ソロスと言えば世界最高の投機家として有名ですが、そのソロスの市場や経済に対する見方が記されているのが本書です。ソロスは市場は不完全なものであり、再帰性と言うソロスの理論をもってソロス独自の視点で世界を解説してくれます。非常に興味深い議論が多くあり、ソロスの哲学の一端を垣間見れます。
この本で非常に興味深かったのがオイルショックに関する記述でした。これが、現在起きているサブプライム崩壊後の世界と非常に似通っています。
実質利子率の低下
貿易の拡大
ドルの下落
インフレ
マネタリズムが政策の支柱
ソロスが本書を書いたのはサブプライム前です。現在、コモディティが高騰していますが、ソロスやバフェットから見れば何も驚く事はないのかもしれません。
経済危機は場所と時間を変えて世界中で起こります。そして、経済危機が起こると当該国や周辺国の歴史が変わります。日本はバブルを境に凋落の一途をたどり、サブプライムを引き金にヨーロッパではアイスランドやギリシャの破綻などが起きています。
最近はギリシャの株価指数なんかもCFDで取引できます。今やFXによる通貨取引のみならず、CFDを使えば世界中の株価指数から個別株、コモディティまでなんでも投資できる時代です。また、個人でもオプションの取引をする事も出来ますので、ありとあらゆる投資戦略が取れます。
ソロスのようなグローバルマクロも個人でも出来る時代です。普段からソロスの発言などに気をつけながら、ソロスの取引を真似てみるのも面白いと思います。