エリオット波動 ビジネス・サイクル
A・ハミルトン・ボルトン/林康史 日本証券新聞編集局
本書は、R・N・エリオットの論文を元にA.ハミルトン氏がエリオット波動について解説した
【the Elliott Wave Principle a critical appraisai 】の訳書の改訂新版である。
【本書を著した動機】の項で「エリオットの研究の真価と弱点を明らかにし」と述べられて
いる通り、客観的な視点かつ鋭い分析をしているのでエリオット波動を研究、又は売買に
使用している方は必読であろう。
一番の読み所は、監修者 林 康史 氏の【解説】の項でのドル円相場のチャートでは
グラフの縦軸をドル高にするか円高にするかで波動の予測が変わってしまう事の指摘と
フィボナッチ数の一般的に見受けられる計算間違いの指摘であろう。
本書は、相場指南書では無くエリオット波動の解説書であり具体的な売買法には触れられては
いないが、テクニカル指標を長所,短所を理解せず闇雲に使用する事の危険性を認識できる
数少ない良書だと思う。
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