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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/03/24 16:14, 提供元: フィスコ フルテック Research Memo(4):販売・設計・製造・施工・保守サービスのワンストップサービスを実現(1)*16:14JST フルテック Research Memo(4):販売・設計・製造・施工・保守サービスのワンストップサービスを実現(1)■フルテック<6546>の事業概要 フルテック<6546>の事業セグメントは、自動ドア開閉装置の販売・設計・施工・保守サービスなどを行う「自動ドア関連事業」、ステンレス建具の製造・建築金物の制作・販売などを行う「建具関連事業」、駐輪システムや分煙システムの販売、セキュリティボックスなどの制御システムの企画・製造・開発事業を展開する「その他事業」に区分される。 1. 自動ドア関連事業 自動ドア開閉装置の販売・設計・施工・保守サービスのほか、それを支える技術管理・商品開発・仕入れまで社内一貫体制を整えている。また、自動ドア開閉装置の取替(リニューアル)も行う。拠点網は全国に39拠点で、北海道(8ヶ所)・東北(16ヶ所)・関東(14ヶ所)・九州(1ヶ所)となる。施主・設計会社・ゼネコンなどに営業活動を展開しているが、最終的には、工事を請け負うゼネコンや部材を納入するサッシメーカーから受注するケースが多い。また、主要拠点すべてに設計要員を配置し、自動ドア開閉装置の適切な仕様決定や開口部への納まりの設計、各現場における打ち合わせなどのサポートを行っている。近年、自動ドアの用途はバリアフリー、防犯、防火、防音、衛生管理など多岐にわたっていることから、設計部門を充実させ、顧客ニーズにマッチしたエントランス環境の提供を目指している。 同社は、自動ドア開閉装置を主要仕入先である寺岡オートドアや扶桑電機工業(株)などのメーカーから、自動ドアセンサーはオプテックス(株)から仕入れ、それらの部材を建具とユニットにして自動ドア製品として施工している。また、部材のみの販売も行っている。施工は外注委託せず、基本的には内製で対応している。同社は、自動ドアのスムーズな作動を確保し、通行者の安全を確保するため、開閉スピードやセンサーの検知エリアの確認など施工基準を定め、施工品質を確保している。施工を行う技術サービス部員を対象に、教育や研修を計画的に行い、国家検定である自動ドア施工技能士(1級・2級)の資格取得養成にも注力している。2024年2月末現在で261名の有資格者がいる。同社は、オフィスビル、公共施設、商業施設などのデザイン・形態・用途などに合わせた製品を、オーダーメイドで提案することができる。また、同社独自の研究開発または提携先との共同開発による自動ドア開閉装置の新商品や関連商品も積極的に行っている。 2014年8月には、カメラによる画像認識と光線式センサーの組み合わせにより、扉に向かう人のみを検知して無駄開きを防止する「e-セービングドア」をリリースした。2018年5月には、フレームレスで限りなくガラスだけのデザインを実現した新型ドア「スリムドアZero」のほか、戸袋用防護柵「フィックスサイドガードZero」をリリースした。2019年8月には、自動ドア全般にわたる日本産業規格JIS A 4722に対応した自動ドア「Fiプラットフォーム」と、それに対応する新しい保守点検サービス「Fi-A(アラーム)」をリリースした。「Fiプラットフォーム」は、開閉ワンサイクルごとにセンサーの安全性を確認し、各部をネットワーク監視することで安全性を確保した。また、故障及び故障につながる情報をインジケーターの点滅によりお知らせするほか、スマートフォン専用サイトで自動ドアの状態を確認することができる。なお、電装品の見直し、構成部品の設計、強度の改善などにより耐久性が向上し、従来は3〜4回の定期点検を年2回にした。 2019年12月には自動ドア防護柵にデジタルサイネージを組み込んだ新型防護柵「フィックスサイドガードSNG」をリリース。2021年1月には、オプテックスとの共同開発により業界初の24時間365日遠隔モニタリングを実現した保守点検サービス「Fi-R」をリリースした。IoT技術を利用して自動ドアの個別情報や安全運行に関わる39項目のデータを遠隔モニタリングする。その結果を顧客に毎月レポート配信し、定期点検も年1回とすることで保守サービスの省人化・効率化により労務コストを低減する。2023年4月からは、自動ドアの運用情報をWeb API※と連携するサービスも提供している。 ※ API:Application Programming Interfaceの略。ソフトウェア同士が情報をやり取りするためのインターフェース。 2021年5月にはインパクトホールディングス(株)の子会社(株)impactTVとの共同開発により、インフォメーション機能を搭載した非接触バリアフリートイレドアスイッチ「ソーシャル アイ」をリリースした。 2022年1月には、NECソリューションイノベータ(株)と共同開発した画像解析AIと自動ドア制御とを組み合わせた「eメディアドア」をリリースした。扉に向かう人のみを検知し無駄開きを抑止するとともに、開く幅も制御して開閉に伴う空調負荷を抑制する「環境負荷低減」機能、ドアへの急接近を検知したら開く速度を速め、急接近する人とドア付近の人双方に音声やサイネージで注意喚起するなど、人やモノの動きの方向や速度を判断して安心・安全を提供する「別次元の安全性」機能、カメラ画像から通行者数だけでなく、通行者の属性(年齢・性別・様態)を判別したマーケティングデータの提供、入退店者にサイネージで案内・広告などのコンテンツを表示する「自動ドアの場所を活かした情報の受発信」機能がある(特許出願済)。 2022年7月には、業界初の遮煙性能を有する特定防火設備自動ドア「FTF-CAS」をリリースした。遮炎性能と遮煙性能を併せ持ち、避難口にも設置ができる複合防火設備の国土交通大臣認定を取得しており、特許出願中である。2024年3月には、(株)ミライロ、(株)ハウディとの共同開発により、障がい者にやさしいスマートフォン連携自動ドア「ミライロドア」をリリースした。「ミライロドア」は専用コントローラとスマートフォンの連携により、通行者の属性に合わせて都度開閉速度など運転方法を変更することができる。加えて、目が不自由な人が近づいたときにスピーカーで誘導アナウンスなどを再生する機能や、車いす使用者が近づいたときにタッチスイッチを押さなくてもドアが開く機能も搭載している。2024年4月に施行された改正障害者差別解消法により、民間事業者に対して障がい者への合理的配慮の提供が義務化された。これにより、公共施設のみならずオフィスや店舗などあらゆる施設において、ユニバーサルデザインの製品や設備の導入の重要度が高まっていることが背景にある。2025年2月には、東京建物<8804>が開発する地域密着型商業施設「minanoba 相模原」への導入が決定した(「ミライロドア」が導入されるのは日本初)。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘) 《HN》 記事一覧 |