2024.12.2
浜口です。さて、まずは今回も定点観測を。前回の当ブログのアップ日(2024年11月18日)以降の「浜口流コア・サテライト戦略」銘柄について、左は株価が11月22日時点、右は11月29日時点のデータです。
株価としては、三井物産・三菱商事以外が下落傾向にあることがわかります。この点は後述します。はすべて上昇、特に3メガバンクの上昇度合いが高いことがわかります。その中でも、8411みずほFGが突出して株価上昇していることがわかります。理由は、16年ぶりに自社株買いを再開したことがあります。
以下は8316三井住友FGの日足。足元の株価は上昇に転じていることがわかります。この銘柄の業績は以下の通り好調であり、楽観しています。
8316三井住友FG純利益進捗率は35%と好調、余震費用も低ポジティブというが
メガバンクの中でも、現在、最も安心して長期保有できる銘柄、と私は考えます。
テクノロジー株を中心とした下落相場がひと段落したら、まず株価が上昇に転じるのは同銘柄のようなメガバンク三行が中心と考えます。
8316三井住友FG、中間決算時の株主還元強化に期待/投資魅力が大きいというが
このレポートには私も同感で、三井住友FGの投資力魅力は大きいと思いますね。
主観ですが、中長期的には20,000円があってもおかしくないという考えに変化はありません。同銘柄は株価が3分割されたため、7,000円近くがあってもおかしくないという考えに変化はありません。
一方でテック株の人気銘柄、6920レーザーテック。株価は趨勢的に下落しています。ここまで株価が下落してもなお、予想PERは20.04倍。三井住友FGと対照的ですが、これが現実です。投資対象を銀行・損保・商社株の累進配当銘柄に絞り込んで、ほんとうによかったと思いますね。この銘柄は半導体関連ですが、そもそも半導体関連銘柄は、相場が終わっていると認識します。
日本株の相場観については、長期的には今回も基本、変化なしです。日本は、景気後退になる可能性は低く、米国のインフレ懸念は日本に脱デフレをもたらし、加えて海外観光客の増加等、経済再活動につながり、今年年前半にかけ、日本株はここで紹介している高配当バリュー株を中心とした、堅調な相場展開を予測しています。「浜口の相場観は、いつも同じだよな」と受け止められている向きも多いことでしょう。しかしながらこのことは、現在の日本株市場が私が想定した通りに推移している証左と受け止めていただきたいと思います。
さて、ここからは今回のテーマ「昨今の総合商社株について」について。
記事を見ますと、日経新聞にあるグラフからもわかる通り、三菱商事・三井物産・伊藤忠商事の株価が冴えないことがわかります。理由については新聞に書かれていますので、ご確認ください。 三菱商事に至っては、これはピンクのマーカーで囲んでいる部分ですが、野村証券の総合商社アナリスト成田さんがレーティングをダウングレードしています。 その背景には、中国景気の不調も大きく影響していると思います。それを反映してか、WTIの過去一年比較で、低位にあります。
しかしながら、中国政府は、相次いで経済対策を打ち出しているその点については、このみずほリサーチ&テクノロジーズのレポートが詳しく説明しています。
現在の三菱商事・三井物産について、私は買い場だと考えています。その理由は、バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイと業務提携するという発言がありながら、その後何のコメントもないからです。
近い将来、明るい見通しが発表されるであろうから、株価が下落していると言うのは、買いタイミングとしてはいいと思うんですよね。しかももちろん累進配当ですしね。
以上です。なお皆さんの株式運用は、くれぐれも自己責任でお願いします。ここは再強調させていただきます。今回はこの辺で。みなさんの株式運用の参考になれば幸いです。
<著者プロフィール> 浜口準之助(はまぐち・じゅんのすけ)
約15年にわたり機関投資家のファンドマネージャーとして株式運用に従事。信託銀行などで主に年金資金の日本株運用を行う。その後約14年にわたり投信運用会社にて投資環境のセミナー講師に携わる傍ら個人投資家として株式運用を行い、「億り人」の仲間入りを果たす。「浜口流コア・サテライト戦略」を提唱し自らも実践している。「醍醐味に満ちたライフワークとして、株式投資に勝るものなし」との基本観から、個人投資家に実践的な株式投資手法の研究を続けている。 社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。主な著書に『黄金サイクルと農耕民族型投資戦略』(パンローリング刊)、ブログ 浜口準之助のテツ・ホテル・グルメ・株式運用 をほぼ毎日更新中、こちらでは旅の話もしている。