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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2025/03/24 12:08,
提供元: フィスコ
RIZAP−G Research Memo(8):2025年3月期第3四半期は、営業黒字化を達成(2)
*12:08JST RIZAP−G Research Memo(8):2025年3月期第3四半期は、営業黒字化を達成(2)
■RIZAPグループ<2928>の業績動向
2. 財務状況
2025年3月期第3四半期末の資産合計は前期末比16,019百万円増の173,170百万円となった。このうち流動資産は同11,439百万円増の75,487百万円であり、現金及び現金同等物の増加(7,287百万円増)及び棚卸資産の増加(2,817百万円増)等が主な要因であった。非流動資産は同4,579百万円増の97,683百万円であり、有形固定資産の増加(3,499百万円増)、無形資産の増加(610百万円増)等が主な要因である。
負債合計は前期末比12,719百万円減の115,124百万円となった。このうち流動負債は同11,381百万円減の68,570百万円であり、有利子負債の減少(11,276百万円減)や営業債務及びその他の債務の減少(951百万円減)が主な要因である。非流動負債は同1,337百万円減の46,553百万円であり、有利子負債の減少(1,382百万円減)が主な要因である。資本合計は同28,738百万円増の58,046百万円となった。資本剰余金の増加(26,054百万円増)及び資本金の増加(6,103百万円増)が主な要因である。
経営指標では、非支配持分を加えた資本比率(純資産比率)が2023年3月末には16.9%、2024年3月末には18.6%、2024年6月末には31.8%と回復基調となり、さらに、上半期に行われたSOMPOホールディングスとの資本業務提携(約300億円の出資)の寄与により、2024年12月末には33.5%まで上昇している。今後は、chocoZAP事業の利益成長に伴う純資産の増加及びchocoZAPの営業キャッシュ・フロー良化による借入金返済が進捗するため、さらに親会社所有者帰属持分比率は改善する見込みである。なお、IFRS16号の影響を除いた日本基準の自己資本比率では、45.3%(2024年12月末)である。
同社では、財務基盤が強化されたことをテコに借入金のリファイナンスを実施し、条件の改善や財務戦略の機動性・柔軟性の確保を進めている。
2025年3月期は売上高1,777億円、営業利益63億円と増収増益を予想
3. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の業績見通しは、売上収益が177,700百万円(前期比6.9%増)、営業利益が6,300百万円(前期は594百万円の損失)、税引前利益が3,100百万円(同4,524百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する当期利益が2,000百万円(同4,300百万円の損失)と、chocoZAP事業の先行投資フェーズが終了したことにより通期での黒字転換を予想する(期初予想通り)。
売上収益に関しては、引き続きchocoZAP事業における新規出店及び会員基盤の拡充、顧客満足度向上施策を進めることなどにより増収を見込む。2024年3月期は“新規会員数の獲得”に注力し、出店や広告宣伝を積極的に行ったが、2025年3月期は“既存会員の満足度向上”に重点を移している。具体施策としては、新サービス(カラオケ、洗濯・乾燥機、ピラティスなど)の導入加速、ちょこっとサポート導入(トレーナー配置等)、コンシェルジュ導入(コールセンター)、清掃の強化、マシン故障対応の迅速化などであり、上期に積極的な投資を行いその成果が顕在化する。結果として、退会率は足元で安定して抑制できている。出店に関しては、2025年3月期第3四半期で399店舗増加と前年同期(746店舗増加)よりも増加ペースは抑えた。店舗の立地では、地方出店、企業内出店、空港やホテルなど多様な立地の可能性が確認された。広告宣伝に関しては、健康の楽しさ・重要性を伝える健康セミナーや他社顧客基盤へのアプローチを可能にする業務提携の推進など、より効率的な手法にシフトする。進行期の第3四半期から2026年3月期にかけては、本格的な投資回収フェーズに入る計画であり、実際に2025年3月期第3四半期単独では2,711百万円の営業黒字である。
その他の既存事業に関しては、2024年3月期までに行ってきた構造改革や先行投資の成果が顕在化している。グループ横断的な取り組みを強化しており、chocoZAPの新サービス「ピラティス」をSDエンターテイメントの協力の下実現するなどはその好例である。今後も必要に応じて、グループ横断的なコスト最適化や業務合理化による固定費の削減、不採算店舗の高収益業態への転換や統廃合などを進める。ライフスタイル事業、インベストメント事業ともに通期での営業黒字を計画しており、第3四半期を終えて順調に推移すると思われる。
chocoZAP事業は、先行投資を行わなければ、実力的には高収益な事業である。店舗品質を向上させる先行投資のピークが越えたこと、新しいマシンメンテナンス体制の導入や広告宣伝手法の改革、自社物流の導入などchocoZAPの事業モデルの進化が続いていることなどを勘案すると、通期利益目標(営業利益63億円)は達成の可能性が十分あると弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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