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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/04/09 11:02, 提供元: フィスコ ジャストプラ Research Memo(2):外食業界向け店舗管理システムの大手。契約店舗数は6,000店舗超*11:02JST ジャストプラ Research Memo(2):外食業界向け店舗管理システムの大手。契約店舗数は6,000店舗超■事業概要 ジャストプランニング<4287>の事業はASP事業、システムソリューション事業、物流ソリューション事業、太陽光発電事業、その他の5つの事業セグメントで区分されている。2025年1月期の事業セグメント別構成比を見ると、売上高はASP事業が49.4%、物流ソリューション事業が37.0%と2つの事業で全体の8割以上を占めるが、セグメント利益(売上総利益)ではASP事業だけで73.2%と大半を占めており、ASP事業が同社の収益柱となっている。 1. ASP事業 ASP事業では、インターネットを介して売上、発注/仕入、勤怠管理など店舗を運営するうえで必要な業務用ソフトを利用できるサービス「まかせてネット」(1999年サービス開始)を開発・提供している。主な顧客は、20〜50の店舗規模でチェーン展開する中小規模の外食企業であり、「まかせてネット」を導入することで店舗の経営状況を収集・管理・分析することが可能となる。契約店舗からの月額利用料が売上高の大半を占めるストック型ビジネスモデルで収益性が高く同社の主力事業だ。 「まかせてネット」の月額利用料金は利用するサービスによって変わるものの、1店舗当たり平均1.2万円の水準である(フルサービスの提供で約3万円)。競合企業の多くが月額1万円前後で提供していることを考えるとやや高めの料金設定だが、他社であれば別途追加料金が発生するようなカスタマイズ対応についても、同社は無償でサービスを提供できる優位性がある(ただし、大幅な仕様変更については別途料金が必要)。 契約店舗数は、2025年1月期末時点で6,461店舗(契約企業数248社、物流管理システム「Logi Logi」含む)となっている。国内の外食チェーン店舗数が2024年3月末時点で約5.15万店舗((一社)日本フランチャイズチェーン協会調べ)あることから業界シェアは約12%の水準であるが、主要ターゲットである50店舗以下の中小規模の外食チェーン向けに限れば、これをやや上回るシェアを握っていると推定される。 競合企業としては、アルファクス・フード・システム<3814>、(株)ガルフネット、(株)アスピットなど同規模クラスの企業が5〜6社ある。このうち、アルファクス・フード・システムとの比較で見ると、2025年1月期末の契約店舗数は同社6,461店舗に対して、アルファクス・フード・システムは2024年9月期末で6,711店舗といずれも前期末から増加した。アルファクス・フード・システムの店舗数の方がまだ若干多いが、その差は年々縮小している。一方、売上高は同社が1,088百万円と増収基調が続いているのに対して、アルファクス・フード・システムは728百万円と前期比で減収に転じている。2020年度まで売上規模はほぼ同水準であったが、その後は徐々に差が広がっている状況だ。ここ数年、アルファクス・フード・システムは、店舗内の配膳ロボットソリューションに注力していることが店舗管理システム事業の伸長に影響を与えているものと思われる。なお、外食企業向けのASPサービスとしては、インフォマート<2492>も受発注サービスを行っており、一部サービスが重複している。ただし、インフォマートは主に売り手側(食品卸会社向け)のサービスをメインとしているため、インフォマートと顧客が重複する場合には互いにシステム連携を行うなど良好な関係を構築している。 同社は外食業界での垂直展開を図るため、「まかせてネット」以外の付加価値サービスも提供している。このうち「まかせてタッチ」(「POSITEV」の名称で2012年サービス開始、2014年に現在の名称に改称)は、飲食店で来店客からのオーダーを受ける際に使用する専用端末(ハンディターミナル)を、iPadやiPod touchなどの汎用端末に置き換えたサービスである。汎用端末を用いることで初期導入費用を約3分の1に低減できるほか、一般的に普及している端末を使うため従業員の習熟も早く、研修のための期間や費用を圧縮できること、メンテナンス費用を低減できることなどがメリットとして挙げられる。ただし、最近は卓上に設置されたタブレット端末から顧客自身がオーダーする形態がチェーン店で普及し始めており、新規需要は減っているものと思われる。 また、業務提携先のサン電子<6736>から2020年8月に譲受したテイクアウト業態向けのモバイルオーダー&決済アプリ「iToGo」も同事業に含まれる。スマートフォンアプリやLINEミニアプリ、Webブラウザなどで商品を事前予約・決済(決済は店頭でも可能)できるほか、独自の割引クーポンやお得な情報を受け取れるプッシュ通知などの販促支援機能やCRM(顧客管理)機能もオプションで提供している。料金体系※は、初期導入費用のほか、月額固定料金と従量料金を組み合わせている。2025年1月期末の契約店舗数は1,435店舗、契約企業数は53社となっており、ASP事業における売上構成比は約11%とまだ小さいが、アライアンス戦略も推進しながら事業拡大に取り組む。 ※ 月額料金は個店向けが3千円、チェーン店向けのうちWebプランが5千円、アプリプランが8千円。従量料金(販売手数料)は流通額に応じて一律3%である。 2. システムソリューション事業 システムソリューション事業では、主に「まかせてネット」等のサービス契約企業の店舗に導入するPOSシステムやオーダリングシステムなど、各種端末機器の販売や設定・メンテナンスサービスを行っている。「まかせてネット」等の新規契約をした場合でも、既に店舗にPOSシステム等の端末機器が設置されている場合は買い替えの必要がないため、ASP事業との連動性は低い。また、端末機器に関しては仕入販売のため、利益率も相対的に低くASP事業の補完的な位置付けだ。 3. 物流ソリューション事業 物流ソリューション事業では、2005年に子会社化した(株)サクセスウェイ(出資比率100.0%)の事業で、主に外食企業向けの物流ソリューションやマーチャンダイズソリューション、本部業務代行サービスなどを提供している。現在は労働集約型である物流業務代行サービスが売上の大半を占めているため利益率が低いが、同社が開発し2022年に刷新した新「Logi Logi」システムの拡販に注力しており、2025年1月末の契約店舗数は866店舗、契約社数で17社となっている。 4. 太陽光発電事業 太陽光発電事業は、子会社の(株)JPパワー(出資比率100.0%)で展開している。栃木県内2ヶ所で合計1.7MWh(2015年2月より稼働)、宮城県内で1.1MWh(2016年2月より稼働)の発電所を運営し、電力会社に売電している。売電価格はFIT制度により売電開始から20年間は固定されているため、当面は償却負担の減少とともに利益率の上昇も見込まれる安定収益源だ。 5. その他事業 店舗運営ノウハウを学ぶ社員研修や新システムのテストマーケティングの場として、子会社のJPパワーで飲食店を運営している。2025年1月期末の店舗数は前期末から変動がなく居酒屋2店舗、ゴルフバー1店舗、定食屋1店舗(生姜焼き専門店)の合計4店舗である。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《HN》 記事一覧 |