2023.7.24
<著者プロフィール> 浜口準之助(はまぐち・じゅんのすけ)
約15年にわたり機関投資家のファンドマネージャーとして株式運用に従事。信託銀行などで主に年金資金の日本株運用を行う。その後約14年にわたり投信運用会社にて投資環境のセミナー講師に携わる傍ら個人投資家として株式運用を行い、「億り人」の仲間入りを果たす。「浜口流コア・サテライト戦略」を提唱し自らも実践している。「醍醐味に満ちたライフワークとして、株式投資に勝るものなし」との基本観から、個人投資家に実践的な株式投資手法の研究を続けている。 社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。主な著書に『黄金サイクルと農耕民族型投資戦略』(パンローリング刊)、ブログ 浜口準之助のテツ・ホテル・グルメ・株式運用 をほぼ毎日更新中、こちらでは旅の話もしている。浜口です。まずは今回も定点観測を。前回の当ブログのアップ日(2023年7月10日)以降の「浜口流コア・サテライト戦略」銘柄について、左は株価が7月7日時点、右はその2週間後、株価が7月21日時点のデータです。
この二週間の断面で見れば、銀行株・商社株とも上昇していることがわかります。損保株であるMS&ADは下落していますが、一部でささやかれている同業界のカルテル的なことに関する話題に影響された部分が大きいのでしょうが、現状、本件の影響は極めて限定的と考えます。今後のニュースフローを待ちたいと考えます。
ここ2週間で私が行った売買ですが、日々、三菱商事・銀行株などでデイトレを行い、今年に入り負けなしです。特にここにきて、三菱商事・三井住友FGがますますいい感じです。以下に、先週末の7月20日の事例を掲げます。
日本株の相場観については、今回も基本、変化なしです。日本は、景気後退になる可能性は低く、米国のインフレ懸念は日本に脱デフレをもたらし、加えて海外観光客の増加等、経済再活動につながり、今年年前半にかけ、日本株はここで紹介している高配当バリュー株を中心とした、堅調な相場展開を予測しています。
さて、以下は8316三井住友FGの過去6か月の推移、株価は7月21日時点の日足です。同銘柄に関し、「株価は趨勢的に上昇トレンドが続く」というシナリオに変化なしです。株価については、「シリコンバレー銀行ショック」前の高値を更新して来た状況であり、期間は不確かながらも趨勢的に上昇を続け、3月に付けた高値、いわゆる10,000円を超えていくことをイメージしています。三井住友FGは、上半期決算発表段階で自社株買いを検討すると公表しており、三菱商事のような株価上昇の楽しみは、秋にかけてやってくると現状、期待しています。
さや取りについては、今回は特筆すべきものはないので、割愛させていただきます。というより、デイトレがあまりにも儲かるので、さや取り用の信用枠まで使っているというのが実際のところです。
さて、ここからは今回のテーマである年後半も銀行株/日米消費者物価逆転?について。まずは前者。
以下、私の個人ブログ「浜口準之助のテツ・ホテル・グルメ・株式運用」からの紹介です。
年後半はバリュー株が優位であり、銀行株価はすでに強気相場に入っていると。違和感ない見方ですね。
続いて後者。
この中で、「日米消費者物価上昇率逆転の時代が来るのか?」というのはかなりセンセーショナルな内容ですが、個人的には違和感はありません。以上に加え、以下の日経ヴェリタス7月23日号の寄稿文もご覧ください。
過去30年間の日本と世界を巡る経済の地殻変動の要素を、全て反対方向に読み替える思考実験をしてみる必要があるかもしれません。日本では「再バブル化」「少子高齢化がもたらすインフレ」、世界全体では「新冷戦による効率性低下」「中国経済の没落」「コンピュータ技術の成熟化」「インフレ」「金利上昇」といった具合です。
――日経ヴェリタス7月23日号「森田長太郎のセカイ系な世界」より
インフレとなりますと、エネルギー・資源の観点から三菱商事・三井物産、長期金利上昇に伴う利ザヤ拡大の点から銀行株にポジティブと考えます。
以上です。なお皆さんの株式運用は、くれぐれも自己責任でお願いします。ここは再強調させていただきます。今回はこの辺で。みなさんの株式運用の参考になれば幸いです。