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ブライアン・バロー/ジョン・ヘルヤー/鈴田敦之 〔新版〕野蛮な来訪者 RJRナビスコの陥落(下)

〔新版〕野蛮な来訪者 RJRナビスコの陥落(下)

ブライアン・バロー, ジョン・ヘルヤー, 鈴田敦之
パンローリング
四六判 504頁 2017年10月発売
本体 2,800円  税込 3,080円  国内送料無料です。
この商品は 本日 発送できる予定です。 (発送可能時期について)
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グローバル企業をめぐる史上最高額のM&Aが幕を開けた
M&Aを知る最良の“教科書”

■M&Aの先駆け案件を克明に再現

本書は、アメリカで1990年代以降の大型M&Aの先駆けとなったRJRナビスコの案件を描く長編ドキュメンタリー。

M&Aの教科書として、現在多くのビジネススクールや企業研修のテキストとなっている“古典”でもある。

1988年10月、RJRナビスコのCEO、ロス・ジョンソンは、前年のブラック・マンデー以降40ドル台に低迷する同社の株価に目を付ける。自社株買いによる株式非公開化、巨大企業の獲得を目指しLBOを宣言。

しかし、この経営者グループの提示価格は、買収に向け融資を取り付けた170億ドルを基準に計算され、一株75ドルと低い水準に抑えられた。

一方、最初にLBOを提案してジョンソンに一蹴された投資ファームKKRのヘンリー・クラビスは、ジャンク債の利用で一株90ドルでの買収が可能と判断。モルガン・スタンレーはじめ有力投資銀行4社とともにビッド(入札)に参加する。

両グループは一時提携を模索するが交渉は行き詰まり、ついに経営グループが92ドルのビッドを発表して決裂に終わる。

その後、フォーストマン・リトル、ファースト・ボストンなどの投資会社が名乗りを上げては消え去る中、ビッド価格は94、100、105、108ドルとうなぎ上りに上昇。

リークや匿名での提供など情報をめぐる泥仕合、グループを乗り換える裏切りなど、さまざまなドラマが展開される。

最終のビッド額は、経営グループ112ドルに対し、クラビス陣営は109ドル。

そして迎えた11月30日、ついに特別委員会の裁定が下り、クラビスが勝者に決定する。従業員に対する姿勢や今後の経営方針で、特別委員会の信頼を得たクラビスが、勝利をもぎ取ったのだ。

結局、RJRナビスコは251億ドル(当時のレートで約3兆円)に達する総額で買収される。

しかし、敗者となったはずのジョンソンは約27億円の退職金と年金を手にし、経営グループの他の6名の役員たちも30億から数億円を手にした。また、負けた側の投資ファームも多額の手数料を手にしている。このLBOに敗者はいなかったのか? 真実はやがて明らかになっていく。

著者は、当時ウォール・ストリート・ジャーナルの取材現場で活躍していた記者、ブライアン・バローとジョン・ヘルヤー。RJレイノルズやナビスコの誕生秘話から巨大企業への道のりをはじめ、巨額の資金をめぐる欲と欲のぶつかり合い、知恵を絞った情報戦などのLBOの裏側まで、当事者たちに100回以上直接インタビューし、克明な再現レポートを書き上げた。

本書を読めば、現在に至るアメリカ企業の買収の実態が手に取るようにわかる。

また、今回は「刊行二〇周年に寄せて」「その後の展開」を新たに掲載。LBOから20年経過した当事者たちの暮らしぶりや、再建に苦しむ企業の状況を確認し、1988年のLBOの意味や功罪、金融資本主義の在り方まで考えさせられる内容になっている。


著者紹介

ブライアン・バロー(Bryan Burrough)
『ウォール・ストリート・ジャーナル』ほか米国各紙の記者を経験後、作家として活躍。本書以外にも『パブリック・エネミーズ(Public Enemies)』(2004年)、『ビッグ・リッチ(The Big Rich)』(2009年)、『デイズ・オブ・レイジ(Days of Rage)』(2015年)などの著書がある。

ジョン・ヘルヤー(John Helyar)
『ウォール・ストリート・ジャーナル』アトランタ支局次長、『サウスポイント』主席編集部員などを歴任。『ウォール・ストリート・ジャーナル』時代のRIRナビスコ買収に関する取材活動によって、ブライアン・バローとともにジェラルド・ローブ賞を贈られた。

訳者紹介

鈴田敦之(すずた・あつゆき)
毎日新聞社経済部副部長、ラジオ・テレビ報道部長、電波本部長等を歴任後、評論家となる。著書に『図説 銀行はどうなる!』(ダイヤモンド社)、『最新版 この一冊で「経済」がわかる!』(三笠書房)、訳書に『金融革命の衝撃』『シアーズの革命』(ダイヤモンド社)など。

目次(本テキストは再校時のものです)

プロローグ
第1章 風雲児、ロス・ジョンソン
第2章 社内クーデター成功
第3章 「RJR空軍」と「チーム・ナビスコ」
第4章 ブラックマンデーの傷痕
第5章 買収王クラビス
第6章 史上最大の企業買収
第7章 揺れるウォール街
第8章 ライバル出現!
第9章 ジャンクボンドをやっつけろ!
第10章 腹の探り合い

第11章 不毛の提携交渉
第12章 和平交渉、決裂
第13章 世論の袋だたき
第14章 ビッドに滑り込め!
第15章 延長戦の明暗
第16章 強欲のゲーム
第17章 ビッドに終わりはない!
第18章 最後の競り合い
エピローグ
その後の展開(2009年版)


■刊行20周年に寄せて

私たちが1989年に本書“Barbarians at the Gate”を執筆した時、それは目の前で起こっている出来事だったが、今は歴史になっている。本には時がたっても劣化しないものがあり、私たちは、この本もそのひとつであると考えたい。本書は、今でも多くの主要なビジネススクールで、倫理から投資銀行業務までさまざまな項目における教科書になっている。1993年には、HBOが映画化もした。そして、緊迫した騒動から一四年がたった2002年に、RJRナビスコを巡る戦いは、再びヒストリー・チャンネルでドラマ化された。 (
つづきを読む)
(ウィザードブックシリーズ256)

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