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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2025/05/22 11:01,
提供元: フィスコ
ALiNK Research Memo(1):2026年2月期は収益基盤強化の先行投資が継続も、投資一巡後は利益回収へ
*11:01JST ALiNK Research Memo(1):2026年2月期は収益基盤強化の先行投資が継続も、投資一巡後は利益回収へ
■要約
ALiNKインターネット<7077>は、(一財)日本気象協会との共同事業である天気予報メディア「tenki.jp」を中核事業として展開している。同メディアは天気に関する総合的な情報プラットフォームであり、全国の天気予報、雨雲レーダー、台風情報、警報・注意報など、日常生活に必要な気象情報を手軽に確認できる。信頼性の高い気象データを基にした予報を提供していること、地域ごとのピンポイント予報が利用できること、季節ごとの特別コンテンツが充実していることなどが特徴である。2024年5月には地域活性化をテーマにしたキャラクターコンテンツ「温泉むすめ」を展開する(株)エンバウンドを買収してIP(知的財産)プロデュース事業も開始しており、サービスの多角化を推進している。
1. 2025年2月期の業績概要
2025年2月期の業績は、売上高が888百万円、営業利益が43百万円、経常利益が62百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が57百万円で着地した(同社は2025年2月期より連結決算に移行したため、前期比増減率は記載せず)。
第3四半期決算時(2025年1月14日)に公表した修正計画は下回る結果となったが、期初(2024年4月12日)及び第2四半期決算発表時(2024年10月15日)の修正計画を上回った。期初計画では売上高784百万円、営業損失68百万円と慎重な見通しだったが、第2四半期では売上高846百万円、営業利益15百万円に上方修正し、結果としてその修正計画を上回った。しかし、第3四半期時にさらに上方修正した計画(売上高895百万円、営業利益53百万円)には最終的に未達であった。この主因は第4四半期の異常気象にある。2024年12月から2025年2月の関東甲信地方の降水量は平年の23%に留まり、1946年の統計開始以降で最少となる異常気象が発生したことにより、第4四半期の「tenki.jp」のPV数は前年同期比19.8%減と大きく減少した。PVの減少は同事業の広告収益に直接影響を与えるため、一時的な外部環境要因が売上面及び利益面にマイナスインパクトを及ぼしたと見られる。以上を踏まえると、第3四半期決算発表時に公表した計画は下回ったものの一過性要因であり、期初計画及び第2四半期に上方修正した計画を上回ったことは評価できる。
2. 2026年2月期の業績見通し
2026年2月期の業績は、売上高が前期比14.4%増の1,016百万円、営業利益が同56.2%減の19百万円、経常利益が同34.1%減の41百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同98.3%減の1百万円と増収減益の見通しである。
tenki.jp事業は前期比で微増収の見通しだ。2024年7月に導入された「tenki.jp メンバーシップ」の新機能やサービスの追加によってユーザーのエンゲージメントが高まり、PV数の増加による広告収益の拡大が見込まれる。また、2025年3月からはサブスクリプション型サービス「tenki.jp ライト」を開始しており、今後の課金ユーザーの増加により収益拡大が見込まれる。IPプロデュース事業は、子会社エンバウンドが2025年2月期第2四半期から連結対象となったことから2026年2月期は通期での業績貢献が期待される。「温泉むすめ」を題材にしたファン向けアプリを2025年冬にリリース予定であり、収益基盤の強化を図る。その他事業では、太陽光コンサルティングにおける売電収入が安定しており、設備の増加により収益拡大が見込まれる。利益面においては、tenki.jp事業における「tenki.jpメンバーシップ」及び「tenki.jpライト」の新機能開発やサービスのアップデート、IPプロデュース事業におけるアプリ開発に伴う人件関連費用を中心とした先行投資が影響し、営業利益は減少する見通しだ。ただし、これらのサービスの開発が一巡した後は投資回収局面へ移行すると見られ、2027年2月期以降の利益回復が期待される。
3. 中長期の成長戦略
同社は、tenki.jp事業及びIPプロデュース事業において、収益の安定化と成長を図る中長期戦略を推進している。tenki.jp事業では、広告収益への依存度を低減するため、新たなビジネスモデルの構築を進めている。2024年7月にリリースされた「tenki.jp メンバーシップ」の本格展開がその中心的施策である。従来、ユーザーは自ら情報を検索する必要があったが、今後はWebサイトやアプリを開くだけで、個々のライフスタイルや関心に応じた情報が自動的に提供されるよう、高度なパーソナライズ化を図る。この結果、利用頻度や滞在時間が増加し、エンゲージメント及びユーザーロイヤルティの向上が見込まれる。また、有料プランの導入などを通じて新しい収益モデルを確立し、持続可能な収益構造への転換を進めていく。「tenki.jp」は、単なる気象情報の提供に留まらず、防災・健康・レジャーなど多様な分野と連携し、統合型情報プラットフォームへの進化を目指す考えだ。IPプロデュース事業では、「温泉むすめ」のスマートフォンアプリの開発及び展開を軸に事業のデジタル化を推進する。従来はアナログ主体であったが、tenki.jp事業で培ったデジタル運用のノウハウを活用し、IPの価値最大化と事業構造の転換を図る。アプリではファンの行動データや観光履歴を分析し、個別最適化されたコンテンツを提供する。また、IPを情報のハブとし、地域の気象状況に基づいたレジャー情報のレコメンドなどを通じて、地域経済の活性化を目指す。2025年冬のアプリリリースを契機に、事業の成長を加速させる構えである。
■Key Points
・日本気象協会と共同で天気予報メディア「tenki.jp」を運営
・2025年2月期は上方修正後の計画未達だが、一過性要因の影響が大きかった
・2026年2月期は先行投資を継続する見通しも、投資一巡後は利益回収局面へ
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)
《HN》
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