エピソードで綴る 日本黄金史 (江戸時代)
岡本匡房
パンローリング
新書判 256頁 2015年4月発売
本体 900円 税込 990円
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家康、秀忠、家光、綱吉、田沼、家斉は金銀をどう御したか
淀屋、紀伊國屋文左衛門、奈良茂は金銀をいくら溜め込んだのか
はじめに
日本の“金の黄金時代”といえば、安土・桃山時代から江戸時代初期にかけてではないでしょうか。「野山から金銀が沸き出ずる」といわれた秀吉の時代を経て、江戸時代初期もまた日本中、金銀に満たされ、黄金文化が咲き誇りました。
しかし、江戸時代中期、海外への流出に加え、国内での産出が急減、日本は急激に“金欠状態”に陥っていきます。米に頼った幕府は「米価安、諸色(いろいろな商品)高」に抗しきれず、倹約と貨幣の改鋳を繰り返し、財政を支えます。だが、改鋳はカンフル剤のようなもの。財政難は一向に改善せず、改革は悉く失敗に終わります。
三大改革といわれた「享保、寛政、天保の改革」は、実は歴史の流れにさからったあだ花で、むなしい努力に他なりませんでした。幕末には開国に伴って金が大量に流出、幕府の息を止める大きな要因になりました。
そのような中、文化的にも「わび」、「さび」がもてはやされ、狩野派に代表される金を多用した絢爛豪華な絵画は次第に姿を消し、広重、北斎、写楽に代表される浮世絵が主流になっていきます。
だが、人々の金銀への憧憬がなくなった訳ではありません。外は地味でも裏張りは豪華な着物がもてはやされます。このような屈折した形での富へのあこがれが増し、それが大判・小判に象徴されるようになります。紀伊国屋文左衛門、越後屋、鴻池など豪商が力を蓄え、大名はしだいに頭が上がらなくなります。江戸時代は「重農主義に始まり、重商主義で幕を閉じた」のです。この歴史の転換を演出したのが大判・小判によって表現された「金(きん)」でした。
「宵越しの金はもたない」江戸っ子も内心では金=富にあこがれました。その裏返しとして、江戸っ子特有の負け惜しみ精神が広がり、このような金言が生まれたのではないでしょうか。
その移り変わりを小話で綴る形でまとめました。「エピソードで綴る 日本黄金史 古代~安土・桃山時代」の続編です。例によって、寝っ転がりながら読んでいただければ幸いです。
2015年4月
岡本 匡房
目次
はじめに
Ⅰ 江戸時代初期
(一) 家康・秀忠・家光
(二) 金山発掘
(三) 大判・小判
(四) 工芸品
(五) 豪商と御用商人
(六) 黄金の国
Ⅱ 江戸中期
(一) 家綱・綱吉
(二) 忠臣蔵異聞
(三) 豪商と西鶴
(四) 変わる美意識
(五) 白石と吉宗
(六) 小判と価格
Ⅲ 江戸時代後期
(一) 田沼意次
(二) 江戸っ子と金
(三) 投機と泥棒
(四) 寛政の改革
(五) 殿様と庶民
(六) 幕末と金
著者略歴
岡本 匡房(おかもと まさふさ)
1941年東京生まれ。1964年慶応義塾大学経済学部卒。同年日本経済新聞社入社。編集局整理部、商品部記者、編集局商品部次長、産業第三部次長、川崎支局長、地方部次長、同編集委員、日経産業消費研究所商品研究部長、開発部編集委員などを経て、現在(株)市場経済研究所主幹。
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