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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/10/17 11:09, 提供元: フィスコ はてな Research Memo(9):2028年7月期に売上高50億円、経常利益率で10%以上の水準を目指す*11:09JST はてな Research Memo(9):2028年7月期に売上高50億円、経常利益率で10%以上の水準を目指す■はてな<3930>の今後の見通し 2. 中期目標 同社は中期目標として、2028年7月期に売上高50億円を目指す。従来は2027年7月期に50億円を目指していたが、2025年7月期下期から「GigaViewer」のレベニューシェアが想定よりも伸び悩んだことで、計画を修正して目標達成時期を1年先送りした。引き続き「GigaViewer」や「Mackerel」を中心としたテクノロジーソリューションサービスを成長エンジンとしたうえで、2026年7月期以降は社員の増員ペースも緩やかになり、人件費やDC利用料の対売上比率も増収効果で低下するため、同社では2028年7月期以降の経常利益率は安定して10%超の水準になるものと見込んでいる。目標どおりに業績が推移すれば、2028年7月期の経常利益は2019年7月期の449百万円を上回り、過去最高益の更新が可能となる。 (1) テクノロジーソリューションサービス 2028年7月期の売上目標は2025年7月期比1.2倍増の35億円弱を目指す。出版社のDX支援サービスとなる「GigaViewer」や「Mackerel」が成長エンジンとなる。特に、「GigaViewer」はWeb版の導入顧客に対するアプリ版のリプレイスまたは新規アプリの導入推進による開発料の獲得が見込まれる。特にアプリ版で最大規模の「少年ジャンプ+」で開発実績を示せたことは、他のWeb版導入顧客に対して大きなアピールになったと言える。さらに、レベニューシェア型サービスの売上規模がWeb版よりもアプリ版のほうが格段に大きくなることも、今後の成長余力という点ではプラス要因だ。(公社)全国出版協会・出版科学研究所の発表によると、2024年の電子コミックの市場規模は前年比6.0%増の5,122億円となり、紙媒体の市場縮小が続くなかで安定成長が続いている。「GigaViewer」関連の売上高はアプリ版でのシェア拡大並びにレベニューシェア型サービスの増加によって、中期的に売上拡大が続くものと予想される。 レベニューシェアの成長をより確実なものにするために、2026年7月期よりマーケティング支援サービス(サービス分析、グロース支援、広告宣伝実施)の提供も開始し、広告宣伝費の一部を負担するなど出版社とリスクを共有しながら、サービスグロースの促進とレベニューシェアのさらなる獲得を目指す。出版社側から見ても同社は開発ベンダーとしてだけでなく、マンガサービスの成長をともに目指す協働パートナーとしての活躍が期待されており、出版DXにおいて一段のシェア拡大が見込める状況だ。 (2) コンテンツマーケティングサービス コンテンツマーケティングサービスでは、「はてなCMS」の拡販に加えて、新規事業となる「toitta」の育成を進め、2028年7月期の売上高で12億円強と2025年7月期比で約2倍増を目指す。 (3) コンテンツプラットフォームサービス コンテンツプラットフォームサービスに関しては、アドネットワーク広告単価の下落傾向が続くことを想定し、2028年7月期の売上高で300百万円程度と2025年7月期の328百万円とほぼ同水準を見込んでいる。 ■株主還元策 当面は無配を継続、企業価値の向上により株主還元につなげる方針 同社は株主に対する利益還元を重要な経営課題であると認識しており、財政状態や業績、キャッシュ・フローの状況、今後の資金需要等を勘案して、利益還元策を決定していく意向である。ただし、当面は内部留保の充実を図り、企業体質の強化、事業拡大のための投資等に資金を優先配分し、収益拡大により企業価値を高めていくことが株主に対する最大の利益還元につながると考えている。このため、配当金については当面の間、無配を継続する方針である。 直近の株価は2026年7月期業績の2ケタ減益見通しが嫌気され、1,000円前後の水準まで下落した。2025年7月期末の1株当たり純資産が945.11円となっており、同水準を下回れば自己株式取得なども資本政策の1つとして検討課題となってこよう。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《HN》 記事一覧 |