2023.10.02
<著者プロフィール> 浜口準之助(はまぐち・じゅんのすけ)
約15年にわたり機関投資家のファンドマネージャーとして株式運用に従事。信託銀行などで主に年金資金の日本株運用を行う。その後約14年にわたり投信運用会社にて投資環境のセミナー講師に携わる傍ら個人投資家として株式運用を行い、「億り人」の仲間入りを果たす。「浜口流コア・サテライト戦略」を提唱し自らも実践している。「醍醐味に満ちたライフワークとして、株式投資に勝るものなし」との基本観から、個人投資家に実践的な株式投資手法の研究を続けている。 社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。主な著書に『黄金サイクルと農耕民族型投資戦略』(パンローリング刊)、ブログ 浜口準之助のテツ・ホテル・グルメ・株式運用 をほぼ毎日更新中、こちらでは旅の話もしている。浜口です。まずは今回も定点観測を。前回の当ブログのアップ日(2023年9月18日)以降の「浜口流コア・サテライト戦略」銘柄について、左は株価が2週間後、株価が9月15日時点、右はその2週間後、株価が9月29日時点のデータです。
この二週間の断面で見れば、銀行株・商社株・日本製鉄とも下落していることがわかります。9月28日は3月決算企業の中間配当権利落ち日であり、日経平均でみると240円程度下落する要因があったこと、また3か月ごとにアセット・アロケーションが見直されるGPIFの資産比率について、ここもと上昇した日本株、その中で顕著に上昇した銀行株・商社株・日本製鉄などに売却ニーズが発生したことなどが背景にあると思われます。
ここ2週間で私が行った売買ですが、日々、総合商社・メガバンクなどでデイトレを行い、今年に入り負けなしです。
日本株の相場観については、今回も基本、変化なしです。日本は、景気後退になる可能性は低く、米国のインフレ懸念は日本に脱デフレをもたらし、加えて海外観光客の増加等、経済再活動につながり、今年年前半にかけ、日本株はここで紹介している高配当バリュー株を中心とした、堅調な相場展開を予測しています。「浜口の相場観は、いつも同じだよな」と受け止められている向きも多いことでしょう。しかしながらこのことは、現在の日本株市場が私が想定した通りに推移している証左と受け止めていただきたいと思います。
また一部で、「半導体関連株が上昇に転じるのでは?」という声も聞こえてきます。たしかにここのところ、上昇している銘柄も散見されますが、基本的に金利上昇局面にある中、グロース銘柄・半導体関連株の継続的な上昇は見込みづらいし、そもそも、現在当ブログで紹介している投資銘柄群から手を広げる必要性に乏しいと、私は考えます。
さて、以下は 8316三井住友FG の過去6か月の推移、株価は9月29日時点の日足です。同銘柄に関し、「株価は趨勢的に上昇トレンドが続く」というシナリオに変化なしです。シリコンバレー銀行ショック前の高値を更新して来た状況であり、期間は趨勢的に上昇を続け、10,000円を超えていくことをイメージしています。三井住友FGは、上半期決算発表段階で自社株買いを検討すると公表しており、三菱商事のような株価上昇の楽しみは、秋にかけてやってくると現状、期待しています。
さや取りについては、今回は特筆すべきものはないので、割愛させていただきます。というより、デイトレがあまりにも儲かるので、さや取り用の信用枠まで使っているというのが実際のところです。
さて、ここからは今回のテーマである「そろそろか……7205日野自動車のアナウンス」について。
日野自動車については、今年の1月、過去20年来の排気ガスのデータ改ざん不正問題が発覚して株価が急落しました。その後私はこの銘柄を購入し、個人投資家向け説明会に行ってきました。国土交通省からはこれに該当するエンジンが乗っかっている2トントラックの製造中止の指示があったものの、いつか本件の再発防止策が国土交通省に認可されれば、足元で落ち込んでいる業績は急回復、株価も元に戻ると考えたわけです。その辺は2月6日付け当ブログでも一部紹介していますが、こんなやりとりがありました。
浜口:国土交通省が日野自動車の業務改善命令を受け入れて、日野自動車が元に戻るのはいつと考えますか?
日野自動車の社長:それは国土交通省が決定することであり、私自身が言及する立場にはないが、個人的には、1年先ぐらいだろうと考えています。
10月を迎えた今、年内というと10月〜12月の3ヶ月ですから、日野自動車の社長の言う通りになれば、ぼちぼち国土交通省からハッピーなニュースが発表されてもおかしくない。暴落前の株価は1,100円前後でしたが、その後三菱ふそうとの合併が決まったから、ライバルであるいすゞとの比較でシェア拡大が見込まれることを背景に+α部分が発生、1,200円位の株価は期待できるんじゃないか。そもそも、三菱ふそうとの合併が国土交通省により認可されたのだから、関係も悪くないのではないか。そう考えます。
本件は本来の高配当利回り銘柄に投資をする趣旨とは異なりますが、コア・サテライト戦略のサテライト部分の投資として、ここから株価上昇が期待できるのではないか。要は国土交通省の発表待ち、そろそろ楽しみなタイミングが来たのではないかと考えています。
ご参考まで、以下は、日野自動車の過去5年間の月足です。
以下、参考になると思われる私個人のブログを紹介します。
ここで重要な点を。今回の動きは、国土交通省に対し日野自動車提出した排気ガス不正問題に対する再発防止策を承認したことを反映しているわけではないこと。
あと、トヨタとダイムラーの提携の中での出来事という点もびっくりですね。スケールがデカいって。
昨日、日野自動車の個人投資家向け説明会に行ってきました。
私は、国土交通省が日野自動車の業務改善命令を受け入れて、日野自動車が元に戻るのはいつか?と質問をしました。
以上です。なお皆さんの株式運用は、くれぐれも自己責任でお願いします。ここは再強調させていただきます。今回はこの辺で。みなさんの株式運用の参考になれば幸いです。