行きすぎたのかを判断する方法を教えてくれる。また、客観性を保ちつつ大衆の動きを評価し、大衆とは逆のポジションを取るべき状況を見極める道具を提供している。
本書への賛辞
「ほとんどの著者が根本的な投資上の問題をすっかり見落としている。それは私たち自身の観察次第で結果が絶えず変わるという事実だ。ありがたいことに、カール・フティーアはこの分析の行き詰まりから抜け出す方法や超過収益を得る方法を教えてくれる――彼について行く資質があればだが……」――ポール・M・モンゴメリー(モンゴメリー・キャピタル・マネジメントのオーナー兼CEO)
目次
監修者まえがき
序文
第1章 市場で勝てるか
投機家のエッジ
投資家を手助けする
市場の間違いを見つける
証拠を見る
マーケットタイミング
投資のジレンマ
第2章 市場の間違い
効率的市場
ジェットコースターと株式市場
株価の値動きは激しすぎるか?
行動ファイナンス
行動ファイナンスと利用可能な市場の間違い
再び、うまい話はない
第3章 エッジ
市場の間違い論
成功には協力が必要
協力は間違いを生む
大衆の社会的意味
逆張りトレーダーの考え方
第4章 大衆の賢さと愚かさ
大衆がその構成員よりも賢いことがあるか?
集団の賢さの必要性
金融市場における独立した判断
市場心理の予測
情報カスケードが投機の渦へ流れ込む
第5章 投資大衆のライフサイクルと心理
はじめに
生まれてから消えるまで
1994〜2000年の株式市場のバブル
今度は違う――ニューエコノミー
打ち砕かれた夢――2001〜2002年の弱気の大衆筋
大衆の本能と確実性の追求
大衆筋の先導者たち
大衆筋の精神的まとまり
影響されやすさ、ボラティリティ、崩壊
第6章 市場の間違いの歴史的文脈
成熟した投資テーマと市場の大衆筋
間違いなのか適正価格なのか
市場データの入手先
致命的な間違い
株式市場はいつ極端な過大評価されるのか?
株式市場はいつ極端な過小評価されるのか?
ピークオイル論のバブル
第7章 大衆のコミュニケーション方法
情報カスケードは投資家に何を伝えるのか
マスメディアの役割
個人の柔軟性と今後のメディアについて一言
市場を見張る
バブルと暴落の歴史を学ぶ
第8章 メディア日記のつくり方
エッジを持つこと
私の日記は2002年にどういう結果をもたらしたか
切り抜きの準備
私のメディア日記からの抜粋――2005年11月
私のメディア日記からの抜粋――2006年6月
雑誌の表紙を解釈する
第9章 重要な投資テーマ
市場の話をする
新たな時代
戦争や国際的な政情不安が株式市場にもたらす影響
金融危機は大衆筋を生む
新しい産業や企業
商品ブーム
金利の動向と債券市場
メディア日記を使って投資テーマを追う
第10章 日記の解釈――市場記号論
メディアと情報カスケード
あなたのメディア日記――情報カスケードの生きた歴史
記号論――記号の研究
最も重要な記号――価格チャート
雑誌の特集記事
新聞の大見出し
第1面の記事と社説
考えを固めさせる出来事
証拠を評価する
再び市場の記号論について
第11章 逆張りトレードの大戦略
逆張りの投資計画
逆張りトレーダーのポートフォリオ
逆張りトレーダーの投資目標
キャピタルゲイン税についての注意
逆張り戦略1――投機をしない
逆張り戦略2――大衆と一緒に投資をしない
逆張り戦略3――逆張りでのリバランス
積極的な逆張り
積極的な逆張り向けのロングオンリー戦略
さらに積極的な逆張り戦略
第12章 1982〜2000年の壮大な強気相場
はじめに
1987年の暴落
昔を振り返る――1929〜1932年の株価暴落と弱気相場
S&L危機、1987〜1990年の強気相場と1990年の弱気相場の大衆筋
1991〜1994年の喜びなき上昇
1995〜2000年、株式市場で膨らむバブル
1987年の株価暴落に直面する積極的な逆張り
1990年の安値
LTCMの破たん
