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江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」ベテラン度:
★★☆
清水洋介パンローリング 四六判 ソフトカバー 244頁 2006年1月発売 本体 1,400円 税込 1,540円 国内送料無料です。 品切れのためご注文いただけません。 (発送可能時期について) Tweet
相場に対する考え方は今も昔も変わらない。牛田権三郎と本間宗久。言わずと知れた相場の達人である。本書ではこの2人が残 した言葉を、現代の相場に当てはめながら解説している。牛田権三郎と本間宗久。この2人が一貫として述べているのは「相場を見極める」 ことである。ノウハウ本によく見られるような「いつ仕掛け、いつ手仕舞うか」的な 話は少ないが、それよりももっと大切と思われる「心構え」的な話については“盛り だくさん”紹介されている。そして、それらの話は現代にも十分通用するものだ。な ぜなら、「儲けたい」と思うときの心の動きは今も昔もさほど変わらないからである。 牛田権三郎と本間宗久。2人とも、言葉は違えど、同じようなことを“大切だ”と 語っている。江戸時代に生きた彼らが現代の我々に何を残してくれたのか。それは、 本書に書かれている。 目次まえがき
第1章 「三猿金泉秘録」
第2章 「本間宗久相場三昧伝」
参考文献 まえがき株式投資をはじめ、相場や市場では古今東西を問わず、「安いところを買って、高 いところを売り、また、より安く買い、より高く売りたい」という人間心理が働いて います。そういった人間心理の集合体が「市場」であり、「相場」というものです。 この心理は洋の東西を問わず、また、いつの時代でも変わるものではありません。 常に安いところを買おうと努力し、より高く売ろうとするには、市場の動きを読むた めの心構えが必要なのです。この相場の心構えを「相場で成功した先人に学ぶ」こと はとても大切なことです。ただ単に相場のやり方だけを真似するのでは、相場が変わるたびに成功したやり方 を学ばなければなりません。しかし、相場に対する心構えは、いつの世でも、どんな 相場の時でも変わることはありません。相場に対する心構えを身につけることで、ど んな相場であっても、先の動きが読めるようになってくるのではないでしょうか。 この本に収めた、『三猿金銭秘録』や『相場三昧伝』は相場の世界にどっぷりと浸 かった先人がその相場の中で体得したものを後世に残したものです。時代は変わって も、相場に参加している人の心は何ら変わることはありません。相場で成功した先人 のその相場に対する真摯な態度はぜひ見習いたいものです。江戸時代の米相場の話と いうことで、取引のシステムも通貨の単位も違いますが、「相場」で儲けよう(つま り、相場で「うまく」立ち回るということでしょうか)とする気持ちは今の時代にも 通じるものがあります。 相場で成功したこと、失敗となったことを教訓に、今の時代でも通用する相場の心 構えをもう一度確認してみてください。 清水 洋介 相場の極意 -第6- 出尽くし ~その1~ 下がるところまで下がってしまえば上がるしかなく(=「陰極まれば陽となり」)、 上がるところまで上がってしまえば下がるしかない(=「陽極まれば陰となる」)。 相場とはそういうものです。 ここで言う「下がりきった」ところ、「上がりきった」ところは、その相場の下降、 上昇している材料がすべて出尽くしてしまったところを指します。市場でうわさされ ていたことが事実として我々の前に現れたとき、「好材料なのにそこが天井になって しまったり、悪材料なのにそこから急反発を見せたり」します。このことについて述 べたのが以下の句です。 「下るほど、下れば弱気の気もつきて、上がるところが天性としれ」 この句は、「下がれば下がるほど弱気が少なくなり、後は上がるしかない状況にな るものだ」という意味です。 下がり切った状況になれば(「下がり切った状況」を判断するのが難しいのですが) 、「弱気の人はもうすでに皆売ってしまっているのでそれ以上は誰も売らなくなる。 そして、後は自然の習いとして上がるしかないものだ」と話しているのです。 NTTが底値をつけたときがまさしく「下がるほど下がった」状況のときでした。 往々にして、出来高の少ない中でじりじりと底値をつけることが多いものです。NT Tが底値をつけたときも相場全体の出来高は少なく、NTT株自体、「誰も見向きも しない」状況でした。そのようなときは「セリングクライマックス」とはならずに底 をつけることが多いのです。 「豊年は、万人気弱く我弱し、安きによって売りは禁制」 「豊作の年は、皆が皆弱気になるもの、自分までも弱気になったところは売り込ま れた後なので当然値段は安いものである。そこで安いから、もっと安くなるのではな いかと考え売ることは絶対に駄目だ」という意味です。 「赤信号もみんなで渡れば恐くない」という句がありますが、普通は事故に遭い、 大怪我をしたりするものです。 売る人が売り切ってしまえば、後は売りが少ないところを買い方が買わざるを得な いわけですから、上昇に転じるのは当たり前なのです。ただ、市場の中にどっぷりと 浸かっていると冷静に判断できず、結果的に自分の投げたところが大底になってしま うことがあります。 例えば2003年の3月にソニーが業績の下方修正を発表し、いわゆる「ソニーショ ック」を引き起こしました。そのときに誰しもが思ったのは「ソニー神話の崩壊」で した。このとき「ソニー=成長力のある会社」というイメージが一気に崩れ去ったの です。株価は一斉に売りを浴び、何度もストップ安になりました。、市場では「どこ で下げ止まる」のかが話題になるほどでした。しかし「売る人」が売り切って大底と なった後はするすると値が戻ったのです。 「いつにても、三割下げは米くずれ、萬天元の買旬と知れ」 「三割下げ」は「実際に30%下げた相場」というよりも、むしろ「大きく下がっ た」という意味ではないかと思います。あるいは「半値八掛け二割引」という「高値 の3割のレベルまで下がってしまった」という意味にもとれます。いずれにしても、 節目まで大きく下げた相場とはいったんは売りが出尽くしたことになるわけです。で すから、萬天元(=打診買い)のチャンスになるのです。 計算通りになった例として、2004年のみずほFGの動きがあります。2004 年4月15日に56万円という高値をつけ、その後下落を続けましたが、40万円を 割り込むと反発する動きも出始めました。そして、2004年10月25日、39万 1000円というほぼ30%下落したところで安値をつけた後は反発しました。40 万円を割り込む場面は高値から30%下落した値です。その時点で反発を繰り返して おり、ピタリとこの数値が当てはまりました。 そのほかのお薦め
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