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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2025/02/18 13:06, 提供元: フィスコ

ネクスグループ Research Memo(6):2024年11月期は大幅増収。黒字化に向けた収益体質の良化が進む(2)

*13:06JST ネクスグループ Research Memo(6):2024年11月期は大幅増収。黒字化に向けた収益体質の良化が進む(2)
■ネクスグループ<6634>の業績動向

2. セグメント別動向
(1) メタバース・デジタルコンテンツ事業
売上高は316百万円(前期比114.1%増)、営業損失は5百万円(前期は1百万円の損失)となった。メタバース分野については、VR上のアバターを操作するためのメタバースユーザー向けワイヤレス・モーション・トラッキング装置の開発案件や、VRゲームの自社コンテンツの開発が進捗している。デジタルコンテンツ分野では、実業之日本デジタルのロングセラー作品「静かなるドン」が売上をけん引した。コロナ禍における巣ごもり需要は一巡したものの、電子書籍市場は引き続き堅調に推移している。2023年7月にはYouTube公式チャンネルで「ボイスコミック」をリリースし、2024年6月に登録者数が10万人を突破した。同年12月には韓国のスタジオと共同でWebtoon版「親分には二つの顔がある 静かなるドン韓国リメイク版」を公開した。なお、単体の営業損益は黒字であるが、のれん償却を含めるとマイナスとなっており、今後も増売施策と新規読者獲得に取り組むことで早期黒字化を目指す。また、子会社のスケブでは、「Skeb」のポイントのチャージ手段にクレジットカードを追加した。利用者は銀行振込やコンビニ決済など複数の方法からチャージ手段を選べるようになり、利便性が向上した。同プラットフォームの総登録者数は2024年12月末時点で345万人を超えており、さらなる成長が期待される。

(2) IoT関連事業
売上高は822百万円(前期比49.7%増)、営業利益は86百万円(同176.4%増)となった。製品別に見ると、NVIDIAが提供するGPU※1を利用したリアルタイム画像認識技術と、マルチキャリア対応の高速モバイル通信技術を搭載したNCXX AI BOX「AIX-01NX」では、AIソリューションパートナー及び技術パートナーとの共創によるビジネス機会の拡大を進めている。店舗でのリテールテックや空港等でのヒートマップ解析、侵入検知などの屋内利用に加え、屋外でも活用されるようになっており、防塵・防水機能やFANレス化により耐久性が向上した屋外用拡張ボックスの提供が予定されている。「AIX-01NX」を屋外用拡張ボックスと組み合わせることで、需要が拡大している公共空間や事業所といった屋外での人流解析、交通量調査、監視カメラなど屋外ソリューションへの活用が期待される。「AIX-01NX」1台でカメラやセンサーからの情報をリアルタイムでAI分析し、その分析結果をクラウドに連携することも可能である。リテールテック、製造業、セキュリティ、介護見守り、測定・異常監視、効率的なモノ作りを目指した分析やシミュレーションから都市レベルでの課題解決に至るまで、その用途がますます拡大していくことが見込まれ、デジタルツイン※2を含む幅広い分野での活用が期待される。今後もこれらの技術をデバイス事業の新製品開発に活用していく予定である。

※1 画像処理やディープラーニングに不可欠な並列演算処理を行う演算装置。
※2 デジタルツインとは、現実空間のヒト・モノ・コトの様々なデジタルコピーをサイバー空間上に表現する先進技術で、精度の高いシミュレーションが可能となる。

データ通信端末については、5G Phase 2規格である3GPP Release 16に対応し、Wi-Fi及びEthernetを搭載したバッテリーレスのルーター・モデムである5Gデータ端末「UNX-05G」が、(株)NTTドコモとの相互接続性試験(IoT)を完了し、NTTコミュニケーションズ(株)のメーカーブランド通信モジュール及び製品ページに掲載された。5Gは、LTEと比較して超高速・大容量通信、多数同時接続数、超低遅延を実現しており、現在、ローカル5Gでは集合住宅向けの固定インターネット接続サービス、工場設備の遠隔監視、展示会会場のネットワークインフラでの導入試験が進行中である。パブリック5Gでは、5Gエリアの拡大に伴い、自動運転やAIロボットソリューションの遠隔操縦、リモートワークブースでの活用、ライブ配信向けの通信端末としての導入が期待されている。5Gフル機能が利用可能な5G SA(Standalone)※サービスのエリア拡大に伴い、ネットワークスライシングが実現し、法人向けの回線サービスがますます多様化していくことが予想されるが、相互接続性試験を通じて問題を未然に解決することで、より多くの顧客が端末を利用できるようになる。さらに、5Gの特徴である「低遅延」や「多数端末との接続」はそのままに、通信速度を抑えた5G RedCapに対応するUSBドングル型データ端末を開発しており、コスト、サイズ、消費電力を抑えたLTEから5Gへのスムーズな移行が可能となる。センサーネットワークや自動搬送ロボットを含むAIロボットソリューション、AIカメラ、ドローン、ウェアラブルカメラなど新しいユースケースへの対応が期待される。

※ コア設備や基地局なども含めて5G専用の技術と設備で構成した5Gサービス。

テレマティクスについては、NTTドコモ、KDDI<9433>、ソフトバンク<9434>の国内主要LTE周波数や、みちびき(準天頂衛星システム)など5種類のGNSS※1に対応することで、都市部や山間部でも位置測位の安定性が向上する。OBDII型データ収集ユニット「GX700NC」においては、位置情報取得技術のIZatTM※2機能に対応しており、同機能を活用することで、地下駐車場や視界が悪い場所でも測位精度が向上し、測位時間の短縮が期待できる。働き方改革に関連する法規制や車両管理業務の効率化、ドライバー不足や高齢化など、社会環境の変化を受けて、クラウド型車両管理及び動態管理システムへの需要が高まっており、同社は新型車両への適合やSDGsへの取り組みなど活用の範囲を広げていく考えだ。

※1 「Global Navigation Satellite System(全球測位衛星システム)」の略で、GPS、GLONASS、Galileo、準天頂衛星(QZSS)等の衛星測位システムの総称。
※2 Qualcommが位置情報取得の機能向上のために開発した方式。

農業ICT事業(NCXX FARM)では、農作物の生産、加工、販売を行う「6次産業化事業」と、特許農法による「化学的土壌マネジメント」+ICTシステムによる「デジタル管理」のパッケージ販売を行う「フランチャイズ事業」の事業化を推進している。「6次産業化事業」では、GOLDEN BERRY(食用ほおずき)の生産・販売を行っており、加工品としてセミドライゴールデンベリーや、リニューアル商品であるGOLDEN BERRYプレミアムアイス、GOLDEN BERRYクラフト炭酸リキュールなどを販売している。さらに、GOLDEN BERRYの栽培過程で発生する葉の残渣を活用した「ほおずきエキス」を開発し、化粧品の原材料として活用している。フランチャイズ事業では、自社試験圃場での栽培実績をもとに、独自の特許農法(多段式ポット)による化学的土壌マネジメントと、ICTシステムによるデジタル管理のパッケージ販売に加えて、顧客の要望に沿った多種多様な農法・システム・農業関連製品を提供する農業総合コンサルティングサービスを展開している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)


《HN》

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