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外国人投資家が買う会社・売る会社菊地正俊 東洋経済新報社私は普段、商品先物取引を売買しており、トレ−ド期間は短期に属する方だ。最近の 株式の活況をみて、株式投資を考えたわけだが、長期投資をするにはどうしたらいい だろうということで、本書を読もうと思いあたった。
日本株に関して、今年2003年の春以降、堅調に推移しているが、この大きな要因とし
て外国人投資家の参入がある。本書によると、日本株の外国人持株比率は2割にも満た
ないが、売買代金ではおよそ5割にも及ぶという。外国人投資家の日本株を買う理由に
は、欧米株の上昇に対する出遅れ感、日本の景気回復期待、株式市場の流動性の高ま
り、小泉政権による構造改革期待があるという。
投資家が株式投資を行う目的はただ一つ、値上がりによる利益を得ることだ。これを
達成するには、将来、現在の価格以上で買われるであろう株式を現在買うことになる
。逆にいえば、企業が将来の株価を上げる努力をしている会社を狙うことになる。外
資系証券会社に勤める著者の結論は簡単明瞭だ。 第1章で、外国人投資家による日本株投資の特徴が説明され、第2章以降、外国人投 資家が着目する7つのポイントを懇切丁寧に解説してある。リストラ、コーポレートガ バナンス、配当・資本政策、会計基準、少子高齢化にどう対応しているか、中国ビジ ネスをどう生かしているか、技術力(無形資産や新技術)の有無。この7つのポイント の解説の中で、具体的に日本企業の例を挙げて考察している。 日本企業について、外国人投資家の目で見た価値観や投資行動を考察した本はこれ までにほとんどない。株式投資をしている一般の方々に参考になろう。 いつも、テクニカル面からトレ−ドしている私にとっては、本書は非常に新鮮な着目 点を教えてくれた。 (今度は株式投資を考えている40代の会社員)
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