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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2025/08/18 09:45,
提供元: フィスコ
オーエスジー:タップ世界首位の切削工具大手、高付加価値・ニッチ戦略で
*09:45JST オーエスジー:タップ世界首位の切削工具大手、高付加価値・ニッチ戦略で
オーエスジー<6136>は1938年創業、愛知県豊川市に本社を置く大手切削工具メーカーである。創業製品であり、世界で約30%超のトップシェアを誇るタップ(ねじ穴をつくる工具)を核に、ドリルやエンドミルなど、モノづくりの現場に不可欠な工具を開発・製造・販売している。世界35カ国に製造・販売・技術サポート拠点を有し、世界中の顧客の課題解決に貢献している。
同社の事業は、顧客の生産活動に用いられる消耗工具の提供を基本とし、製品群はねじ切り工具、穴あけ工具、ミーリング工具、転造工具などで構成される。高付加価値製品ときめ細やかなサポート体制をビジネスモデルの根幹とし差別化を図っている。また、グローバルに事業展開しており、売上高ベースでは国内32.6%に対して、海外は67.4%となっている。海外の内訳としては米州21.5%、欧州アフリカ22.7%、アジア23.2%となっている。
同社の強みは、世界トップシェアを誇るタップの高い技術力と長年の実績による顧客との信頼関係である。また、同社はドリルなど切削工具も販売しているが、タップとドリルの双方を供給しているメーカーは多くなく、同社は幅広な顧客基盤を活用しクロスセルを展開している。さらに、同社は、工具の材料、生産設備、コーティングの全てを自社開発・製造しており、周辺技術を最適に組み合わせることで高付加価値な製品供給を可能としている。
同社が事業を展開する切削工具市場において、同社はタップというニッチ分野で世界首位の地位を確立し、盤石な収益基盤を築いている。加えて、高品質・高性能な戦略製品Aブランドの投入による高付加価値化や、多品種少量・特殊品の供給力強化により競争優位性を確立している。
2025年11月期の通期連結業績は、売上高は前期比2.9%増の160,000百万円、営業利益は同11.3%増21,000百万円、経常利益は同11.0%増22,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同7.9%増の14,500百万円を見込む。
第2四半期終了時点での進捗率(計画対比ベース)は、売上高で97.9%、営業利益で93.9%となっている。第1四半期においては計画対比の下振れが懸念されたが、第2四半期には全社的にオペレーションを見直し、営業利益率も復調している。地域別には、米州や欧州の減速が下振れ要因となる一方、日本やアジアでの堅調な需要が業績を牽引している。
中期経営計画Beyond the Limit 2027 Stage2(FY2025-2027)においては、お客様の挑戦を支える存在として、ともに利益と持続可能な未来の実現を目指すエッセンシャル・プレーヤーとなることを目指している。定量目標としては、2027年11月期にROE10%超、営業利益率16%超を掲げている。また、主力事業であるタップの世界シェア40%への拡大、高付加価値なAブランド製品の売上拡大、そして今後の成長ドライバーとして期待される微細・精密加工分野やコーティング事業の強化を図る。
株主還元についても積極的な姿勢を見せている。2025年11月期は、1株当たり60円の普通配当に加え、創立88周年の記念配当28円を実施し、年間配当は88円となる予定(配当性向51.1%、予想配当利回り4.58%)。また、資本効率の向上と株主還元の充実を目的として、2025年4月から5月にかけて約5,000百万円の自己株式取得を実施し、7月末に取得した全株式を消却することを決議している。安定配当に加えて機動的な自己株買いのスタンスは株価にとってサポート要因となろう。
同社のタップ首位という確固たる地位と高付加価値・ニッチ戦略による差別化から競争優位性は中長期的にも維持されよう。EV化の進展により自動車の部品点数は減少するため、同社ビジネスにとってネガティブとの懸念もあるが、他分野への販売拡大やM&Aの実施など、着実に施策を進めている点は評価できる。また、高い配当利回りに加え、足元の株価バリュエーションはPBR約1.0倍程度とまだ割安感がある。今後、収益性強化が着実に進展し、中期経営計画に掲げるROE10%の目標への道筋が確認できる場合には、株価は大きく上昇するアップサイド要因になると考える。
《HM》
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