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個人投資家のための穀物取引入門この『個人投資家のための〜』シリーズ（ガソリン・灯油取引入門、原油取引入門、 貴金属取引入門）の愛読者として、その穀物版ならただの知識としてではなく、 実際にどうやれば稼げるのか知るために、是非読んでおきたいと思いました。 これまで穀物相場に手を出すには作付け面積が、気象状況がなど、何かと新しい知識 がいるらしいことは分かっていても、実際何についての知識や情報がどの程度必要な のかを知ることができませんでした。ただただ、膨大なデータを入手することは簡単 にできても、処理できなければ、まして分析して検証までできなければ稼ぐことはで きないだろうと敬遠してきました。 しかし、最近の目を覚ましたバカでかい値動きを目の当たりにして、早く読んでおけ ばよかったと後悔するとともに、こんな急激に大きな動きを見せることに新鮮な驚き もありました。 穀物の中でも丁度とうもろこし、大豆が注目を集めているここ最近では、あらためて 興味を持った方々がこの本を手に取るべき絶好の機会ではないでしょうか。そして、 トレードしてみるに至るまでそう時間は掛からないでしょう。本書では、本気で稼ご うと思ったときに出てくるであろう、選りすぐりの知りたいことや聞きたいことが、 こちらの考える順番で質問形式に答えられているからです。需要予測は？価格の変動 要因は？輸出入国は？天候条件は？ツナギ足は有効？有効なトレード戦略は？等な ど。 ファンダメンタル要因の幅広い基礎解説を見ながら、現実の値動きやニュースを読み 比べると以外とスムーズに取り込めたので、同じ勉強するにも今のタイミングを利用 した方が面白く進められました。 実際稼げるかどうかですが、検証期間の長短は仕方ないとして、強引なカーブフィッ ティングもなく、勝率が０％でも100％でもすべて掲載されています。自分でアイデ アを提案し、自分で絶賛しているような間抜けなものでないことは確かです。一般的 なテクニカル分析におけるパフォーマンスの一覧と、最適に利用するために改良され た具体的なトレード戦略が簡潔に箇条書きになっており、それらで実際に稼ぐ場合に も有効か無効かが結論付けられているのも明解でわかりやすいです。ここまで選択肢 を揃えてくれていますので、後はファンダメンタルを考慮しながら自分に合いそうな方法で 試していくことだと思います。最終決断は自分であることに替わりありませんが、そ こへたどり着く最短ナビゲーションとしてかなり重宝する本であるとお薦めできま す。 自分の専門・得意分野を作ることが大切だとよく言われますが、一通りやってみない ことには分からないというのが持論です。穀物初心者としては自分に合うか、手応え が感じられるかどうか判断するために大量に本を読み漁り、データ検証に掛けるべき 時間が節約できたことに感謝しています。 このシリーズは、入門書ということで基本的なアイデアに集中している分、シンプル でわかりやすく、何より長い文章より一覧表やチャートが多くて読みやすいのがポイ ントでしょう。過去データのシステム検証もとても現実的で、フレキシブルなのでいつ の間にか蓄積されてきた知識や先入観を一度整理し、再確認するのにも役立ち気に 入っています。テクニカル戦略を複数同時運用する意味もすんなりと理解できまし た。一言で言えば、これまでの個人投資家シリーズが超ベストセラーであることが、 何よりの推薦状だと思います。今後も指数関連やコーヒー、粗糖など一通り網羅して もらえることを心より期待したいと思います。
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