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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/03/19 13:05, 提供元: フィスコ エージェント・インシュアランス・グループ Research Memo(5):先行投資により営業減益で着地*13:05JST エージェント・インシュアランス・グループ Research Memo(5):先行投資により営業減益で着地■エージェント・インシュアランス・グループ<5836>の業績動向 1. 2024年12月期の業績概要 2024年12月期の業績は、営業収益が前期比130.1%増の8,161百万円、営業利益が同7.7%減の143百万円、経常利益が同13.5%減の133百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同47.8%減の53百万円と、増収減益で着地した。 営業収益は、国内事業が2024年4月に買収したファイナンシャル・ジャパンの新規連結効果により前期比136.3%増の7,834百万円、海外事業は新規保険獲得件数の増加などにより同41.0%増の327百万円と拡大した。他方で、利益面は業務品質の向上を目指した体制強化、及びグループ拡大の基盤となる保険募集人の確保を目的とした先行投資の実施などにより、人件費が前期比70.4%増、管理費が同188.8%増と拡大した。 会社計画対比で見ると、営業収益はファイナンシャル・ジャパンの生命保険手数料収入の好調により計画比5.1%上回ったが、営業利益は先行的な事業投資の実施などにより同47.9%下回り、計画未達で着地した。 M&A効果により営業社員数、取扱保険料、顧客数が急拡大 2. KPIの状況 同社は損害保険のストック型ビジネスを基盤に、M&A及び事業承継によるマーケットの拡大(顧客数の拡大)及びアップセル・クロスセルを通じた事業規模の拡大(取扱保険料の増加)を目指している。このため、(1) パートナー社員及び勤務型代理店数、(2) 取扱保険料(損害保険、生命保険別)、(3) 顧客数(個人、法人別)の3つをKPIとしている。なお、弊社ではこれらに加え(4) 合流件数(事業承継やM&Aを実施した件数)を独自にKPIとして見ている。 (1) パートナー社員及び勤務型代理店数 同社は2024年上期まで「パートナー社員及び勤務型代理店数(単体)」をKPIとしていたが、同第3四半期より「グループ全体の営業社員数」に変更した。同社はM&A及び事業承継を通じて受け入れた募集人をパートナー社員もしくは勤務型代理店として受け入れている。パートナー社員は同社と雇用関係にあり同社が取り扱う生命保険商品及び損害保険商品を販売する社員を指す。勤務型代理店は個人代理店としての登録であるため、同社と同じ保険商品の販売を行うのではなく、生命保険は特定の保険会社1社のみ、損害保険は損害保険会社との委託契約書を締結することにより複数社の商品の取り扱いが可能であり、活動実績に応じて保険会社から同社が受け取る代理店手数料を基に、委託契約書に基づいた報酬割合を払う。 2024年12月期は62件のM&A及び事業承継を実施した結果、グループ全体の営業社員数は前期比746人増の1,142人と急拡大した。内訳は、同社が404人、ファイナンシャル・ジャパンが723人、保険ショップエージェントが3人、Agent Americaが12人であり、2024年12月期は主にファイナンシャル・ジャパンの買収効果により、営業社員数が大幅に拡大した。 (2) 取扱保険料 取扱保険料とは期末時点で顧客から受け取り保有する保険料のことであり、単年度での取扱保険料の増加幅は翌年度の営業収益の増加に直結する。2024年12月期はフィナンシャル・ジャパンの連結効果により、生命保険の取扱保険料が約7倍となり、取扱保険料は前期末比1,078億円増の1,459億円と急拡大した。うち損害保険は同118億円増の337億円、生命保険は同959億円増の1,121億円となった。 (3) 顧客数 M&A及び事業承継により大幅に拡大し、顧客数は個人が前期末比118.8%増の311,837人、法人が同74.2%増の24,121社となった。 (4) 合流件数 同社は合流件数が営業収益の拡大に直結することから、弊社は独自にKPIとしている。年間合流件数は2022年12月期が47件、2023年12月期が47件に対し、2024年12月期は前期比15件増の62件と増加した。業界内では統廃合が進むなか、同社は積極的なM&A及び事業承継を継続している。なお、前期末時点の累計合流件数は593件である。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬) 《HN》 記事一覧 |