第13章 バブルの崩壊、2000〜2002年の弱気相場
壮大な強気相場の終わり
2000〜2002年の弱気相場における逆張りのリバランス
再び長い下げ
暴落時における逆張りのリバランス
2000〜2002年の弱気相場での積極的な逆張り
打ちのめされたウォール街
サマーラリー
2001年3月の急落
9.11のテロ攻撃
弱気相場の終わり
新たな強気相場への転換
第14章 バブル後の2002〜2007年の強気相場
弱気に巻き込まれないために
どんな強気相場か? 強気の情報カスケードの兆候を探す
グーグルのIPO
不動産バブル
2002〜2007年の強気相場での積極的な逆張り
2005年4月――買いの機会
2006年6月――もうひとつの買いの機会
2007年春の積極的な逆張り
2007年7〜10月
第15章 2008年の金融危機
金融危機での慎重な逆張り
住宅ローン市場の混乱
負債デフレの悪循環の定着
最後の貸し手
信用危機と逆張りトレーダー
強気相場の天井と投資配分の最初の引き下げ
ベアー・スターンズの破たん
ファニーメイとフレディマック
株価暴落――リーマン・ブラザーズの破たん
第16章 逆張りの考え方と実行について
株式市場での心理
逆張りの名づけ親
世論調査――あなたはどう思いますか
端株投資家は常に間違っているか?
過去の予測の巨人
ポール・モンゴメリー、雑誌の表紙を使った逆張り
根拠なき熱狂やその他のバブル
バリュー投資――簡単な計算法
監修者まえがき
本書はカール・フティーアの著した“The Art of Contrarian Trading : How to Profit from Crowd Behavior in the Financial Markets”の邦訳である。これまで“contrarian”は「逆張り投資家」と訳されることも多かったが、本来の意味のコントラリアンは「大衆の動向に同調しない人」のことであり、本書はコントラリアンの立場から投資を行う手法について書かれた数少ない書籍である。
さて、相場の世界でよく言われることのひとつに、「大衆はいつも間違っている」というのがある。そしてそれは、大衆筋はいつも間違っているのだから彼らと反対のことをしていれば相場で儲けることができるのだと続く...(つづきを読む)
序文
株式市場でなかなか市場平均を上回る利益を出せない理由は何だろうか? だれがどう見ても、安く買って高く売る機会はいくらでもある。例えば、1998〜2008年の10年間を振り返ってみよう。その期間にS&P500株価指数は752から1565までの間を行き来した。この範囲でかなり大きな値動きが5回あった。1998年にはロシアが債務不履行を宣言し、ヘッジファンド大手のLTCM(ロング・ターム・キャピタル・マネジメント)が破たんした。混乱が少し続いて、S&P500は1187から957まで20%近く下落した。だが、警戒感はすぐに消え去った。その後の株価上昇はアメリカの経済史上かつてないバブルを株式市場にもたらした。S&P500は1982年の安値102から2000年3月の高値1527まで、ほぼ1400%も上昇した...(つづきを読む)
著者紹介
カール・フティーア(Carl Futia)
25年以上の経験を持つ株価指数先物のトレーダー。高い評価を得ている投資・トレーディングのブログ(http://carlfutia.blogspot.com/)を運営し、そこでは株式や債券やさまざまな商品市場に関する非常に具体的な価格予測を行っている。エール大学で経済学の学士号、カリフォルニア大学バークレー校で数学の修士号、同じくバークレー校で数理経済学の博士号を修得。
(ウィザードブックシリーズ174)
読者のご意見
まず、逆張りトレーダーであるためには、非協調主義者でなけ
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