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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2025/02/13 12:03, 提供元: フィスコ

システム ディ Research Memo(3):2024年10月期は減収減益に転じるも、ストック収益は順調に拡大

*12:03JST システム ディ Research Memo(3):2024年10月期は減収減益に転じるも、ストック収益は順調に拡大
■システム ディ<3804>の業績動向

1. 2024年10月期の業績概要
2024年10月期の連結業績は売上高で前期比2.2%減の4,631百万円、営業利益で同9.3%減の828百万円、経常利益で同9.3%減の830百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同12.1%減の555百万円と減収減益となり、会社計画に対しても下回る結果となった。売上高はストック収益が順調に拡大したものの、仕入商品の減少や追加カスタマイズ案件の減少が減収要因となり、利益面では人件費や減価償却費、データセンター利用料等の増加が減益要因となった。また、会社計画比では学園ソリューション及びウェルネスソリューション事業の売上未達が主な下振れ要因となった。

売上高の内訳を形態別で見ると、ストック収益が前期比6.7%増の2,541百万円、フロー収益が同11.2%減の2,090百万円となった。ストック収益は期末の累計顧客数が公教育ソリューションを中心に10,764件(現役顧客数で前期末比12.9%増の7,837件)と順調に拡大したことが増収要因となり、ストック収益比率も54.9%と目標の50%をクリアした。一方、フロー収益は2023年6月に子会社化した中村牧場の売上が通年で寄与したものの、学園ソリューションにおける追加カスタマイズ案件の減少やウェルネスソリューションにおける仕入商品(情報端末等)の更新需要一巡※が減収要因となった。

※ 2023年10月期は主要顧客において店頭端末の更新需要があった。2024年10月期の単独ベースの商品売上高は668百万円と前期比155百万円減となったが、大半は更新需要一巡による減少分と見られる。

売上総利益率は前期の43.6%から43.3%と若干低下した。仕入商品の売上構成比が低下したものの、労務費や減価償却費、データセンター利用料の増加などが利益率の低下要因となった。同社は人的資本投資の一環として2024年春に平均5%の賃上げを実施した。一方、販管費は人件費を中心に前期比で22百万円増加し、販管費率は前期の24.3%から25.4%に上昇した。この結果、営業利益率は同19.3%から17.9%に低下したが、実質的な収益力を示すEBITDA(償却前営業利益)マージンは29.3%と前期並みの水準を維持している。なお、期末の従業員数は前期末比10名増の289名(うち、シンク8名、中村牧場2名)と着実に増員を図り、経営基盤の強化を進めている。

中村牧場の通年寄与による業績への影響額は売上高で1億円強の増収と軽微だが、生成AI技術の開発力強化という点においては着実に社内でのスキルアップが進んでいると見られる。子会社化以降、社内のAI人材を育成するため月1〜2回のペースで社長の中村俊輔(なかむらしゅんすけ)氏※1による勉強会を開催しており、既に学園ソリューションの「Campus Plan」の学務系システムにおいて、生成AIを使ってシラバス※2の大半を制作する新機能を2024年に開発・リリースしている。シラバスは各大学が学生を獲得するために特色をアピールする重要部分であり、担当教授においては同機能を活用することで制作に係る業務負荷を大幅に軽減することが可能となり、競合製品との差別化につながるものと期待される。その他にも、公教育ソリューションやウェルネスソリューション、ソフトエンジニアリング事業などで生成AIを活用した新機能の開発を進めている。

※1 中村氏は、データサイエンティストとして豊富な経験を持ち、大企業や公的機関(ダイキン工業<6367>、JAXA(宇宙航空研究開発機構)、東日本電信電話(株)等)のAI人材育成プロジェクトに携わっているほか、自治体及びコンサルティング会社向けの研修講師などを行っている。
※2 シラバスとは、担当教授が学生に示す授業計画のこと。講義名、講義内容、年間スケジュール、担当教授の名前、授業の狙いや目標、授業形式、必要な教科書・参考書、評価方法、開講学年など授業に関する情報が網羅されている。学生はWeb等を通じてシラバスを確認し、該当する講義を受講するか判断する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


《HN》

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