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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2025/03/19 14:01, 提供元: フィスコ

フルサト・マルカHD Research Memo(1):2025年12月期は需要回復基調で営業・経常増益予想

*14:01JST フルサト・マルカHD Research Memo(1):2025年12月期は需要回復基調で営業・経常増益予想
■要約

フルサト・マルカホールディングス<7128>はフルサト工業(株)と(株)マルカが2021年10月に経営統合して設立した持株会社である。機械・工具や建設資材の技術商社にとどまらずユニーク・ソリューション・カンパニーを目指している。なお同社は2026年1月1日付(予定)で商号をユニソルホールディングス(株)に変更する。グループ内再編も実施し、2026年1月を目途に子会社のマルカと(株)ジーネットが合併して商号をユニソル(株)とする。

1. 「モノづくり」市場におけるソリューション力が強み
同社はセグメント区分を機械・工具、建設資材、建設機械、IoTソリューションの4区分とし、グループ全体のサービスや商品を統括するブランドを「UNISOL(ユニソル)」(ユニーク(UNIQUE)とソリューション(SOLUTIONS)を組み合わせた造語)としている。機械・工具は「モノづくり」市場において顧客の生産現場の課題を顕在化させて解決策を提案するソリューション力を強みとしている。建設資材は国内の鉄骨建築と工場配管の市場を中心に、鉄構資材・配管資材などの製造・販売を展開している。倉庫・工場などの鉄骨建築の骨組みに使用される自社製造製品の耐震用構造部材フルブレースが高い市場シェアを誇っている。建設機械は建設機械の販売・レンタルを展開し、高所作業車をオペレーター(操縦者)付きでレンタルしていることなどを特徴としている。IoTソリューションは防犯・監視カメラなどのセキュリティ機器販売・システム導入などを展開し、グループとして注力しているスマートファクトリー事業において重要な役割を担っている。

2. 2024年12月期は需要回復遅れで減収減益
2024年12月期の連結業績は、売上高が2023年12月期比6.5%減の161,716百万円、営業利益が同32.3%減の3,860百万円、経常利益が同30.0%減の4,659百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同1.8%減の4,613百万円だった。主力の機械・工具及び建設資材の需要回復遅れなどによる減収影響に加え、販管費の増加により各利益は減益だった。売上総利益率はプロダクトミックス改善などが寄与して同0.3ポイント上昇、販管費比率は同1.2ポイント上昇した。この結果、営業利益率は同0.9ポイント低下して2.4%となった。なお特別利益には政策保有株売却による投資有価証券売却益2,378百万円を計上、特別損失には減損損失419百万円を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は微減益となった。

3. 2025年12月期は需要回復基調で増収、営業・経常増益予想
2025年12月期の連結業績予想は、売上高が2024年12月期比5.1%増の170,000百万円、営業利益が同16.6%増の4,500百万円、経常利益が同9.4%増の5,100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同28.5%減の3,300百万円で、増収、営業・経常増益予想としている。主力の機械・工具の需要が前期後半より回復傾向を強めており、増収効果に加え、販管費増加抑制も寄与する。売上総利益率は横ばいの15.9%、販管費比率は同0.3ポイント低下の計画だ。親会社株主に帰属する当期純利益については前期計上した投資有価証券売却益を見込まず減益予想としている。なお半期別に見ると、上期は売上高が前年同期比1.5%増の80,000百万円で営業利益が同5.5%増の1,800百万円、下期は売上高が同8.6%増の90,000百万円で営業利益が同25.4%増の2,700百万円としている。機械の受注が回復傾向を強めており、納品までのリードタイムを考慮して下期に売上回復が本格化することを見込んでいる。

4. 株主還元目標「DOE3.5%以上」は2025年12月期に前倒し達成見込み
同社は10年後のありたい姿として「UNIQUE SOLUTIONS」を掲げ、ユニークなアイデアで現場が抱える様々な課題に自ら向き合い、一番に選ばれる「ソリューション・パートナー」を目指すとしている。中期経営計画「UNISOL」(2022年12月期〜2026年12月期)の2ndステージ(2024年12月期〜2026年12月期)の定量目標値については市場環境悪化の影響で見直したが、グループ内再編を含めてシナジー最大化や新事業分野への展開を積極推進する方針としている。株主還元については普通配当の中長期的な株主還元目標を「DOE(株主資本配当率)3.5%以上」として、継続的に増配を行うことを基本方針としている。そして2025年12月期に目標の「DOE3.5%以上」を前倒し達成する見込みだ。

5. グループシナジーが高まる可能性に注目
同社の2024年12月期の連結業績は市場環境悪化の影響で大幅減益となったが、期後半には機械の受注が回復傾向となっており、2025年12月期は成長基調への回帰が期待できるだろうと弊社では考えている。そして同社の強みは「モノづくり」市場において顧客の生産現場の課題を顕在化させて解決策を提案するソリューション力であり、中期経営計画「UNISOL」2ndステージの定量目標値を下方修正したものの、取り組み中のグループ内再編などによってグループシナジーが加速度的に高まる可能性があり、これに伴って利益率の向上や株主還元の一段の充実も期待できるだろうと弊社では注目している。

■Key Points
・機械・工具や建設資材の技術商社にとどまらずユニーク・ソリューション・カンパニーを目指す
・2024年12月期は需要回復遅れで減収減益、ただし期後半に回復傾向
・2025年12月期は需要回復基調で増収、営業・経常増益予想
・株主還元目標「DOE3.5%以上」は2025年12月期に前倒し達成見込み
・グループシナジーが高まる可能性に注目

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)


《HN》

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