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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2025/09/17 12:03, 提供元: フィスコ

丸運 Research Memo(3):貨物輸送とエネルギー輸送の両輪経営にも強みがある老舗の総合物流会社(2)

*12:03JST 丸運 Research Memo(3):貨物輸送とエネルギー輸送の両輪経営にも強みがある老舗の総合物流会社(2)
■会社概要等

2. 事業概要
以下、セグメントではなく、事業の内容、特性を踏まえて個々のビジネス詳細に分けて紹介する。貨物輸送が営業収益全体の約半数を占めているが、丸運<9067>が展開する貨物輸送の分野は幅広く、輸送業務はもちろん、倉庫などの保管業務等も手掛ける。

(1) トラック輸送
自社配送網と提携先を駆使し、1つの配送業者と契約するのに比べ、安価で安全、確実、迅速なサービスを提供している。全国配送のほか、請求書や証明書等ビジネスレター(信書)を安全・確実に届ける「特定信書便輸送」等、グループ会社や協力会社を含め、全国に展開するきめ細かなネットワークで、顧客のニーズに沿うビジネスを展開している。

(2) 一般貨物倉庫
同社は保管機能だけでなく、流通加工や配送機能を有した物流センターを全国各地に設置している。保管機能は危険物倉庫、保税倉庫、定温倉庫、冷蔵・冷凍倉庫、毒劇物倉庫等多種多様な用途に対応している。さらに天井クレーンなど貨物の特性に合わせた各種設備も備え、顧客のニーズに応える物流をトータルサポートしている。各拠点では、送り状、荷札発行、入出庫管理、在庫管理、請求書発行及び車両管理や物流EDI等の情報を一元管理できるシステムを導入している。

(3) 重量品搬入・据付
重量物・長尺物の輸送はもとより、各種機械・装置の運搬据付工事や解体撤去等を手掛ける。現地調査、法令の確認、企画・計画の立案、施工管理等、総合的なサービスを提供する。

(4) 鉄道輸送
同社は鉄道による木材輸送を担う目的で創業されたため、ルーツとも言える事業である。JR貨物(日本貨物鉄道(株))及び全国の鉄道利用運送事業者と連携し、北海道から九州まで張り巡らされたネットワークを活用し、顧客に効率的な一貫輸送サービスを提供している。JRの不採算路線の廃止問題、さらには天候や地震といった自然災害による運航停止といったリスク要因はありながらも、地球環境問題から、モーダル・シフトの重要性が叫ばれており、また、ドライバーを必要としない鉄道輸送は、2024年問題への対応にも効果があると期待もできる分野だ。

(5) 産業廃棄物収集運搬
PCB等の産業廃棄物の処理をサポートする「静脈物流」の事業を展開している。顧客の要望に合わせて、コンプライアンスを重視した適正処分を提案し、PCB廃棄物の濃度分析から搬出・解体・抜油等各種作業、収集運搬まで一貫したサービスを展開している。同社は、中間貯蔵・環境安全事業(株)(JESCO)東京事業所、北海道での収集運搬業者として認定を受けており、さらに産業廃棄物(特別管理を含む)収集運搬業許可を全国規模で取得しており、グループで各種情報機器や事務什器類等の産業廃棄物収集運搬を行う。

(6) 保税倉庫
東京税関管内・横浜税関管内・大阪税関所管内に、外国貨物の保管場所として保税蔵置場の許可を受けている。同社は数多くの外国貨物の取扱実績があり、首都圏の主要な物流センターに保税蔵置場を設置することで、顧客の物流をトータルサポートしている。なお、東京税関管内に東雲物流センター、羽田京浜物流センター、新座流通センター、国際貨物成田物流センター、新潟物流センターの保税倉庫を、横浜税関管内に川崎ケミカルセンターの保税倉庫を、大阪税関管内に堺物流センターを有する。

(7) 移転・引越し(法人向け)
オフィスはもちろん、店舗・工場・学校・病院等特殊なケースまで、豊富なノウハウにより最適プランで安全かつ迅速に作業を行う。会社内の組織改変等による事業所内のレイアウト変更にも数多くの実績がある。

(8) 流通加工
顧客の流通加工スタイルに合わせた物流を構築しており、デリケートな商品においても、5温度帯(常温・定温・冷蔵・氷温・冷凍)物流による細やかな品質管理で対応している。原材料や商品の調達、リコール品・廃棄品・リサイクル品における回収までをSCM(サプライチェーン・マネジメント)全体で運用し、食品、アパレル品、化学製品、薬品等、取扱品目は幅広い。

(9) 国際物流
同社は国際貨物輸送のエキスパートとして豊富な実績を有する。独自のノウハウと海外のグループ会社や大手代理店によるネットワークで最適な物流を提案する。国際物流は、CS(カスタマーサービス)業務、通関業務、運送業務、倉庫業務、船積業務、海外業務に分かれ、なかでも海外業務においては海外での物流事情に精通し、その国で最適な運送を行う。また、海外ネットワークを活用した三国間物流等、グローバルな対応も行っている。今後は、国内の貨物輸送と一体となり国内外の一貫物流を提案していくことで、事業の拡大が期待できる分野でもある。

(10) 航空利用輸送
1969年12月に国内利用航空運送事業免許を取得し、この分野では50年以上の実績とノウハウがある。小口から大口貨物まで対応可能で、ここでも全国に広がるネットワークが生かされている。

(11) 石油・高圧ガス輸送
主要な取引先がENEOSであることから分かるとおり、エネルギー輸送の高度な技術とノウハウを有し、石油製品の輸送から保管まで一貫して手掛ける。ガソリン、灯油、軽油、重油等の石油製品以外にも高圧ガス(LPG)等を、専用車両で輸送している。また、全国の油槽所及びガスターミナルの管理業務や支援業務を請け負い、トータル物流に応える体制を有している。

(12) 潤滑油・化成品物流
石油製品と同様、高度なノウハウがなければ対応できない業務であるが、同社は「安全輸送・輸送品質」を確保しながら物流効率化を実現してきた。タンクローリー輸送に限らず、ISOタンクコンテナ・20フィートコンテナ等のドレージ、トラック輸送、鉄道輸送、コンテナ船輸送等の幅広い輸送形態を保有し、それらを組み合わせた複合輸送も行っている。

(13) 危険物倉庫
危険物は法令により保管や取り扱いに関して厳しい規定があり、これも専門知識がなければ対応できない。神奈川県川崎市に位置する川崎ケミカルセンターは、危険物高層自動ラック倉庫、平屋倉庫を有する最新鋭の倉庫で、物流情報のIT化による正確な在庫管理、迅速な入出庫作業で顧客から高い評価を受けている。

(14) 毒劇物倉庫
2024年3月に東扇島物流センターのリニューアルに伴い、倉庫スペースの一部を毒劇物倉庫として営業を開始した。長年培った危険物及び毒劇物の取扱いの経験を活かし、顧客のニーズに合わせた提案を行っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)


《HN》

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