ルドルフ・ディーゼル失踪事件──歴史に埋もれたエンジン発明家
ダグラス・ブラント,
越智正子
パンローリング
四六判 並製 416頁 2025年3月発売
本体 2,400円 税込 2,640円
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目次 | 著者紹介
事故か、自殺か、暗殺か?
その晩、彼は船上から忽然と姿を消した。
100年以上、謎に包まれてきたミステリーの真相。
1913年9月30日、各国の新聞がルドルフ・ディーゼルの名前を見出しに掲げた。世界で最も有名な発明家ディーゼル博士が、ベルギーからイギリスへと渡る客船から姿を消し、死亡したとみられるという。彼の身にいったい何が起きたのか?
ルドルフ・ディーゼルは極貧から身を起こして巨万の富を得た、まさに立志伝中の人物だ。パリの貧しいドイツ系移民の家で生まれ育ち、あらゆる苦難を乗り越えて、「ディーゼルエンジン」を開発。その発明は、衝撃的な技術革新として瞬く間に称賛を勝ち取り、ウィンストン・チャーチルの心をも奪った。そして、石油王ジョン・D・ロックフェラーやドイツ皇帝ヴィルヘルム2世と反目することになる。働く貧困層の暮らしをよくしたいと願って生み出したエンジンだったが、人類初の世界大戦の瀬戸際で軍事的に応用され、その価値がいっそう高く認められることになってしまった。
技術者としての彼の専門知識は、世界の権力者たちによる争奪戦を巻き起こし、ヨーロッパが戦乱に陥る前年に起きた失踪事件の影に何者かの魔の手を疑う声も上がった。ここで歴史家ダグラス・ブラントは、ディーゼルのたどった運命に新たな視点で迫っていく。本書は、科学、歴史、そして南北戦争後のアメリカの犯罪実録の要素をあわせ持つ伝記であり、事件の謎が初めて解き明かされていく。
本書に登場する主な人物
ルドルフ・ディーゼル(ドイツ人の発明家)/ヴィルヘルム2世(ドイツ最後の君主)/ジョン・D・ロックフェラー(アメリカの石油王)/ウィンストン・チャーチル(イギリス海軍大臣[当時])/オットー・フォン・ビオスマルク(ドイツ帝国宰相)/ウィリアム・トムソン(物理学者、ケルヴィン卿)/アルフレッド・ノーベル(発明家、ダイナマイト王)/ハインリヒ・フォン・ブッツ(ドイツの実業家、MAN社取締役)/フェルディナント・フォン・ツェッペリン(発明家、飛行船の父)/アドルファス・ブッシュ(アンハイザー・ブッシュの創業者、ビールの帝王)/ジョン・“ジャッキー”・フィッシャー(イギリス海軍の英雄)/トーマス・エジソン(発明家)/アルフレート・フォン・ティルピッツ(ドイツ帝国海軍大臣)/サー・チャールズ・パーソンズ(蒸気タービンの発明者)/フーゴー・ユンカース(技術者、ユンカースの創設者)/ロアール・アムンセン(極地探検家)
著者紹介
ダグラス・ブラント(Douglas Brunt)
小説『Ghosts of Manhattan』『The Means』『Trophy Son』の著者としてニューヨーク・タイムズのベストセラー入りを果たしている。衛星デジタルラジオSiriusXMの人気ポッドキャスト番組『Dedicated with Doug Brunt』のホストでもある。フィラデルフィア出身。妻と3人の子どもとともにニューヨークで暮らしている。より詳しい情報はDouglasBrunt.comで。
訳者紹介
越智正子(おち・まさこ)
出版翻訳家。東京大学法学部卒業。全国紙の社会部などで勤務後、フェロー・アカデミーでノンフィクション、フィクションの翻訳を学ぶ。訳書に『人類初の南極越冬船 ベルジカ号の記録』(パンローリング)がある。
本書への賛辞
「第一次世界大戦へと向かう政治指導者、発明家、そして強欲な実業家をめぐる、小説顔負けの歴史ものとして夢中で読んだ。同時に、現代史の中で最も不可解なセレブ失踪劇として貪り読んだ。完全に心を奪われる一冊」 ――クリス・ボジャリアン(作家、『助産婦が裁かれるとき』[東京創元社]、『The Lioness』の著者)
「ウォルター・アイザックソン(伝記『スティーブ・ジョブズ』[講談社]著者)とシャーロック・ホームズの要素を兼ね備えたこの本は、刺激的な歴史の中に眠る20世紀最大の事件のベールを引きはがす」 ――ジェイ・ウィニック(歴史家、『1944: FDR and the Year That Changed History』の著者)
「ページをめくる手が止まらない犯罪スリラーでありつつ、第一次世界大戦を招きその後の展開を左右したパワーについて重要な新見解をも示している。多くの人が知る人物について非常にあざやかな手法で語っているが、事件そのものは犯罪実録のファンや歴史家たちにも見過ごされてきた――今日に至るまで。20世紀の歴史に新たな一章が加わった」 ――ダン・エイブラムス(テレビ司会者、作家)
「ブラントは歴史家として調査を重んじ、小説家の目で人物像を掘り下げ、事実関係や因果関係をあざやかに解き明かし、ジェームズ・ボンドのように結論にたどりついた」 ――リー・チャイルド(作家、ジャック・リーチャー・シリーズの著者)
「まるで緊張感あふれるスリラー小説のような、読み始めたら止まらないノンフィクション。洞察に満ち、サスペンスに満ち、大いに楽しめるこの作品、あなたも魅了されること間違いなし!」 ――ブラッド・ソー(作家、『ブラック・リスト 極秘抹殺指令』[SBクリエイティブ]、『〈亡霊国家ソヴィエト〉を倒せ』[早川書房]の著者)
目次
[第1部] 戦争とオイルエンジン 1858〜1897年
第1章 国際人としてのアイデンティティー
第2章 ロンドンでの体験
第3章 ヨーロッパの新しい帝国
第4章 誰のおかげで大きくなった?
第5章 石油がゲームをひっくり返す
第6章 理想の追求
第7章 給料より大事なもの
第8章 ヴィルヘルム2世、海軍にかける野望
第9章 ディーゼルパワーの誕生
[第2部] はばたくディーゼル 1897〜1910年
第10章 ケルヴィン卿、口火を切る
第11章 グランプリ目前のつまずき
第12章 成功の光と影
第13章 眠れる巨人について考える
第14章 牙をむく旧勢力(オールドハウス)
第15章 カイザー、「リスク理論」を採用
第16章 武力と武力のはざまで
第17章 新時代の夜明け
[第3部] 最高傑作 1910〜1913年
第18章 ルドルフ、単独行動をとる
第19章 イギリス海軍一行、セランディア号に乗る
第20章 海軍大臣の秘策
第21章 西方の大いなる光、アメリカ
第22章 高まる圧力
第23章 最後の数カ月
第24章 蒸気船ドレスデン号 1913年9月29日
[第4部] 失踪劇
第25章 世界の反応
第26章 有力な仮説
第27章 オペレーション・ルドルフ・ディーゼル
第28章 痕跡
エピローグ おわりに――ディーゼルエンジンがたどった道
余話 MAN社の秘密 第一次世界大戦前夜の戦艦用ディーゼルエンジン
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