携帯版 | ||
|
フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/02/07 12:04, 提供元: フィスコ プロディライト Research Memo(4):「電話のDX」を促進するクラウドPBX(2)*12:04JST プロディライト Research Memo(4):「電話のDX」を促進するクラウドPBX(2)■プロディライト<5580>の事業概要 (2) 回線サービス 同社は、電気通信事業を展開するアルテリア・ネットワークス(株)と提携した回線「IP-Line」を活用して、クラウド上の「INNOVERA」に直接収容可能なIP電話回線サービスを提供している。従来の電話では開設時に屋外から屋内へと電話回線を引く必要があったが、「IP-Line」では、クラウド上の「INNOVERA」に直接収容することでインターネットを介して音声通話を行えるため、電話回線の設置が不要となる。このように物理的な電話回線が不要なことから、インターネットがつながっていれば災害時でも電話の利用が可能であり、企業のBCP対策としても有効と言える。 回線サービスの特徴は、同社独自のIP電話回線にあり、インターネットを用いるため市内や市外という区別がなく、全国一律の料金で通話が可能な点にある。同社「IP-Line」のメリットは、番号の提供エリアが東京03と大阪06だけでなく全国主要都市の市外局番をカバーしている点※1にあり、他社システムを使ったものの全国をカバーしていないため断念したクラウドPBXの導入も実現可能な場合がある。また、今使用している電話番号を変えずに、固定電話回線からIP電話回線へ移行することができる※2。日本の通話のおよそ4分の1が90秒以内に終了していると言われる一方で、一般的なIP電話回線はつながっただけで180秒分の通話料が発生することが多いが、同社では他社にない「90秒課金」を採用しているため、理論上、同社に切り替えるだけで最大42.5%の通話料削減が見込まれる。「IP電話は音質が悪い」というイメージがあるが、「IP-Line」は通常の通話には差し支えない十分クリアな音声を提供している※3。国際電話にも対応しており、発着信を行える国・地域を限定しているため安心して利用できるうえ、業界トップクラスの安さを実現している。発信者の通話料負担がない着信課金番号の0120/0800が使える「Free-ProLine」も用意している。 ※1 一部に提供エリア外の番号がある。 ※2 一部に提供できない回線もあるが、2025年1月の固定電話サービス提供事業者間における双方向番号ポータビリティ開始により、大半の回線が移行できるようになった。 ※3 通信環境により異なる。 ところで、固定電話サービス提供事業者間における双方向番号ポータビリティとは、固定電話サービス提供事業者18社が2025年1月に受付開始することになった新たな制度である。従来、東日本電信電話(株)(NTT東日本)と西日本電信電話(株)(NTT西日本)が払い出した固定電話番号(ひかり電話専用番号帯を除く)をNTT東西以外の固定電話サービス提供事業者に番号ポータビリティを行うことは可能だったが、NTT東西以外の固定電話サービス提供事業者が払い出した固定電話番号やひかり電話専用番号帯で双方向番号ポータビリティを行うことはできなかった(NTT東西からの片方向)。しかし、2025年1月より大半のパターンで双方向番号ポータビリティを行うことができるように制度が変更された(事業者間の双方向)。この結果、事業会社にとってクラウドPBXへの乗り換えが容易になることから、同社にとって追い風になることが予想されている。 (3) 端末販売 同社は、クラウドPBXと組み合わせてインターネット環境下で利用可能なSIP電話機を販売している。世界トップのSIP電話プロバイダーである中国Yealinkとの間で、日本におけるSIP電話機の総代理店契約を締結し、販売やサポート、日本語ファームウェア(組み込みソフトウェア)の開発と運用を担っている。Yealinkの高い技術力と品質管理を背景としたSIP電話機は、製品不良率や静電気対応、落雷対応などに優れているうえ、Microsoft Teamsと連携できるため、欧州を中心に広く世界各地で利用されている。「INNOVERA」以外の他社製クラウドPBXでも使用可能なため端末単独での販売も行っているが、今後はアプリの導入によって、個人所有のスマートフォンの利用を図っていく。このほか、4K表示で1,200万画素カメラや高機能スピーカーを搭載するWeb会議用大型ディスプレイ「MAXHUB」の販売も行っている。「MAXHUB」はプレゼンテーション機能やホワイトボード機能、Web会議機能を有しているため、会議を効率的に運営するなど様々なビジネスシーンで活用されているほか、IT化が進む教育現場へも電子黒板として導入が進んでいる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) 《HN》 記事一覧 |