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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2025/11/10 12:03,
提供元: フィスコ
SI Research Memo(3):「時間を与えるソフトウェアを創り続ける」独立系ソフトウェア開発会社(2)
*12:03JST SI Research Memo(3):「時間を与えるソフトウェアを創り続ける」独立系ソフトウェア開発会社(2)
■システムインテグレータ<3826>の事業概要
2. Object Browser事業
Object Browser事業では、データベース開発・設計支援ツール「SI Object Browser」「SI Object Browser ER」(以下、「Object Browser」シリーズ)や、統合型プロジェクト管理ツール「OBPM Neo」を展開しており、いずれもライセンス販売またはSaaS型で提供している。
売上構成比は「Object Browser」シリーズが約3割、「OBPM Neo」が約7割である。「Object Browser」シリーズは1997年の発売以来、21,000社、51万ライセンスの導入実績がある。Oracle製品を筆頭に主要データベースのほぼすべてに対応していることから、業界ではデファクトスタンダードと認知されている。このため販売費用もほとんどかからず、売上総利益率は80%超と高収益製品となっている。競合製品として無料ソフトが出ているが、機能面で差があるため直接的な競合関係にはなっていない。従来はパッケージ販売(ライセンス販売+保守サービス)で展開していたが、2021年2月よりSaaS型での販売※も開始している。売上高のうち30%超は保守サービスなどのストック収入で占められており、売上高は比較的安定して推移している。
※ 契約期間は1年、2年、3年の年間契約(保守料含む)。バージョンアップは無償。for Oracleのみ。
一方、「OBPM Neo」※1は開発プロジェクトの進捗状況を統合管理(スケジュール・コスト・要員・品質・採算などの管理)するツールである。不採算プロジェクト発生の未然抑止に加え、開発部門の生産性維持・向上の支援を主な目的としている。2008年にオンプレミス版「OBPM」を発売し、2021年3月にSaaS版の「OBPM Neo」にリニューアルした。国内で唯一、PMBOK※2に準拠していたことから中堅規模のIT企業を中心に導入が進み、年間10〜20社ペースで新規顧客を獲得、2025年8月末時点の累計導入実績は290社超となっている。大手IT企業はプロジェクト管理ツールを内製化しているが、最近では「OBPM Neo」の業界認知度が高まり、部門内で導入を検討する企業が増えているようだ。中小企業の多くはExcelなど市販ソフトや無料ソフトを使用している。なお、既存顧客のうちオンプレミス版を継続利用している顧客の売上比率は2026年2月期中間期で約24%となっているが、今後もSaaS版の機能を拡充しながら段階的に移行を進める方針だ。売上総利益率は50%程度の水準と見られる。
※1 月額利用料(税抜)は10ライセンスで10.5万円、20ライセンスで15.75万円、30ライセンスで18.9万円、40ライセンスで23.1万円、50ライセンスで26.25万円。50ライセンス超は個別見積もりとなる。契約期間は1年。各種システムと連携するためのオプションサービスもある。
※2 PMBOK(Project Management Body of Knowledge)とは、プロジェクトマネジメントに関するノウハウや手法を体系立ててまとめたもの。1987年にアメリカの非営利団体PMIが「A Guide to the Project Management Body of Knowledge」というガイドブックで発表してから徐々に知られるようになり、現在はプロジェクトマネジメントの世界標準として世界各国に浸透している。
3. AI事業
AI事業においては、2018年10月にディープラーニングを活用した異常検知システム「AISIA-AD(アイシアエーディ)」をリリースした。製造ラインの外観検査工程をディープラーニング技術によって自動化することで、大幅な省力化を実現するシステムとして導入提案を進めてきたが、検査対象物や要求精度が顧客によって異なるため、実用化フェーズへの移行に時間を要し、収益化には至っていない。こうした状況を鑑みて、同社は現在、PoC(概念実証)※を実施している案件を最後に同事業を収束させ、生成AIを活用した新サービスにリソースをシフトする方針を決定した。具体的には、2025年4月に開始したAIエージェント事業、同年5月に開始した検図AI「KENZ」のサービスを育成する。
※ PoC(Proof of Concept)とは、新しいプロジェクトが実現可能かどうか、効果や効用、技術的な観点から検証する工程を指す。「AISIA-AD」では、ラボもしくは顧客の製造現場にカメラ等の必要機材を設置して実証実験を行い、実現可能性を確認する。
AIエージェント事業では、製造業の生産性向上や競争力向上を支援するために、クライアント環境においてAIエージェントの提供を行う。特徴として、1) 企業が運用しているERPや各種業務システムを変更することなく導入でき(API連携ができない旧来システムとも自動連係が可能)、既存資産を最大限活用できること、2) 機密データ処理はクライアント内で完結し、外部のAIサービスに送信する必要がないため、高いセキュリティ性を維持できること、3) 製造現場の業務効率化に特化した専用AIエージェントであり、長く製造業向けのシステム開発に携わってきたノウハウを生かした実用的かつ効果的なソリューションになっていること、などが挙げられる。2025年秋以降、展示会への出展を開始するなど営業活動を本格的に開始しているほか、機能強化に向けた開発投資も継続している。
また、検図AI「KENZ」は製造業の設計部門において図面に不備がないかを確認する検図業務をAIがサポートするサービスである。多くの製造現場の検図業務では、設計者によるセルフチェックや上司によるダブルチェック、承認者による最終チェックを実施しており、膨大な時間とコストを費やしている。AIに単純なチェック作業を担わせることで、検図業務の大幅な時間短縮だけでなく品質向上と製造工程におけるロスの削減に貢献する。まずはソフトウェアパッケージで顧客の個別要件にも柔軟に対応しながらサービス提供し、いずれはSaaSとして提供していく意向である。現在5社程度と契約しPoCを実施している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《HN》
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