2024.4.22
<著者プロフィール> 浜口準之助(はまぐち・じゅんのすけ)
約15年にわたり機関投資家のファンドマネージャーとして株式運用に従事。信託銀行などで主に年金資金の日本株運用を行う。その後約14年にわたり投信運用会社にて投資環境のセミナー講師に携わる傍ら個人投資家として株式運用を行い、「億り人」の仲間入りを果たす。「浜口流コア・サテライト戦略」を提唱し自らも実践している。「醍醐味に満ちたライフワークとして、株式投資に勝るものなし」との基本観から、個人投資家に実践的な株式投資手法の研究を続けている。 社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。主な著書に『黄金サイクルと農耕民族型投資戦略』(パンローリング刊)、ブログ 浜口準之助のテツ・ホテル・グルメ・株式運用 をほぼ毎日更新中、こちらでは旅の話もしている。浜口です。さて、まずは今回も定点観測を。前回の当ブログのアップ日(2024年4月8日)以降の「浜口流コア・サテライト戦略」銘柄について、左は株価が4月8日時点、右は4月15日時点のデータです。
この期間の断面で見れば、全体としてやや調整といったところです。日本株・米国株とも全体が大きく下落しているのでやむを得ないところですが、グロース株との比較では、ここに掲載されている銘柄群の下落率は軽微にとどまっています。このような中、三井物産は、上昇してますよね。
私がここ二週間で、私はわずかに投資したアドバンテストと東京エレクトロンをすべて売却し、その資金を銀行株に投資しました。この点は後述します。
以下は8316三井住友FGと6857アドバンテストの日足。アドバンテストは下落に転じたと考えます。
デイトレは行いませんでした。前々週から一転し、相場が大きく下落したことから、デイトレはリスクが高いと考えたからです。
日本株の相場観については、長期的には今回も基本、変化なしです。
日本は、景気後退になる可能性は低く、米国のインフレ懸念は日本に脱デフレをもたらし、加えて海外観光客の増加等、経済再活動につながり、今年年前半にかけ、日本株はここで紹介している高配当バリュー株を中心とした、堅調な相場展開を予測しています。「浜口の相場観は、いつも同じだよな」と受け止められている向きも多いことでしょう。しかしながらこのことは、現在の日本株市場が私が想定した通りに推移している証左と受け止めていただきたいと思います。
但し当面の相場については、私の個人ブログで紹介している以下の内容に沿った展開になっていると考えます。
さて、ここからは今回のテーマ、「円安・金利高・原油高……やはり銀行株・商社株か」について。 この点については、やはり私の個人ブログで紹介している以下の内容に沿った展開になっていると考えます。
国内の物価を抑えると言うことになると、方法としては、円安ドル高をストップさせるしかない。そのためには、国内の金利、特に長期金利を上昇させるしかないんだろうなと考えます。
さて、足元で大きく下落している半導体関連株ですが、TSMCの決算を見ても、それほど悪いわけではないのですが、要は投資家やアナリストの期待があまりにも高過ぎたのです。これに尽きます。従い、株価については当面、下値を模索する展開と考えます。
6857アドバンテストの場合、今回の株価のピークは3月上旬ですから、信用買い残のピークはおそらくは5月。理由は、3月上旬以降の下落を絶好の押し目買いタイミングととらえる向きが大きからです。こういうケースでは、信用期日が6ヶ月ですから、その少し前、5ヶ月目ぐらいから信用の売りがかさむケースが多いのです。そうなりますと、5ヶ月目は10月になりますので、株式の需給面だけから考えますと、その辺がボトムになる可能性がある。これはやや悲観的なシナリオですが、そこまで意識したほうがいいと思います。あとはこれら銘柄について、その前に好ましいニュースフローがあれば、底打ちの時期が早まる可能性はありますね。
また私は昨日、Twitterでスペースを行い、150人以上の方に参加いただき、ありがとうございました。 その中で、8411みずほFGはシステム障害を繰り返しているが、大丈夫か?との質問がありました。金融庁からすでにお墨付きが出ていますので、問題なしです。この点は、この記事をご覧ください。
金融庁は19日、システム障害をめぐってみずほ銀行とみずほフィナンシャルグループ(FG)に課した業務改善計画の定期報告を終了した。2021年にATMのカード取り込みなどトラブルが続出したことを受けて同年11月、銀行法に基づく業務改善命令を発出。3カ月ごとに改善計画の実施状況を報告するよう求めていた。再発防止の仕組みが整ったと判断した。
(2024年1月19日 日本経済新聞)
この記事の中の「財務省も再発防止などが整備できたとして、すでに定期報告を不要にしたとみられる。当局への定期報告を終えることは、みずほにはひとつの節目となる。」にご注目ください。
以上です。なお皆さんの株式運用は、くれぐれも自己責任でお願いします。ここは再強調させていただきます。今回はこの辺で。みなさんの株式運用の参考になれば幸いです。