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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2025/06/10 13:07, 提供元: フィスコ

ニーズウェル Research Memo(7):中期経営目標に向けて堅調な進捗。AIやサブスク収益が成長を後押し(2)

*13:07JST ニーズウェル Research Memo(7):中期経営目標に向けて堅調な進捗。AIやサブスク収益が成長を後押し(2)
■ニーズウェル<3992>の中期経営計画

(3) ITアウトソーシングビジネスの拡大について
同社は、企業のIT人材不足やDXの加速を背景に、ITアウトソーシングビジネスの拡大を重要な戦略軸として強化している。顧客の運用負荷を軽減し、業務の継続性と効率性を両立する一括支援体制を提供。特に、運用設計・監視から保守・復旧、脆弱性対応、マネージドサービスまで、包括的なサービス範囲が特長である。

同社は、長年の運用実績と技術力に基づき、安定したシステムインフラの提供に加え、クライアント企業がコア業務に集中できるよう環境整備を支援している。移行・構築・保守を含むマネージドサービスでは、コスト削減と高品質運用の両立を実現している。また、ヘルプデスク業務にも対応し、長期的な運用支援体制を構築している。加えて、ソフトウェアテスト領域にも注力し、第三者検証や自動テスト、端末実機による多様なテストサービスを展開。JSTQB認定技術者による品質向上支援を通じて、顧客システムの信頼性向上にも寄与している。同社は、2025年2月より「テスト管理サービス」の提供を開始した。本サービスは、テストのモニタリングとコントロールを容易にし、リアルタイムで進捗を可視化することで、問題の早期発見と管理工数の削減を実現する。また、テスト設計の標準化や過去シナリオの再利用により、設計工数の効率化も可能となり、品質と生産性の両立を支援するソリューションとなっている。

2025年9月期第2四半期では、ITアウトソーシングの売上高が前年同期比12%増と好調に推移しており、同社の安定成長を支える柱の1つとなっている。

(4) 物流ビジネスの拡大について
同社は、EC市場の拡大と物流現場の人手不足を背景に、倉庫業務の自動化・効率化ニーズに対応するため、物流ビジネスを成長戦略の1つとして拡大している。中核となるのは自社開発の倉庫管理システム「SmartWMS」であり、入出庫・在庫管理・帳票管理などを一元化し、現場オペレーションの最適化を支援する。SmartWMSは、「省人化・ペーパーレス化」「課題の可視化」「高い操作性」という3つの強みを持ち、ハンディーターミナルやロボットとの連携により、倉庫作業のスピードと精度を高めている。さらに、蓄積されたデータを活用した人員配置の最適化や配送効率の向上も実現し、物流業務全体の生産性向上に貢献している。

販売戦略としては、物流ハードウェアメーカーとの協業を強化し、AIピッキングカートや「2024年問題」対応型のAIソリューションなど、先進技術との統合を進めている。また、ドラッグストアなど多業種への横展開を視野に、SmartWMSの標準化とサブスクリプション化によるストック型ビジネスの拡大を推進している。同社は物流領域でも独自の技術とソリューション力を生かし、着実に成長基盤を築いている。

(5) AIビジネスの拡大
同社は、AI技術の活用による業務効率化と価値創出を成長戦略の中核と位置づけ、「AIソリューション」「AIチャットボット」「生成AIソリューション」の3領域を柱に、AIビジネスを積極的に拡大している。これらの技術を業務プロセスや教育支援、意思決定の支援ツールとして応用し、顧客企業のDXを支えている。

AIソリューションでは、ディープラーニングによる画像認識や予測AIを活用した設備故障の予兆検知、品質向上支援など、業務の自動化・高精度化を実現した。また、AI-OCRにより紙文書の即時データ化を可能とし、多様な業種でのニーズに応えている。AIチャットボットでは、社内FAQ対応やドキュメント検索を自動化する「Chat Document」などを展開し、情報アクセスのスピードと業務効率を向上。さらに生成AI領域では、決算書作成支援ツール「FSGen」、提案可否診断の「QualiBot」、広報原稿自動生成「PRGen」など、実務支援型ツールを提供している。これらの製品群の高い実用性と導入効果が評価された結果、2025年9月期第2四半期は、AIソリューションの売上高が前年同期比60%増と急成長し、同社の収益性と競争力を強化する重要なドライバーとなっている。

5. 経営目標
同社の経営目標は、安定した収益基盤の構築と市場での持続的な成長を図ることに焦点を当てている。これを実現するための主要な戦略として、「ストック売上の拡大」「オンライン営業の促進」「エンドユーザー取引の拡大」の3つを設定している。

「ストック売上の拡大」では、2025年9月期までに売上の70%をストック売上から得ることを目標とし、2年以上のシステム保守・運用やサブスクリプション形式で提供するソリューションを通じて実現する。同社はこれまでに蓄積した開発ノウハウと長期にわたる顧客関係を生かして安定した収益源を確保することで、経済の波動や市場の変動に強いビジネスモデルを構築することが可能になる。なお、2024年9月期のストック売上比率は65%を達成している。

「オンライン営業の促進」では、売上高の30%以上をオンラインチャネル経由とすることが目標である。セミナーや展示会のオンライン化、効果的なウェブサイトの運用、定期的なプレスリリースの発信などを通じて、新たな顧客層を開拓していく戦略である。これにより、地理的な制約を超え、より広範な市場にアクセスすることが期待できる。

「エンドユーザー取引の拡大」は、売上高の65%以上をエンドユーザーからの直接取引によって実現することを目指している。このアプローチでは、既存ユーザーの継続案件や担当分野の規模拡大を図る一方で、新たな市場領域にも積極的に進出する。また、エンドユーザーに直接アプローチすることで、仲介業者を介さない直接的な顧客関係を構築し、利益率を向上することが可能となる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)


《HN》

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