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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/04/22 11:11, 提供元: フィスコ AB&Company:スタイリストファーストで独自の競争優位性―新業態も加え、新たな成長ステージへ―*11:11JST AB&Company:スタイリストファーストで独自の競争優位性―新業態も加え、新たな成長ステージへ―【第1四半期は想定通り、通期業績予想を据え置き】 AB&Company<9251>は、「スタイリストファーストを信念に、お客様に幸せと喜びを提供する」ことを企業理念とし、美容室の直営・フランチャイズ展開およびインテリアデザイン事業を展開している。直営美容室では「Agu.」ブランドを中心に全国で展開し、高品質なサービスをリーズナブルな価格で提供。フランチャイズ事業では、加盟店への経営指導や教育研修、PB商品の提供など多面的なサポートを行っている。インテリアデザイン事業では、美容室を中心とした空間デザイン・施工のコーディネートを手がけ、店舗全体のプロデュースを可能にしている。 同社は2025年3月14日、2025年10月期第1四半期(2024年11月1日〜2025年1月31日)の連結決算を発表。売上収益は前年同期比8.2%増の45.35億円となり、増収を達成した。営業利益は同8.6%増の3.64億円、税引前四半期利益は同9.6%増の3.22億円と、堅調な推移を見せた。 同社の駒田CFOによれば、第1四半期は「イレギュラー要素もなく想定通りの進捗」とのことで、通期業績予想を据え置いている(売上収益199.39億円(前期比+9.7%)、営業利益20.70億円(前期比+18.9%)、当期利益12.61億円(前期比+17.1%)、前年比で増収増益予想)。 注目の出店状況としては、第1四半期において直営・FC合計で16店舗の純増を達成。第2四半期以降の積み上げにより、通期での純増125店舗という目標達成を目指す。 【「業務委託×FCモデル」による競争優位性】 同社の最大の強みは、独自に構築した「業務委託×FCモデル」にある。美容業界で働くスタイリストにとって、従来は「低賃金・長時間労働と引き換えに正社員としての安定を選ぶか」、「リスクを背負って独立を目指すか」という二択が一般的であった。そのため、全国の美容サロンの約9割が個人事業主という業界構造の中で、企業としてのスケール拡大は困難だった。 これに対し、同社が導入する業務委託制度では、スタイリストの報酬が完全歩合制で売上と連動しつつ、働く時間を自身で決められる柔軟性がある。また、マーケティングや経理業務など、経営に関する煩雑な業務は本部がサポートするため、独立のメリットを享受しつつリスクを抑えることができる。この制度は、スタイリストにとって「第三の選択肢」として機能しており、多様な働き方を実現している。 実際に、同社に所属するスタイリストは、大きく分けて(1)独立を目指す人、(2)高収入を得ながら継続して所属する人、(3)時短勤務を選ぶ人という三つのタイプに分かれ、それぞれのニーズに応じたキャリア選択が可能となっている。こうした柔軟な働き方の選択肢により、同社は着実なスタイリストの獲得に成功している。 さらに、単なる独立ではなく「経営者」としてのキャリア形成を志向するスタイリストに対しては、フランチャイズ(FC)オーナーとしての道も用意している。エリア単位での人材確保や店舗開発の責任を委ねることで、経営人材の育成と事業の拡大を同時に実現している。このような仕組みにより、同社は2025年10月期第1四半期末時点で、直営・FCを合わせて1,045店舗という圧倒的な店舗網を構築している。 また、集客面においては、リピーターを中心とした顧客構成に加え、新規顧客についてもWEBマーケティングや紹介を活用して効果的に獲得している。そのため、一等地や路面店にこだわる必要がなく、あえて雑居ビルの空中階へ出店することで賃料を抑制。これにより、リーズナブルな価格でのサービス提供を可能としている点も、同社の見逃せない競争優位である。 【Agu.と新業態による成長の多軸化】 今後は、主力ブランドである「Agu.」の着実な出店を進める一方で、メンズ専用サロンやヘアカラー専門サロンなど、新業態の開発にも注力していく方針だ。実際に、「SOYON」や「CODE.LINE」など新業態の売上構成比は、すでに全体の2割に迫っており、今後の成長ドライバーとしての期待が高まっている。 「スタイリストファースト」という理念のもと、Agu.に加えて多様な新業態を取り込んだブランドポートフォリオを構築することで、同社はさらなる成長ステージへと進化しつつある。今後の展開に注目したい。 《HM》 記事一覧 |