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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/03/24 14:10, 提供元: フィスコ ツクルバ:高い利益成長予想に対して順調推移、「カウカモ」で独自ポジション*14:10JST ツクルバ:高い利益成長予想に対して順調推移、「カウカモ」で独自ポジション中古・リノベーション住宅流通において買主向けメディア「カウカモ」を通じた仲介などを展開しているツクルバ<2978>は3月14日、2025年7月期第2四半期決算を発表した。高い成長を見込む通期予想に対して順調な推移となっている。 第2四半期における売上高は前年同期比106%増の1,837百万円、売上総利益は同43%増の852百万円、営業利益は同64百万円増の52百万円。仲介・付帯サービス及び自社企画商品ともに伸長し、カウカモ事業の売上総利益は前年同期比43%増の852百万円となっている。仲介・付帯サービスでは、前期に起因する集客不足の影響が継続、取引件数で市場成長率を下回る250件(前年同期比3%増)で着地したものの、収益単価において主にリノベーションサービスの販売増や取引物件単価の増加により、2.9百万円(前年同期比27%増)となった。通期では、売上高で前期比46%増の8,000百万円、売上総利益で同25%増の3,530百万円、営業利益で同48%増の230百万円が予想されており、順調な推移となっている。 なお、同社が運営する「カウカモ」は、中古・リノベーション住宅の売主と買主を介在するマーケットプレイス型のプラットフォーム。蓄積された買主ユーザーの嗜好データや空間データ等を活用し、売主から供給される物件の流通に介在することで、両者に対してユニークな価値提供を行い、売買が循環する成長サイクルを構築している。収益形態は手数料収益と販売収益が存在しているが、売上総利益に対しては買主サイドの仲介手数料・売主サイドの仲介手数料の合計が80%弱を占めている。残りは、リノベーション事業者・付帯サービス事業者等への顧客斡旋による手数料が10%程度、不動産販売収益が10%強。 競合としては、(1)不動産ポータルサイト、(2)財閥系大手仲介会社・中小の仲介会社、などが挙げられている。ただ、カウカモは、不動産ポータルサイトと仲介事業を統合しているため、住宅流通業界において独自のポジションを構築している。不動産ポータルサイトは、仲介事業者からの物件記事掲載料が主な収入源であり、対象市場は広告市場となる。仲介手数料を主な収入源とし、不動産流通市場を対象市場とするカウカモとは対象市場が別で、カウカモに載せた物件について他の不動産ポータルサイトにも掲載することもある。また、仲介会社に対しては、通常の仲介会社では「オフラインでの営業」や既存の不動産ポータルサイトを利用して検索してもらうフローの集客が主体になるが、カウカモではオンラインにデザイン性への関心が高く、日常的に眺めているユーザーがアセットとして蓄積されている。蓄積されたユーザーとデータの基盤を活用した「早く適切なマッチング」と「データに基づく魅力的な物件創出」が他の仲介会社に対するカウカモの競合優位性になっている。 中古住宅・リノベーション市場は、東京都だけで1.6兆円の規模があるが、東京都に対するカウカモのシェアは約3.4%となっている。ただ、市場規模は全国まで目を向けると20兆円規模への成長が期待されており、同社は展開エリアの拡大・市場全体の成長という高いポテンシャルを秘めている。また、2005年に2割程度であった築25年以上の中古マンションの比率は2025年には全体の6割程度となるため、住宅購入においてリノベーション住宅があたりまえの選択肢になることが想定されている。さらに、首都圏における中古マンションの成約件数は、新築マンションの供給戸数と比較すると、経済環境に大きな影響を受けず継続的に増加しており、中古不動産流通市場は新築に比べてマクロ環境の影響を受けにくい。金利上昇による影響も、他の不動産企業と比較して軽微であると考えられる。同社は今後、カウカモ事業の規模拡大を継続しつつ、営業生産性やマーケティング効率の改善、バリューチェーンの統合を通じて持続的な利益創出力を向上させていく方針。周辺領域における新規事業やM&A等の成長投資機会にも機動的に対応することを期待する。 《HM》 記事一覧 |