最近、この本を読んでから、僅か2ヶ月半で、個別株の資産が3倍以上になりました。
もちろんタイミングが良かっただけと言われるかも知れません。なにしろ、2013年に入ってからは、誰が何を買っても株は上がっています。
しかし、この本を読まなかったら、私の持ち株は、せいぜい1.3〜1.5倍程度の増加だったのではないでしょうか。そして、この差は時間とともに、さらに開いていくでしょう。
投資本の場合、“読み時”が必ずあります。
『オニールの成長株発掘法』は、今がまさにその“読み時”と言えるでしょう。
この本では、徹底して小型成長株への投資を謳っています。
なぜ小型株なのでしょうか。
例えば、大型株には日経225銘柄があります。これからアベノミクスによる株高の流れが続くとしましょう。実際、私は、これから数年の間、株価は上昇すると見ています。その場合、225銘柄を保有しているだけで、数年後に株価2〜3倍という利益を享受出来るかも知れません。
しかし、小型成長株の場合は、株価10倍、20倍、下手したら100倍などという、とんでもない化物が眠っていることがあります。
すでに日本株は過熱化していますが、まだ、そういう銘柄は探せば幾つもあるでしょう。
では、どうすれば、そのような化物を見つけることが出来るのでしょうか?
オニールは、まずEPS(1株益)の増加に注目するよう述べています。
日本株は、会社四季報でチェックできます。手元にあれば見てみましょう。
あなたが何か有望な株を見つけたとします。その時、四季報【業績】欄の1株益が予想値も含めて末広がりに増加しているでしょうか。この数字の大きくなる割合が、大きければ大きいほど有力な成長性を秘めているということです。
もちろんそれだけで上昇するかどうかを判断することはできません。
他にも幾つか絞込みのための条件をクリアして化物を探すことができますが、そのようなクリア条件に対しても、目からウロコの解説が多く散りばめられています。
さらに、PER。
一般的にPERが高いと割高として、売買候補から外すことは多いでしょう。
しかし、オニールはPERを割安割高の絶対基準にしてはならないと言います。実際、大相場ではPERの高い低いはあまり意味をなさなくなります。
また、買うタイミングについても言及しています。
ある銘柄が上がってしまったとき、チャートが急角度で上昇している状態では、通常、誰もが買うのを躊躇します。
しかし、オニールはそういう状況こそ買うタイミングであると言います。いわゆるブレイクアウト買いというテクニックですが、強気相場のときほど、このブレイクアウトが有効なタイミングはありません。
他にも、今のタイミングで使えるテクニックや視点が山のように書かれています。
ところで、この本には、さりげなく重要な注意書きがあります。
少なくとも市場全体が上昇トレンドのときに、大化けする可能性が高い銘柄が生まれるのである (201ページ)
残念ながら、この本の手法は、すべてのマーケット状況に適応できるものではありません。逆に言えば、この本は下落トレンドやデフレ下の株価低迷時期には、ダマシに引っかかりやすくなります。
実際、2006年から2011年の5年間は、この本のセオリーは通用しにくい状態だったかも知れません。
しかし、今はまったく状況が違います。この本の威力が存分に発揮されるタイミングなのです。その威力は紛れもなく凄まじい破壊力を持っています。
まさに市場全体が上昇している今こそ、投資家が読むべき本として、適したものはないように思います。
これから数年の間、この本に書かれた内容は、前向きな投資家の資産を大きく増やす手助けをしてくれるものと確信しています。
最後に、「この本は米国の個別株本であり、日本市場とは違う」という意見もあるようですが、それは間違いです。株式市場の現象には、米国だろうと日本だろうと欧州だろうと、普遍的な構造があります。
この本が優れているのは、どこの市場であろうと、上昇相場において通用する普遍的な真理をおさえている点なのです。
是非、一読されることをお勧めします。