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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/03/24 16:12, 提供元: フィスコ フルテック Research Memo(2):自動ドアの総管理台数は31万台超、保守契約台数も9万台超(1)*16:12JST フルテック Research Memo(2):自動ドアの総管理台数は31万台超、保守契約台数も9万台超(1)■フルテック<6546>の会社概要 1. 会社概要 フルテック<6546>は、事業セグメントとして自動ドア開閉装置の販売・設計・施工・保守サービスなどを行う「自動ドア関連事業」、ステンレス建具の製造・建築金物の制作・販売などの「建具関連事業」のほか、「その他事業」として駐輪システム、分煙システムの販売、セキュリティボックスなどの制御システムの企画・開発・製造事業を展開する。連結子会社は、ステンレスサッシなどの建具を製造するアートテックス(株)、セキュリティ関連システムの企画・開発・設計・製造を行うワイズ・コーポレーションの2社がある。札幌市に本社を構え、北海道・東北・関東・九州に39支店・営業所(2025年3月時点)を展開し、全国規模で販売・サービスを展開する。 同社の自動ドアの据付台数は、北海道で58%、東北地区で42%とトップシェアを占めている。一方、関東地区は15%、九州を除く西日本は未進出エリアである。業界全体の自動ドア据付台数の地域別構成比は、関東地区が37%と最も高く、大型のオフィスビル・マンション・商業施設・公共施設などの建設が多い関東・中部・関西・九州地区で過半を占める。これらのことから、今後は関東地区や西日本での成長が期待できる。同社は大型のオフィスビルや商業ビルには一度に数十台、全国に展開するビル・商業施設のグループ単位では累計で数百台規模の自動ドアを納入している。 同社は、自動ドアの開閉装置(エンジン)とサッシ(枠・框)などの建具をジョイントし、1つのユニットとして自動ドアを販売・施工している。ただし、自動ドア開閉装置を持たないサッシメーカーからの受注、リニューアルによるパーツ取替など、個別部材のみの販売も行っている。同社は、販売から設計、建具の製造・施工・保守サービスのほか、それを支える技術管理・商品開発・仕入れまで社内一貫体制を整えている。顧客の様々な要望や、エントランスの形態に合わせた商品を提供できるワンストップサービスが最大の強みだ。グループ会社のアートテックスは札幌市、盛岡市にステンレス建具の製造工場を持ち、顧客の様々な要望に応えることが可能だ。一部の商品開発は外部と共同開発を行っているが、内製化を進めるために、2024年1月にワイズ・コーポレーションを連結子会社化した。 同社が販売し、稼働している自動ドアの総管理台数は2024年12月期末で315,563台(前期末比7,400台増)と、新規受注に伴って純増している。このうち、保守サービスを契約している台数は92,048台と約3割を占める。また、同社が販売した自動ドアの老朽化などに伴うリニューアル台数も増加しており、2024年12月期は6,745台(前期比466台増)となっている。オフィスビルや商業施設など、人の出入りが多い自動ドアは開閉回数も増えるため、取替サイクルが数年単位となるケースもあるようだ。 2024年12月期の売上高構成比は、自動ドア関連事業が61.1%、建具関連事業が31.8%、その他事業が7.1%を占める。自動ドア関連事業の売上高は部門別に、新規受注の「新規」、保守・修理の「メンテナンス」、取替受注の「リニューアル」に区分されている。新規の顧客はゼネコンやサッシメーカーなどだが、メンテナンスやリニューアルの顧客は施主やビル管理会社といったエンドユーザーになる。また、メンテナンスの対象は、同社が販売した自動ドアとなる。新規の売上高構成比は11.3%、メンテナンスは29.6%、リニューアルは20.2%を占める。メンテナンス売上高の過半は年間の定額保守契約料で、ストック型売上である。新規自動ドアの3割程度は保守契約が伴うため、新規受注に伴い確実に売上が積み上がる。解約も一部発生するが、過去60年間保守契約台数が前期を下回ったことはないと言う。加えて、総管理台数から保守契約台数を引いた約22万台が、保守契約の締結が見込める潜在的なストック市場となっている。また、リニューアルも、同社の総管理台数の増加に伴って積み上がるストック市場だ。新規受注を増やしながら、ストック市場を創出・拡大する同社のビジネスモデルは、安定的な成長に寄与すると思われる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘) 《HN》 記事一覧 |