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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/04/15 14:03, 提供元: フィスコ オーケストラ Research Memo(3):DX事業とDM事業を主力に、新規事業及び投資事業も展開*14:03JST オーケストラ Research Memo(3):DX事業とDM事業を主力に、新規事業及び投資事業も展開■事業概要 1. 事業の概要 Orchestra Holdings<6533>はM&Aを積極活用し、成長分野であるDX事業とDM事業を主力に、その他事業として新規事業及び投資事業も展開している。2023年12月期以降のM&Aとしては、2023年2月にデジタルアイデンティティがWordPressを専門としたシステム開発・保守運用の(株)e2e及びコンテンツマーケティングの(株)アダムテクノロジーズを子会社化、同年4月に同社がヴェスを子会社化、同年8月にSharing InnovationsがSalesforce導入支援サービスのコンティニュー(株)を子会社化、2024年4月にヴェスが(株)エー・アンド・ビー・コンピュータからシステムエンジニアリングサービス(SES)事業を譲り受け、同年9月に同社がゲーム開発・運営の(株)ランド・ホーを子会社化した。さらに、2025年1月にはヴェスがソフトウェア開発・SES事業の(株)日本技研プロフェッショナルアーキテクトを子会社化、同年2月にはヴェスがRFID等の自動認識ソリューションを展開する(株)ケーウェイズを子会社化した。 (1) DX事業 DX事業は子会社Sharing Innovationsを中心に、中堅〜大手企業を主要クライアント層としてシステムやアプリの受託開発を行うシステムソリューション、米国Salesforce 2018年2月にSalesforceのコンサルティングパートナーに認定された後、2019年9月にはSilver Partner、2020年3月にはGold Partnerに認定された。またSharing Innovationsは2020年8月に、Salesforceの子会社でBI(Business Intelligence)分析プラットフォームのリーディングカンパニーである米国Tableau Softwareとパートナー契約を締結した。その後の実績が評価されて2021年6月にTableau SoftwareのSelectパートナーに昇格、2022年5月には最高ランクのTableau Premierパートナーに日本で初めて認定された。 2023年4月に子会社化したヴェスは、2003年に設立してソフトウェアテストサービスを開始して以来、12,000件以上の検証実績を有するなど、ソフトウェア品質のエキスパートとして、特に精密機器分野や医療機器分野を中心に高い知見・ノウハウを有している。またソフトウェアテストの国際的な資格認定を行うISTQB(国際ソフトウェアテスト資格認定委員会)より「ゴールドパートナー」に認定されている。 2025年1月にヴェスが子会社化した日本技研プロフェッショナルアーキテクトは、従業員数約130名でソフトウェア開発・SES事業を展開している。従来は2次請負案件が中心だったが、同社グループの顧客層からの1次請負案件にシフトすることで利益率の大幅な改善を実現する方針だ。また同年2月にヴェスが子会社化したケーウェイズは、従業員数約30名でRFID等の自動認識技術に強みを持っている。同社グループの顧客基盤やリソースを共有することで、従来はリソース不足で断っていた案件への対応も可能になるほか、DX事業にケーウェイズのIoTシステム領域が加わることで、グループシナジー向上効果も期待される。 (2) DM事業 DM事業は子会社デジタルアイデンティティを中心に、インターネット広告に関するサービスとして運用型広告サービス、SEO(Search Engine Optimization)コンサルティングサービス、サイト・コンテンツ制作のクリエイティブサービスなどを展開し、顧客企業のマーケティングDXに関するフルファネル型のトータルソリューションを提供している。デジタルアイデンティティは、専門的な運用知識、運用実績、高品質な広告運用、ワンストップ体制などが評価されている。 (3) その他事業 その他事業は、プラットフォーム事業として2014年に開始した占いサービス「ウラーラ」を運営しているほか、子会社ワン・オー・ワンが展開するSaaS型スキルマネジメントシステム「スキルナビ」、2024年9月に子会社化したランド・ホーが展開するゲーム企画・開発・運営、子会社アールストーンが展開するITエンジニア・クリエイター転職エージェンシー「R-stone」、ITエンジニア求人情報サイト「TechReach」、投資事業などを展開している。 多くの事業が先行投資段階だが、グループ基盤も活用しながら新たな主力事業への育成を推進している。なおスマートフォンからチャットで相談できる占いサービス「ウラーラ」は鑑定実績が累計130万件を突破し、安定収益で推移している。またコーポレートベンチャーキャピタルのOrchestra Investmentは、ビジョンである「創造の連鎖」を実現すべく投資事業を通じてベンチャービジネスをサポートしている。このうちかっこ<4166>、ROBOT PAYMENT<4374>、TWOSTONE&Sons<7352>、ジオコード<7357>、メンタルヘルステクノロジーズ<9218>の5社が株式上場を果たしている。 2. セグメント別の推移 過去5期(2020年12月期〜2024年12月期)のセグメント別の推移は以下のとおりである。なお2022年12月期より「収益認識に関する会計基準」等を適用し、DM事業の一部売上高を総額(グロス)表示から純額(ネット)表示に変更している。DX事業はSharing Innovationsの構造改革効果で利益面も2024年12月期より再成長フェーズに入っている。DM事業は「収益認識に関する会計基準」等適用の影響で2022年12月期より見掛け上の売上高が大幅に減少した形になっているが、実質的には市場拡大や競争優位性を背景に増収増益基調で利益柱となっている。その他の新規事業は先行投資段階である。 3. 特徴・強み 同社の特徴・強みとしては、M&Aを積極的に活用し、IT・DXやDMといった成長分野にビジネス展開していること、DM事業では主力の運用型広告サービスが高い評価を得ていること、DX事業では成長ドライバーとし位置付けているクラウドインテグレーション分野において米国SalesforceのMA・CRM製品の導入支援・保守・運用等に豊富な実績を誇っていることなどがある。今後もM&Aを積極活用することで、開発体制の強化、新たな柱となる事業の育成、グループシナジー創出を推進する方針だ。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) 《HN》 記事一覧 |