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ピエール・ボワスリー/フィリップ・ギヨーム/シリル・テルノン/鵜田良江 第三帝国のバンカー ヤルマル・シャハト――ヒトラーに政権を握らせた金融の魔術師

第三帝国のバンカー ヤルマル・シャハト――ヒトラーに政権を握らせた金融の魔術師

ピエール・ボワスリー, フィリップ・ギヨーム, シリル・テルノン, 鵜田良江
パンローリング
A4判 126頁 オールカラー 2024年1月発売
本体 4,000円  税込 4,400円  国内送料無料です。
この商品は 本日 発送できる予定です。 (発送可能時期について)
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知られざる孤高のテクノクラート
経済から読み解くナチス政権の成り立ち

ハイパーインフレを“レンテンマルクの奇跡”で解消、
秘密軍備計画を可能にしたメフォ手形を導入し
失業対策と公共投資で経済再生をはかった
経済の独裁者シャハトの知られざる物語。

1945年2月、オーバーバイエルンのフロッセンビュルク強制収容所の門を1台のバスが通過した。そこには68歳のヤルマル・シャハトが乗っていた。シャハトはヒトラー内閣の元経済大臣で、ナチス政権の経済政策を主導した人物だった。ライヒスバンクの終身総裁であり、ドイツを何度も破産から救ったこの男が、なぜ死の淵に立たされたのか? 彼は単なる金融のエキスパートだったのか、それとも冷徹で日和見的で不謹慎な怪物だったのか?

本書は全2巻からなるバンド・デシネ(フランス語圏のマンガ)を1冊にまとめたもの。ヤルマル・シャハトの後半生――第一次世界大戦中からの大胆な金融政策、ナチズムへの協力と反逆、強制収容所の過酷な日々、連合国によるニュルンベルク裁判、冷戦下での新興国の経済復興――を描いている。聡明であると同時につかみどころがなく謎めいた人物であり、ナチスに加担した過去を持ちつつも、史上最高の経済学者の一人として君臨しつづけるシャハトの数奇な運命を追う。

サンプル画像


著者紹介

ピエール・ボワスリー(Pierre Boisserie)[脚本]
1964年生まれ。理学療法士として15年働いたのち、フルタイムのシナリオライターとなる。主催者のひとりとして参加したバンド・デシネのイベントで、バンド・デシネ作家のエリック・スタルネールと意気投合し、1999年創刊の雑誌『La Croix de Cazenac(ラ・クロワ・ド・カゼナック)』に携わる。2004年に『Eastern(イースタン)』、2003年に『Nova Genesis(ノヴァ・ジェネシス)』の脚本を担当。ほかに、『Voyageur(旅人)』(共同脚本)、葉巻一族の壮大な物語『Flor de Luna(月の花)』(共同脚本)などがある。2011年、ファンタジー作品『Nakara(ナカラ)』がスタート。2014年、『La Banque(銀行)』(フィリップ・ギヨームとの共同脚本)を発表。2015年、重厚な歴史的大都市を描く野心的なスペクタクル『Roma(ローマ)』(共同脚本)、2016年、『Le Concile des arbres(木々の公会議)』ならびに『Saint-Barthélemy(サン・バルテルミー)』、そして、栄光の30年の歴史・政治・社会を描く『Les Années rouge et noir(赤と黒の歳月)』(共同脚本)を発表した。2019年には多くの命を奪う産業の調査形式ドキュメンタリー作品『Cigarettes, Le dossier sans filtre(煙草:フィルターのない調査ファイル)』を世に送り出している。

フィリップ・ギヨーム(Philippe Guillaume)[脚本]
1954年生まれ。バンド・デシネに情熱を傾けるジャーナリスト。ACBD(バンド・デシネ批評家・ジャーナリスト協会)元副会長。フランスの経済紙『レゼコー』でバンド・デシネ時評を執筆している。エリック・スタルネールの紹介でピエール・ボワスリーと知り合い、金融界をテーマにした作品の共同制作を開始。その第一作が『Dantès(ダンテス)』、次作が『La Banque(銀行)』である。

シリル・テルノン(Cyrille Ternon)[作画]
作画は独学で習得。最初に作品が掲載されたのは、フランス北西部カーンのバンド・デシネ愛好団体が発行するファンジン『Bol’d encre(インクボウル)』だった。その後、初のプロジェクト『Post Mortem(死後)』(共著)を、次いでダーク作品『Poser mon sac(わたしのバッグをおろして)』(共著)を制作。さらに、『Silien Melville(シリアン・メルヴィル)』の作画を担当している。ほかに、『La Conjuration des Vengeurs(復讐者の陰謀)』ならびに「フレッシュ&ボーンズ」コレクションの1冊『Placerville(プラサービル)』を手がけている。ノルマンディー地方在住。

【原題】Le Banquier du Reich

訳者紹介

鵜田良江(うだ・よしえ)
独日・英日翻訳者。1970年、宮崎県生まれ。九州大学大学院農学研究科修士課程修了。技術者として化粧品や洗剤の開発にたずさわったのち、翻訳者となる。訳書に、『ベルリン 1928-1933』『少女が見た1945年のベルリン』(パンローリング)、宇宙英雄ローダン・シリーズ704巻『サトラングの隠者』、『スターリンの息子』(いずれも早川書房)などがある。

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