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Q. ところで先ほど「自己資金」でトレードをしているとおっしゃっていましたが?

A.  ええ、私自身の資金です。


Q. 会社のお金ではなく。

A.  いいえ。まったく。


Q. ちなみに年パフォーマンスを伺ってよろしいですか・・・・・・?

A.  年換算すると20%ほどです。


Q. それは、すごいですね!

A. しかし、多くの人は「低いなあ」と思うようですね(笑)


Q. 当初の口座資金額によるとはいえ、個人的には15%でもうらやましいのですが・・・・・・。

A.  少なくとも米国では多くの人がFXに非現実的な期待を抱いているようです。1カ月で資金を2倍にしてみせるとか・・・・・・。  たしかに、レバレッジを利かせれば不可能とは言いません。しかし、そのレバレッジで、同じように1カ月ですべてを失ってしまう可能もあるわけです。セミナーではよく「大きなヘッジファンドでさえ20%のパフォーマンスを出して評価されているのに、小さな自分がそれ以上を出そうなんて大それていませんか?」という話をしています。  重要なのは「毎年20%のリターンを一貫して続けられるか?」なのです。1年目に+100%、2年目に−100%、3年目に+100%、4年目に−100%では、話になりません(笑)


Q. さきほどファンダメンタルズで売買判断をするとおっしゃいましたが、自分のファンダメンタル分析が間違っていて、価格が自分の仕掛けた方向に動いた場合はどうするのですか?

A. 自分の分析が間違っていると分かれば、すぐに手仕舞いをします。損切り(ストップ)水準まで待ちません。得てして、そのほうがはるかに良い値段で撤収できます。そして損が小さければパフォーマンスは向上するのです。


Q. 価格が自分に有利に動いてもですか?

A. はい。単に「運が良かった」にすぎませんから。それは分析によるものではありません。


Q. 最後に、これからFXトレードを始めてみようという方にメッセージをお願いします。

A.  まず戦略を構築すること。そして2度はデモ口座で試してみることです。デモ口座でも利益を出せないのに、実際の口座で利益を出せるわけがありませんから(笑)。  2度、デモ口座で試すことが重要です。1度目は単に運が良かったにすぎないかもしれません。1度目に1万ドルの資金が1万2000ドルに増えたとしても、そこでいったんまっさらにします。そしてまた1万ドルから始めるのです。  実際のトレードでは、自分の戦略が最終的に結果を出すことに自信を持たなければなりません。デモ口座で2度結果を残すことができれば、より自信を持って実践に臨むことができるはずです。  そして常にストップ注文を置くことです。


Q. それは出口戦術を持つという意味ですね。

A.  そうです。仕掛けたら損切りの注文を置き、そして利が乗ったらトレイリングストップで追跡させます。乗ったトレンドが強ければ、大きな利益をもたらすでしょう。


Q. ありがとうございます。

(2007年6月インタビュー)


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キャシー・リーエン Kathy Lien


FXの小鬼たち


FXトレーディング

ニューヨーク大学(ファイナンス)卒。JPモルガン・チェースではFXトレードとクロスマーケット取引にアソシエイトとして従事、インターバンク市場でのFXスポットとオプションだけでなく、金利デリバティブ、債券、株式、先物など、FX以外の金融商品のトレードにも豊富な経験を持つ。 フォレックス・キャピタル・マーケッツ(FXCM)では、チーフ・カレンシー・ストラテジストとしてテクニカルとファンダメンタルの両面からの分析調査レポート、マーケット解説、投資戦略を執筆。またオンラインサイト「DailyFX.com」の調査・分析責任者として、きわめて広範なリサーチとニュースを無料で提供している。


用語説明

※1 キャリートレード
低金利の通貨で資金を調達し、それを外貨に換えて収益性の高いにものに投資する手法。

※2 インターバンク
世界的大手金融機関が通貨の取引をする相対取引市場。

※3 カウンターパーティ
FX業者のカバー先となる金融機関。通常、FX業者はカウンターパーティの提示する卸値に手数料分を加えた小売値で顧客にレートを提示することになる。

※4 トレイリングストップ
逆指値(ストップ)の位置を相場の動きに連動させる手法。一般的なのは、当初ストップを損切りポイントに置き、相場が有利に動いたときにストップをブレークイーブン(トントンの)ポイントに移動する方法である。





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