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浜口流コア・サテライト株式運用戦略の実践
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第52回 PBR一倍割れ撲滅運動を再考する

2023.5.1


<著者プロフィール> 浜口準之助(はまぐち・じゅんのすけ)

黄金サイクルと農耕民族型投資戦略 約15年にわたり機関投資家のファンドマネージャーとして株式運用に従事。信託銀行などで主に年金資金の日本株運用を行う。その後約14年にわたり投信運用会社にて投資環境のセミナー講師に携わる傍ら個人投資家として株式運用を行い、「億り人」の仲間入りを果たす。「浜口流コア・サテライト戦略」を提唱し自らも実践している。「醍醐味に満ちたライフワークとして、株式投資に勝るものなし」との基本観から、個人投資家に実践的な株式投資手法の研究を続けている。 社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。主な著書に『黄金サイクルと農耕民族型投資戦略』(パンローリング刊)、ブログ 浜口準之助のテツ・ホテル・グルメ・株式運用 をほぼ毎日更新中、こちらでは旅の話もしている。




総合商社はバフェット効果で高値圏の持ち合いに

 浜口です。まずは今回も定点観測を。前回の当ブログのアップ日(2023年4月17日)以降の「浜口流コア・サテライト戦略」銘柄について、上は株価が4月14日時点、下はその2週間後、株価が4月28日時点のデータです。

 この二週間の断面で見れば、高配当利回り銘柄は商社はほぼ横ばい、銀行・損保は上昇していることがわかります。これら銘柄に関し、地合いは全体としては良かったと認識しますが、総合商社については、いわゆる「ウォーレン・バフェット効果」で先行して値上がりしており、その分、ここ二週間に限って言えば、株価が高値圏で持ち合いになったと考えます。

コア・サテライト戦略 株式銘柄群

 ここ2週間で私が行った売買ですが、日々、三菱商事・三井住友FG・みずほFGなどでデイトレを行い、今年に入り負けなしです。なお1月半ばに、米シリコンバレー銀行の破綻、クレディスイスのUBSの傘下入り等の「事件」があり、株価は一時的に急落しましたが。この間もデイトレは負けなし、安定的に収益を出せていたことも合わせてお伝えします。

 日本株の相場観については、今回も基本、変化なしです。日本は、景気後退になる可能性は低く、米国のインフレ懸念は日本に脱デフレをもたらし、加えて海外観光客の増加等、経済再活動につながり、今年年前半にかけ、日本株はここで紹介している高配当バリュー株を中心とした、堅調な相場展開を予測しています。

上昇トレンドが続く

 さて、以下は8316三井住友FGの過去6か月の推移、株価は4月28日時点の日足です。同銘柄に関し、「株価は趨勢的に上昇トレンドが続く」というシナリオに変化なしです。株価については、期間は不確かながらも趨勢的に上昇を続け、10,000円を超えていくことをイメージしています。この点は後述します。

三井住友フィナンシャルグループ

 その理由については、これはまたも前回と同様ですが「日本株復活、きっかけは東証の本気というが」をご覧ください。

 さや取りについては、今回は特筆すべきものはないので、割愛させていただきます。というより、デイトレがあまりにも儲かるので、さや取り用の信用枠まで使っているというのが実際のところです。

 さて、ここからは今回のテーマ、「PBR一倍割れ撲滅運動を再考する」について、考えていきます。

株価はPBR一倍水準に?

 先般、「TOPIX銘柄の52%がPBR一倍割れというが」の中で、一部のメガバンクや損保などは、当期純利益の増加なしで、現状のままで株価をPBR一倍水準にすることが可能ではないかと、皮膚感覚的に考えますと書きました。その具体例をお示ししますね。銘柄はまずは、8411みずほFGです。

8411みずほFG 四半期連結財務諸表
みずほFG(8411)

 その理由については、これはまたも前回と同様ですが 「日本株復活、きっかけは東証の本気というが」をご覧ください。

 貸借対照表(B/S)上の現金預け金は51兆円。これに対し、みずほFGの5月27日時点の時価総額は

8411みずほFG

約5兆円。まあ、この時価総額の30%も買えば、PBR一倍達成は可能でしょう。ここがハードルが高いものとは、到底思えません。

 5月15日の決算発表が楽しみ。まあ毎年5,000億円の自社株買いを当面続けるとかね。わたしがみずほの頭取だったら、このぐらいの中期経営計画策定を指示すると思います。

8316住友FG 四半期連結財務諸表

 同様に、8316住友FGの分析を。貸借対照表(B/S)上の現金預け金は約75兆円。これに対し、住友FGの4月28日時点の時価総額は以下の通り。

8316住友FG

 貸借対照表(B/S)上の現金預け金と時価総額の比率は、みずほFGと似通っており、やはり達成は可能と考えます。住友FGの決算発表日も、みずほFGと同じで5月15日。どんな発表になるのか。とても楽しみです。


 さて、PBR一倍割れ撲滅運動を再考します。結局のところ、両メガバンクのような質の高いB/Sを持っている企業に関しては、東証の意向はハードルがとても低く、実施は容易。東証もそのあたりを分析し、このような意向を示しているのだと思います。

 またメガバンク三行については、これは前回の当ブログ「第51回 ウォーレン・バフェット/株式は時価がすべてという考え方」でも書いているとおり、私はバフェット氏の買いも期待できると考えていますので、需給面はとても良好だと思います。

 以上です。なお皆さんの株式運用は、くれぐれも自己責任でお願いします。ここは再強調させていただきます。今回はこの辺で。みなさんの株式運用の参考になれば幸いです。


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キーワード検索: #バフェット #配当利回り #累進配当

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