投資見聞録〜精鋭たちの“生”の言葉を聞く〜

南緒さんの話は大変参考になった。理解できたことは、入り口は複雑な判断は不要。出口は、損失に関しては決めたロスカットで、利食いはまだよく理解できていない。後は、1ヶ月、1年等の目標を立て、1日や1回の利益計画を明確にすることである。（K.T 様　40代）

「生」の声は興味深い

　５人の投資家へのインタビュー集。４５０ページほどの本だが、行間がとられた編 集で、内容もほぼ全編インタビューのため読みやすい。

　とりあげられている人の中で、これまでその著作を読んだことがあったのは角山氏 のみで、他の方についてはお名前を聞いたことがある程度だったが、共通して感じられたことは、それ ぞれの方は自分にあった投資対象、投資方法、投資ルールを確立している（確立しようと努力してい る）という点だった。

　それぞれの人は自分に合った形を探求し確立しているのであり、そういう意味で は、このインタビューの中で示されている方法なりルールを直接自分自身にあてはめるのは難しいとも感 じた。

　また、もう一つ、共通して感じたことは、メンタル面の強さ、その重要性であっ た。ルールを設定したところで、それを守れなければ意味がない。自分自身のこれまでの経験からもその ようなことがあった。

　 　内容的には、私自身がテクニカル嫌い（苦手）であこともあって、角山氏のインタ ビューが最も理解しやすく共感できたが、それよりも、それぞれの人の真摯さやその投資方法確立への 過程から学ぶことができれば、本書は価値があると感じた。

（ふしみん ４０代 公務員）

　川崎さちえ氏の作品としては、投資の達人探訪に続く第２弾ということになるようです。今回は5人の投資家に話を聞いています。この本を簡単にいうと「マーケットの魔術師」日本版といった感じでしょうか？

まず一人目は、為替トレーダーの南緒氏です。
この人はとにか くロスカットを重視されています。５ｐｉｐｓ逆行したらロス カットする練習を1日5回してくださいと書いています。本当に これで儲かるのかな？と思うのですが、だまされたと思ってチ ャレンジするのも悪くないんじゃないでしょうか？

南緒氏について詳しく知りたいと思ったら、「ＦＸ革命」という本を出し ていますので、そちらを参考にするもの手だと思います。 南緒氏は、なんとなく売買しているときがあるらしいので、この人 も天才肌なのでしょう。

だいたい短期トレードというものは、ゼロサムゲームなのだから、基本的に勝つ人が少なく、負けて いる人が多いわけです。その中で勝つようになれるには、才能＋努力が必要だと思います。努力だけではなんともならない部分 があると思います。たとえていうと、毎日バットを振っていてもほとんどの人がイチローにはなれないわけです。トレーダー でイチローなみの天才といえば200億稼いだＢＮＦ氏だと思います。才能があればそこまでできるのかと思います。だから私 を含めた凡人は、短期トレードではなく長期投資をやることをおすすめします。長期なら経済の成長にしたがって企業も成長 しようとしますから、誰でも勝てるわけです。簡単なおすすめ 投資法は、世界株式のインデックスファンドを毎月積み立てる ことです。これなら30年やればおそらく誰でも勝てるでしょう 。短期売買で勝てる可能性があるといえば上昇トレンドのとき だけやるという方法がありますが、どこまで上昇トレンドかの 判断が難しいし、トレードを休むことはとても難しいので、ト ータルの成績ではやっぱり負けてしまうと思います。

2人目は、いちのみやあいこ氏です。
この人は、システムトレ ードで日経225や、ＦＸやオプションをやっています。システ ムトレードは私はまったくやらないので、読んで「ふーん」み たいな感じなのですが、システムトレードをやる人にとっては 成功者の話は参考になるのではないかと思います。あと、オプ ションについては、この人は日経225オプションなのですが、 ショート中心だそうです。いちおうプット買いでヘッジしてい るらしいのですが、やはり怖いですね。オプションのショート は。プット買いなら年に１，２回ある暴落のときに少しだけや ってみなくはないと思いますが、遊び程度で割り切れる金額で やるのがいいかもしれません。

3人目は角山智氏です。
この人は長期投資家なので参考になる 部分は多々あります。ただ私は基本的にロスカットはしません が。氏が書いた「バリュー投資の強化書」と「資産運用の強化 書」はとてもよい本だと思います。ぜひみなさんにも読んでほ しいです。ただ、すべてをうのみにする必要はないとは思いま す。あとは自分で考えて、自分なりの投資法を見つけていけれ ばいいと思います。この人のバリュー投資とは、ただＰＥＲが 安ければよいといった類のものではなく、よいビジネスを安く 買うという理念から成り立っています。そのほかにも参考にな る話がたくさん書いているので、上記2冊の本をもっている人 にも参考になる話がのっていると思います。

4人目は北浜悠輝氏です。
北浜という名前でピンときた方も多 いと思いますが、この人は株式評論家の北浜流一郎氏の息子さ んです。息子さんだから当然長期投資家なのかなあと思います が、予想とは違ってデイトレーダーらしいです。ただ、勝って はいるらしいのですが、専業でやれるほど勝っているのかはよ くわからなかったです。ただ理論的にはきちんとしている感じ だったので、一読の価値はあるかもしれません。

そして、最後は優利加氏です。
この人はヤフーの掲示板のころ から知っていますが、最初のヤフーの掲示板のころからは、だ いぶ投資法が進歩しているようです。「生涯現役の株式トレー ド技術」「生涯現役の株式トレード技術 【生涯現役のための 海図編】」の2冊は、スイングトレードをやる人にとっては大 いに参考になるでしょう。氏のいう戦術・戦略・戦闘法に精通 すれば、勝てるトレーダーになれるかもしれません（狭き門だ と思いますが）。 全体的にみて、参考になるところもあったし、買ってみて損は ないかもしれません。

（bblue、30代、会社員）

Copyright(C) Traders Shop All Rights Reserved.