トップ ・ かごを見る ・
ご注文状況
・ このページのPC版
フィスコ投資ニュース
配信日時: 2025/10/10 12:03,
提供元: フィスコ
平山 Research Memo(3):製造業向け中心のインソーシング・派遣事業が売上高、営業利益の約8割を占める
*12:03JST 平山 Research Memo(3):製造業向け中心のインソーシング・派遣事業が売上高、営業利益の約8割を占める
■平山ホールディングス<7781>の事業概要
1. 事業内容
同社の事業は、製造業を主力顧客としたインソーシング・派遣事業、開発設計技術者等の派遣を行う技術者派遣事業、タイにおける製造派遣を主とした海外事業、その他事業の4つの事業セグメントで開示している。2025年6月期のセグメント別構成比では、インソーシング・派遣事業が売上高の81.1%、営業利益の77.7%を占める主力事業となっている。
(1) インソーシング・派遣事業
インソーシング・派遣事業は、平山及びFUN to FUN、平山GLの3社で請負・派遣サービスを展開しており、請負比率は2025年6月期で4割弱の水準となっている。製造請負では、平山に所属する現場改善コンサルタント※と連携した生産性向上やコスト削減など、他社にはないサービスの提供による差別化を進めている。
※ 大手製造企業等の製造現場で改善活動に長年従事してきた経験者等で構成されており、顧客視点で問題点を改善し、技術・品質・コスト面で競争力の向上を図り、生産性の高い製造現場構築に努めている。正社員として5名程度、パートナーとして20名程度のコンサルタントが従事している。
製造請負のビジネスモデルは、成果物に対して発注者から報酬が支払われる契約で、売上高は成果物単価×生産個数(製造設備は取引先(メーカー)から賃貸)で決まる仕組みとなっている。このため、現場改善で生産性向上を図り、製造コストを引き下げられれば利益率が上昇し、逆に生産性が想定を下回れば利益率も低下する。一方、派遣サービスの売上高は派遣人数×時給×労働時間で決まるため、売上総利益率は一定水準で安定する反面、競合他社との差別化が難しい。このため、新規顧客への営業戦略としては、派遣契約で取引実績を積み重ねたのちに請負契約への切り替え提案を進めている。
顧客業種別売上構成比は、自動車部品、医療機器・医薬品、食品の3業種で全体の約6割を占めている。このほか建設機器・特殊車輛、デジタル関連(オフィス機器、家電、電子印刷等)、小売・ホテル・サービス、住宅設備、物流、半導体・電子部品と幅広い業種に展開している。このうち、製造業を平山及び平山GLで、小売・ホテルや物流などのサービス業界や食品業界の大半をFUN to FUNで手掛けている。ここ数年の動きを見ると、食品業界向け構成比が2022年6月期の21%から2025年6月期は11%まで低下したが、採算性の低い顧客との取引を段階的に整理してきたことが要因だ。逆に2024年6月期より平山GLが加わったことで自動車部品の構成比が28%に上昇している(うち、平山GLで6%)。業種別の主要顧客は、自動車部品でトヨタ自動車<7203>グループ、ブリジストン、医療機器・医薬品でテルモ、オフィス機器でリコー<7752>グループ、小売で都市型小型食品スーパーマーケット「まいばすけっと」を運営するまいばすけっと(株)、住宅設備でLIXIL<5938>グループ、TOTO<5332>グループ等が挙げられる。2025年6月期の取引稼働社数は754社と2期ぶりに過去最高を更新している。
(2) 技術者派遣事業
トップエンジニアリングが主に展開する技術者派遣事業では、航空宇宙・自動車・鉄道・プラント・家電・精密機器など幅広い分野のメーカーに対して、設計・開発や評価・解析等を行うエンジニアの派遣を行っているほか、フィールドエンジニアやデータセンター向けITエンジニアの派遣も行っている。2025年6月期における取引稼働社数は173社(前期は150社)と年々拡大している一方で、技術者の期末在籍数は525名と前期末比横ばい水準にとどまっており、人材の採用及び定着率の向上が課題となっている。
(3) 海外事業
海外事業の売上の大半は、タイにおける現地日系企業向けの製造派遣事業が占める。国内と同様、現場改善コンサルタントと連携したサービスの提供による差別化を進めている。製造派遣事業はJSHRで、コンサルティング業務や外国人労務管理サービスなどを平山タイで担う。顧客先は自動車業界が多いため、タイの自動車生産動向と相関が高い。
