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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/10/22 11:01, 提供元: フィスコ ナガイレーベ Research Memo(1):高い利益率を継続する医療白衣のトップメーカー。株主還元にも前向き*11:01JST ナガイレーベ Research Memo(1):高い利益率を継続する医療白衣のトップメーカー。株主還元にも前向き■要約 1. 2025年8月期の業績概要 ナガイレーベン<7447>の2025年8月期の連結業績は、売上高が前期比3.5%増の16,983百万円、営業利益が同10.5%減の3,583百万円、経常利益が同9.0%減の3,706百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同8.8%減の2,573百万円となった。売上高は、第3四半期までは好調であったが第4四半期に一部期ずれ案件が発生したことから計画をやや下回った。売上総利益率は39.5%(前期は42.8%)へ低下したが、為替の影響、加工賃や原材料費の上昇、海外工場での一部移転に伴う想定外の一時的費用が発生したことなどによる。販管費の伸びを同3.5%増に抑えたものの営業利益は同10.5%減となり、計画を下回って着地した。 2. 2026年8月期の業績見通し 2026年8月期の連結業績は、売上高が前期比6.0%増の18,000百万円、営業利益が同12.3%増の4,025百万円、経常利益が同13.3%増の4,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同12.7%増の2,900百万円を計画している。依然として市場全体では厳しい環境が続くと予想されるが、コア市場では期ずれ案件を確実に取り込むことに加え、低価格市場へ戦略製品を投入して増収を見込む。注力している周辺市場では、患者ウェアの新商品の拡販に加え、手術ウェアのリース化推進などにより増収を図る。利益面では加工賃や原材料の上昇などが続く可能性があるが、2026年2月以降に価格改定を予定していることなどから売上総利益率は40.3%(前期は39.5%)と改善を見込む。販管費の伸びを3.5%に押さえることで営業利益は同12.3%増を計画している。 3. 中期経営計画と株主還元 同社は、2025年8月期の実績を踏まえ、それまでの計画をロールオーバーした中期経営計画を推進している。目標として、2028年8月期に売上高195億円、営業利益47億円を掲げ、引き続き「市場戦略」「商品戦略」「生産戦略」を推進し目標を達成する計画だ。株主還元の姿勢は変わらず、2025年8月期は同社創業110周年であることから、年間配当を100.0円(普通配当60.0円+記念配当40.0円)へ増配した。2026年8月期は通常の年間60円の予定だが、業績次第で増配の余地はありそうだ。同社は資本効率の向上と経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を目的として、自己株式の取得にも積極的である。既に2024年4月から2025年5月までの期間に135.7万株(29.9億円)の自己株式取得を行い、2025年8月期末の自己株式数は5,256,225株(残高8,108百万円)となった。この結果、配当金と自己株式取得を合わせた2025年8月期の総還元性向は204.3%となったが、過去20年間の総還元性向(加重平均※)も77.4%と高い。強固な財務体質に加え、このような積極的な株主還元の姿勢を弊社では高く評価している。 ※ 加重平均総還元性向=(配当金額の総和+自己株式取得金額の総和)÷(当期純利益の総和) ■Key Points ・2025年8月期は増収も、コスト増で営業減益 ・2026年8月期は期ずれ案件の取り込みや価格改定等で営業利益は前期比12.3%増と回復予想 ・中期経営計画では2028年8月期に営業利益47億円を目指す。株主還元にも積極的で過去20年間の総還元性向(加重平均)は77.4% (執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) 《HN》 記事一覧 |