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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/03/24 16:11, 提供元: フィスコ フルテック Research Memo(1):2024年12月期の売上高は過去最高を更新、採算管理の徹底により大幅増益*16:11JST フルテック Research Memo(1):2024年12月期の売上高は過去最高を更新、採算管理の徹底により大幅増益■要約 フルテック<6546>は、自動ドア開閉装置※1の販売・設計・施工・保守サービスなどを行う「自動ドア関連事業」、ステンレス建具の製造・建築金物の制作・販売などを行う「建具関連事業※2」のほか、「その他事業」として駐輪システムや分煙システムの販売、セキュリティボックスなどの制御システムの企画・開発・製造事業を展開する。創業から60年を超え、札幌市に本社を置き、連結子会社は2社、北海道・東北・関東・九州に39支店・営業所(2025年3月時点)を展開する。「技術力と人間力であらゆるお客様に満足を届ける。」をパーパスに掲げ、新たな価値を付加した自動ドアを提案することで、事業領域の拡大と成長を目指す。 ※1 自動ドア開閉装置とは、ドアを開閉させるためのモーターやコントローラー(制御装置)などから構成される駆動装置(自動ドアエンジン)であり、通行者を感知するセンサーも含む。通常、センサー以外はサッシ(建具)に内蔵されている。 ※2 近年「建具リニューアル」が伸長しており、2024年12月期より従来「自動ドア関連事業」セグメントに含まれていた「建具リニューアル」を「建具関連事業」セグメントへ区分変更した。比較のため2023年12月期のセグメント情報は、変更後の区分方法により修正したものを掲載している。 1. 2024年12月期の業績概要 2024年12月期の連結業績は、売上高13,813百万円(前期比8.1%増)、営業利益612百万円(同36.7%増)、経常利益677百万円(同36.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益457百万円(同91.4%増)となった。売上高は過去最高を更新し、営業利益以下の各段階利益は大幅な増益となった。売上高は、自動ドア関連事業、建具関連事業とも大型物件の新規受注が増加した。自動ドア関連事業は、注力しているリニューアル(取替)の受注が同11.1%増と2ケタの伸びを維持した。また、2024年1月に連結子会社化した(株)ワイズ・コーポレーションの売上が通年で加わった。損益面では、利益率の高いリニューアル売上の増加に加えて、選別受注・採算管理の徹底や、仕入価格上昇に対する価格転嫁の効果により、売上総利益率は33.7%と前期から2.0ポイント改善し、売上総利益は同15.0%増となった。販管費は、人的資本投資、M&A関連費用などの成長投資により同12.3%増となったが、売上総利益の増加により、営業利益以下の各段階利益が伸長した。 2. 2025年12月期の業績見通し 2025年12月期の連結業績は、売上高14,350百万円(前期比3.9%増)、営業利益660百万円(同7.7%増)、経常利益700百万円(同3.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益470百万円(同2.6%増)と増収増益を見込む。売上高は、自動ドア関連事業のリニューアル部門及び建具関連事業の受注増加により、順調に推移する見込みだ。リニューアル・メンテナンスは、営業強化によりエンドユーザーとのつながりを創出し、需要の掘り起こしを進める計画だ。損益面では、選別受注・採算管理を強化しながら、新規物件の利益率改善に取り組むほか、リニューアル売上の増加、24時間365日遠隔モニタリングを行う保守サービス「Fi-R(リモート)」の契約伸長など業務のDXにより、売上総利益を伸ばす計画だ。一方、成長戦略を進めていくために、生産性向上のためのシステム投資、人材確保の強化や昇給などの投資を増強する。販管費の増加は売上総利益の伸長で吸収し、営業利益は同7.7%増となる見込みだ。 3. 「Vision2030&中期3ヶ年経営計画2025-2027」の概要 同社は、水平・垂直・“プラスα”の3本の成長軸で成長戦略を描いている。3本の成長軸とはそれぞれ、市場領域の拡大、事業領域の拡大、新たな事業領域の拡大である。同社は、この成長戦略をベースにした「Vision2030」を2024年11月に公表した。「下請け型企業から技術開発型販社への転換」を「2030年に目指す姿」とした。商品開発力を強化し、開発見込み型企業へシフトすることを目標に数値目標として、2030年12月期に売上高200億円、経常利益20億円、ROE10%以上を掲げ、成長戦略と組織戦略により達成する計画だ。また、「中期3ヶ年経営計画2025-2027」を同時に公表し、2027年12月期の数値目標として売上高162億円、経常利益11億円、ROE9.2%以上、PBR1倍以上を掲げた。併せて株主還元方針も見直し、配当性向50%以上、DOE(自己資本配当率-1株当たり配当金÷1株当たり純資産)3%を目指す。 ■Key Points ・2024年12月期はリニューアル部門・建具関連事業がけん引し、売上高は過去最高を更新 ・選別受注・採算管理の徹底により各段階利益は2ケタの大幅増益 ・2025年12月期も自動ドア関連事業のリニューアルや建具関連事業がけん引し増収・増益見込み ・「Vision2030」を公表。2030年12月期に売上高200億円、経常利益20億円、ROE10%以上を目指す (執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘) 《HN》 記事一覧 |