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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2024/05/08 15:06, 提供元: フィスコ

メディアS Research Memo(6):投資有価証券売却で経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益を上方修正(1)

*15:06JST メディアS Research Memo(6):投資有価証券売却で経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益を上方修正(1)
■今後の見通し

1. 2024年7月期の連結業績見通し
2024年7月期の連結業績予想は、期初予想では売上高は前期比6.1%増の924百万円、営業利益は同3.5%増の43百万円、経常利益は同17.7%増の92百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同1.1%増の61百万円であった。その後、2024年3月に修正予想を発表し、売上高、営業利益は変わらないものの、経常利益は前期比139.3%増の187百万円となり、期初予想を大きく上回る大幅な増加が見込まれている。これに伴い、親会社株主に帰属する当期純利益も同110.5%増の127百万円と大幅な増加の見通しだ。

第3四半期以降の売上高と営業利益に関しては、「マイクラス」に対する強い需要が継続する見込みであるものの、受注は確定していない状況である。「画像解析・AI」のスマートフォン向け広告収入が減少していることから、新規事業に対する追加投資が行われる可能性もあるため、これらの不確実性を考慮して予想を変更しない方針である。一方で、第3四半期において、投資有価証券売却に伴い投資有価証券売却益及び投資有価証券売却損を計上する見込みとなったため、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益を上方修正した。

2. 成長戦略
メディアシーク<4824>グループは、様々な事業部門を統合し、リスクを減少させ、常に進化を遂げながら最適な事業ポートフォリオを構築することにより、市場の変動に適応しつつ、安定かつ継続的な成長を目指している。2022年7月期からは、将来的に成長が期待される分野での新規事業開始や事業拡大、安定した収益基盤の確立に取り組んでいる。特に「画像解析・AI」や「ブレインテック・DTx」のような成長途中の領域では、独自技術を開発し市場での競争力を強化している。複数の事業にわたりリソースを柔軟かつ効率的に配分し、最新技術を取り入れた新サービスを開発するとともに、既存事業の基盤を最大限に利用している。

(1) コーポレートDX
2024年7月期の業績予想を見ると、売上高が前期比10.7%増の320百万円、セグメント利益は同21.0%増の120百万円を見込んでいる。実績と経験に基づいたビジネスシステム・モバイル開発に精通した技術力と20年以上にわたるコンサルティング力で、実践的なDXソリューションを実現するイネーブラー※としての能力をさらに向上する。コンサルティングから開発・運用までをワンストップで顧客に提供することで、企業のシステム内製化を初期段階からサポートし、システムコンサルティング会社や従来型のSIベンダーなどとの差別化を図る。2024年7月期は、企業向けシステムコンサルティングサービスを中心として事業を展開する方針だ。

※ あるコアな技術を持っており、新たなシステムを構築するために必要な企業を指す。


従来主流であった「御用聞き」営業を脱却し、ともに企業価値向上と事業成長を目指す 「共創SIモデル」を推進するとともに、保守・準委任契約をベースに、資本提携などを視野に入れた「継続的でより強固な関係性の構築」を目指す。

(2) 画像解析・AI
2024年7月期の業績予想を見ると、売上高が前期比0.7%増の286百万円、営業利益が同1.7%増の104百万円を見込んでいる。同社が開発した「アイコニット」はサービスの提供から10年以上が経過し、画像認識エンジンとしての圧倒的な性能と定番アプリとしての浸透により、バーコード市場を席巻してきた。この実績を基に次世代IoTプラットフォームを目指し、新たな価値あるサービスとして、多種多様なバーコードの読み取り及び11ヵ国語への対応、ポイ活※やメモ帳、ルーペ、ICカードの読み取り等の機能を追加した。ポイ活にはアンケートやサンプル配布で読み取ったデータをポイントに生かす機能も追加している。

※ 商品を購入した際にたまるポイントをためたり、使ったりする活動のこと。


2024年7月期は、同社グループの「バーコードリーダー/アイコニット」のプラットフォームを基盤に、画像認識技術とカメラ機能を搭載したIoTツールを組み合わせ、成長市場であるスマートフォンの画像認識サービス市場で市場競争力のある独自の技術開発を推進し、進化・発展させていく。

(a) アイコニット
「アイコニット」においては、広告の最適化とポイントサイト※1が収益化できる機能及び「JANコード※2加工食品DB」の研究開発を推進する。「JANコード加工食品DB」とは、日本で販売されている加工食品のJANコードに関する情報をまとめたもので、JANコードには、商品名、原材料、栄養成分、アレルギー物質の情報などが記されており、これらの情報を一元管理することで消費者が商品を選ぶ際に必要な情報を提供し、消費者の健康被害を予防できる。同アプリのバーコード読み取り機能でユーザー参加型のポイ活を活用するキャンペーンを開始し、多くの商品情報を少しでも早く、タイムリーに収集できるように改善した。

※1 成功報酬型の広告代理業が運営するウェブサイト。「お小遣いサイト」とも呼ばれる。
※2 いわゆる「バーコード」のこと。


具体的には、ユーザーが読み取った加工食品のJANコードと商品全景、商品情報、栄養成分の撮影画像を投稿してもらい、投稿完了後に楽天ポイントを付与する仕組みを開発した。収集した画像は同社の画像解析技術・AIを用い、同社の商品クチコミ情報サービス「MonoTalk」の商品情報データベースに格納され、加工食品の利用者が簡単に栄養成分やアレルギー情報の把握・検索できるようにした。

(b) バーコードリーダー
2003年にモバイル機器組込み型バーコードリーダー・ソフトウェアを開発して以降も、現在に至るまで継続して画像認識技術の研究開発を進めており、同社のバーコードリーダーの読取性能の品質は世界最高峰の水準にある。高品質のQRコード・バーコード読み取りソフトウェアについては、外部ライセンス提供も行っており、診断に必要な詳細まで確認できる高解像度の医療画像や、患者の診断結果・治療記録・薬剤情報などの誤記や漏れ、大容量のCT画像などの分散型データベース、データの改ざん防止などに対応するための「医療系BC(ブロックチェーン)」などの研究開発も進めている。「医療系BC」の活用により患者のプライバシーやセキュリティを確保することで、偽造や改ざんのない安全な医療情報を提供できる。電子カルテ、医療情報管理システム、薬剤管理などに応用できることから、今後ますます注目を浴びる技術の1つである。

(c) AI
AI分野においては、SNS分析からトレンド予測までをビジネスターゲットにしており、当面は自社サービス向けにこれらの研究を進め、実績を蓄積した後に、AIエンジンの外部提供を目指している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)


《HH》

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