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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2025/01/23 14:08, 提供元: フィスコ

アーレスティ Research Memo(8):車体軽量化、CO2排出量削減、循環型社会の形成に貢献する(1)

*14:08JST アーレスティ Research Memo(8):車体軽量化、CO2排出量削減、循環型社会の形成に貢献する(1)
■中長期の成長戦略

1. 「2040年ビジョン」と「10年ビジネスプラン」
アーレスティ<5852>は2038年に創業100周年を迎えるが、100年を超えてさらなる発展・成長する企業となるために、2040年に向けた同社グループの進むべき方向として「2040年ビジョン」を定めた。「期待を超える2040」を目指して「軽量化で地球の未来に貢献する」「Ahrestyで良かった!を実現する」「技術探求を続け、唯一を生み出す」ことを「ありたい姿」として掲げた。

加えて、ビジョンを実現するために、2022年度より2030年度を目標とする長期経営計画「10年ビジネスプラン」を策定し、「電動車向け部品・車体系部品群中心へシフトしていく」「技術探究を続け、唯一を生み出す」「Ahrestyで良かった!の実現」「信頼の獲得と事業を通じた社会課題の解決による持続的成長」「財務体質と経営基盤の強化」を掲げている。「軽量化で地球の未来に貢献する」ビジョンの実現には、ダイカスト事業の事業ポートフォリオを電動車向け部品・車体系部品群中心にシフトし、電動車売上比率55%、車体系製品売上高40億円を目標に掲げている。そのシフトを円滑に実行していくために、ものづくり企業として、製品開発のDXによる開発リードタイムの短縮、工法・技術・素材の各分野で将来の事業に貢献する先駆的な技術探求を続け、新規需要の創出を目指す。また、製品製造の際のCO2排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルダイカストの開発に挑戦していくことで地球環境に貢献するとともに、同社の競争力向上を図る。「Ahrestyで良かった!の実現」のためには、顧客からの最上位評価獲得、従業員エンゲージメントの向上・ダイバーシティの実現を目指す。経営幹部の多様化、国内女性従業員比率20%以上、国内女性管理職比率10%以上を目標として、ダイバーシティ&インクルージョンに対する理解を深める意識改革、多様な人材が活躍できる職場の拡大、人事戦略・運営とキャリア支援を実施していく。

また、ステークホルダーからのさらなる信頼の獲得と事業を通じた社会課題の解決による持続的成長を目的として、同社では2020年3月よりサステナビリティ会議を開催し、「アルミダイカスト製品供給によるクルマのエネルギー消費効率向上」と「エネルギー効率の改善等による使用化石燃料資源の低減」を重要取り組み課題とし、マテリアリティ(重要課題)分析に基づくサステナビリティ戦略を推進している。カーボンニュートラル項目においてはScope1,2における2030年度CO2排出量50%削減(2013年度比)を目指している。

財務体質と経営基盤の強化に向けては、1) 2030年度の売上高1,600億円(2224中期経営計画策定時の為替相場、地金価格で1,800億円に補正)、営業利益率6%を目標に、2) 収益構造改善(固定費削減)、3) 収益確保(原価低減)、収益管理(投資効率等)の3つの観点より各施策の取り組みを進めている。また、財務戦略としては、健全なバランスシートとROE目標達成を両立できる最適な財務レバレッジを追求する目標として、ROE9%、自己資本比率40.0%以上を設定している。また、営業キャッシュ・フローを1,600億円創出し、成長のための設備投資1,400億円と配当・自己株式の取得による株主還元180億円、ネット有利子負債20億円削減に充てるキャッシュアロケーション目標を設定している。配当性向は早期に35%以上の確保を目指している。

2. 2224中期経営計画と進捗状況
(1) 2224中期経営計画の概要
同社では、現在「10年ビジネスプラン」の最初のマイルストーンとなる2224中期経営計画(2022〜2024年度)を推進している。自動車の電動化の加速やカーボンニュートラルなどの外部環境変化を踏まえ、「期待を超える2040」に向けて「低コストで生産性の高いものづくりの確立」「CO2削減活動の推進」を事業戦略の柱としている。そして、「2040年ビジョン」の各ビジョンに対応する戦略を設定している。「軽量化で地球の未来に貢献する」ための「電動車向け部品中心の事業ポートフォリオへの着実なシフト」、「技術探求を続け、唯一を生み出す」ための「需要創出技術・生産性向上技術開発での売上高貢献」、「Ahrestyで良かった!を実現する」ための「生きいきと働ける職場づくり」「国内アーレスティのダイバーシティ推進」を実践している。

数値目標としては、2025年3月期の売上高170,000百万円、営業利益6,500百万円、営業利益率3.8%、ROA3.3%、ROE7.8%、自己資本比率42.8%を設定していたが、2024年10月に公表した修正業績予想は、売上高160,200百万円、営業利益3,050百万円、営業利益率1.9%と目標を下回る見込みである。また、電動車売上比率は2026年3月期で30%、2028年3月期で45%を目標としており、2024年3月期実績は21%と順調に推移している。CO2排出量原単位削減目標は、2025年3月期で2013年度比29%削減を目標と設定したが、2024年3月期では28.9%の削減を実現し、2030年度50%削減を次のターゲットとしている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)



《HN》

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