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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2025/01/27 12:05, 提供元: フィスコ

フォーシーズ Research Memo(5):2024年9月期は営業損失を大幅改善。通販事業と卸売事業で売上拡大(2)

*12:05JST フォーシーズ Research Memo(5):2024年9月期は営業損失を大幅改善。通販事業と卸売事業で売上拡大(2)
■フォーシーズHD<3726>の業績動向

2. セグメント別概要
2024年9月期の新商品については、「AROMA BLOOM」からボディケアカンパニーのファイテンとの共同企画商品「アロマブルーム メタックスアロマティックローション」、また「FAVORINA」からビタミンCを配合した美容液「フェヴリナ ピュアCセラム」、肌のハリに特化した夜用の超高保湿クリーム「ナノアクア ディープモイストマスククリームe」を販売した。原価率改善のため、OEM商品の開発に注力しており、開発した商品は通販事業、卸売事業、リテール事業それぞれで展開している。また、利益確保を優先しながらコスト削減を推進している。2024年9月期は約40百万円の削減を達成しており、2025年9月期も従業員がコスト使用時に承認を取る意識を徹底している。広告やマーケティングなどの重要分野には引き続き注力しつつ、全体の予算縮小を図っている。

セグメント別の概要は以下のとおりである。

(1) 通販事業
売上高は1,082百万円(前期比21.6%増)、セグメント利益は197百万円(同3.4%減)となり、通販事業全体の売上高は前期を上回る結果となった。セグメント利益は前期比で減少したが、この要因は新規顧客獲得の強化に伴う広告宣伝費の増加によるもので、中長期的な売上増と安定的な黒字化に向けた先行投資だと弊社では見ている。コールセンターの電話オペレーターによる販売では、電話営業歴10年以上のベテランスタッフが、顧客のニーズや悩みに寄り添った対応を行うとともに、徹底的なマーケティングによる商品選定やDMの企画などを推進した。アロマ製品やiiyの商品販売も行っており顧客からの評価は高い。電話オペレーターによる販売では、顧客との長期的な関係構築を築いており、スタッフの平均年齢は53.3歳と上昇している。一方で、20代や第二新卒者の採用も進められており、世代間のバランスを保ちながら体制強化が図られている。EC販売では、2023年からグループに加わったiiyの売上及び利益が全体に占める割合が高いことから、そのマーケティング手法をほかのブランドにも展開することで全体の売上高が伸長した。特に「AROMA BLOOM」のEC販売を強化しており、売上高は前期比で大きく伸長した。引き続き全ブランドにおいて、SNSの活用や広告配信などを積極的に行い、ブランド認知向上とモール販売を強化する。

(2) 卸売事業
売上高は520百万円(前期比13.9%増)、セグメント利益は212百万円(同41.1%増)となった。国内卸では、YouTubeでのプロモーション活動やインバウンド顧客の回復により、「Cure」ブランドの売上が伸長傾向にある。2023年9月発売の「ピュアバブルローション」、2023年3月発売の「アミノネクリアウオッシュ」など、バラエティショップへの導入が着実に進んでいる。「FAVORINA」「FINE VISUAL」「AROMA BLOOM」ブランドは販路拡大を順調に進めており、特に「AROMA BLOOM」の「メタックスアロマティックローション」の卸先拡大に注力し、同商品の認知・売上拡大を図る。また、ふるさと納税返礼品の登録、SDGs経営の一環として、消費期限間近の商品販売も継続した。海外卸では、現在、東南アジアを中心に販路を拡大しており、前期より着実に売上を積み上げた。「Cure」ブランドでは新たにタイのドラッグストアでの取り扱いを開始し、現在8ヶ国で販売を行っている。また、「FAVORINA」「AROMA BLOOM」ブランドでは台湾での販売を開始している。

(3) リテール事業
売上高は635百万円(前期比13.6%減)、セグメント損失は34百万円(前期は75百万円の損失)となった。原価率改善のためにOEM商品の開発と販売強化を行った結果、セグメント損失は前期比で改善した。2024年2月に発売したボディケアカンパニーのファイテンとの共同企画商品「アロマブルーム メタックスアロマティックローション」は、予想を上回る販売数で完売し、一時入荷待ちの状況となった。また、会員化施策として前期に導入したアプリ会員が9万人を突破、LINEアカウント登録者数も1年間で3万人の増加で約8万人となり、リピート率、客単価の向上につながった。引き続き、損失脱却のため地域特性に合わせたMD(ブランド、店舗、顧客)コンセプトや店舗スタイルの見直し、顧客情報の獲得のためのツール導入による再来店アプローチを強化する。

(4) コンサルティング事業
売上高は30百万円(前期比45.8%減)、セグメント損失は12百万円(前期は26百万円の損失)となった。2024年6月より太陽光発電事業に着手しており、関東エリアで太陽光発電所の19物件の土地権利契約を締結し、うち4物件は売却先が決定している状況である。なお、現契約内容は工事完成基準による収益認識となるため、2024年9月期の売上高・セグメント利益には計上していない。衛生関連事業については、飲食店業界におけるHACCP浸透が進んでいない状況下で、業容拡大となっている顧客の工場新設・増設案件などに対し衛生コンサルティングの提案を行った。空間除菌デバイス「Devirus AC」については、感染症対策に悩む畜産業界への転用施策を推進した。鳥インフルエンザにおいては世界的な流行傾向にあるため、鶏舎内の噴霧として使用する施策で国内大手の鶏舎に導入を行ったが、暖冬の影響で鳥インフルエンザの発生頻度が少なく売上が予測を下回る結果となった。太陽光発電事業への参入を契機として、今後は事業の取捨選択をより一層推進し、利益創出を図る。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)


《HN》

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