(4) その他
その他事業は、コンサルティング事業、外国人雇用管理サポート事業、有料職業紹介事業、障がい福祉サービス業のほか、平和鉄工所による機械・機具の製作・修理事業や、平山ケアサービスの介護施設運営及び介護サービス事業などが含まれる。2025年6月期は売上高の約5割、営業利益の約7割を外国人雇用管理サポート事業で占めた。
コンサルティング事業では、製造現場における生産性向上を目的としたコンサルティングサービスのほか、海外メーカーの管理職に対して日本国内の製造現場見学と研修サービスを合わせたスタディツアー等のサービスを企画・提供している。また、製造業の国内回帰の動きが強まるなかで、2022年より工場立ち上げ支援コンサルティングサービスも開始している。製造業では長らく海外生産シフトが続いたこともあり、新規工場立ち上げの経験を持つ人材が枯渇しており、こうした企業からのニーズに応える格好でスタートした。新工場の生産性を高めるためには設備ラインのレイアウト設計やリアルタイムで可視化できる生産管理システム構築などが重要であり、こうした設計段階から支援している。
外国人雇用管理サポート事業では、外国人技能実習生の入国及び受け入れ先企業への入社サポート、寮・社宅物件管理や生活のサポート、帰国サポートまで一気通貫で受託する。グループ会社のサンライズ協同組合が外国人技能実習機構(OTIT)の「一般監理事業」の許可を取得し、ベトナム、ミャンマー、フィリピンの現地専門機関と連携しながら技能実習生の受け入れを行っている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《HN》
記事一覧
2025/10/12 10:00:個人投資家・有限亭玉介:【押し目を狙いたくなる銘柄は?】徹底的に業績&期待&テーマ性!【FISCOソーシャルレポーター】
2025/10/12 09:00:サナエノエンヤス【フィスコ・コラム】
2025/10/11 17:00:株ブロガー・さなさえ:《高市銘柄に市場が夢中》急騰株の裏で燻る出遅れ期待の国策銘柄は?【FISCOソーシャルレポーター】
2025/10/11 16:08:来週の相場で注目すべき3つのポイント:国内政局の行方、米中対立、米金融大手決算
2025/10/11 14:45:海外の注目経済指標:9月米鉱工業生産は伸び悩みか
2025/10/11 14:42:為替週間見通し:伸び悩みか、対中関税引き上げや国内政治不安を警戒
2025/10/11 14:40:新興市場見通し:ライオン事務器、テクセンドフォトマスク、ユーソナーが上場
2025/10/11 14:38:米国株式市場見通し:米中対立の激化で半導体中心に警戒感広がる流れにも
2025/10/11 14:36:国内株式市場見通し:国内政局、米中対立激化と不透明感が一気に強まる方向に
2025/10/11 14:27:国内株式市場見通し:国内政局、米中対立激化と不透明感が一気に強まる方向に
2025/10/11 14:26:新興市場見通し:ライオン事務器、テクセンドフォトマスク、ユーソナーが上場
2025/10/11 14:24:米国株式市場見通し:米中対立の激化で半導体中心に警戒感広がる流れにも
2025/10/11 14:22:英ポンド週間見通し:伸び悩みか、世界経済の不確実性高まる
2025/10/11 14:21:豪ドル週間見通し:伸び悩みか、9月失業率が手掛かり材料に
2025/10/11 14:18:ユーロ週間見通し:伸び悩みか、フランスの政治不安などを嫌気
2025/10/11 14:16:為替週間見通し:伸び悩みか、対中関税引き上げや国内政治不安を警戒
2025/10/11 14:13:海外の注目経済指標:9月米鉱工業生産は伸び悩みか
2025/10/11 10:00:個人投資家・有限亭玉介:【強気維持で狙う株はコレ】底強い株は総じて決算良好!【FISCOソーシャルレポーター】
2025/10/11 09:52:ADR日本株ランキング〜日本電産など全般売り優勢、シカゴは大阪比1655円安の45965円〜
2025/10/11 09:17:10日の米国市場ダイジェスト:NYダウは878ドル安、対中関係悪化を警戒