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長期的バリュー投資の基本と原則

 バリュー投資について、簡潔にまとまった良書だと思います。

「低PER、低PBR」といえば、直接的には記載されておりませんが、有名なグレアムのミックス係数を思い出します。

 第21章バリューにおいて「経験に基づけば30〜35銘柄でポートフォリオを構築すれば十分」との記載がありますが、これもグレアムの教えと同じです。グリーンブラッド投資法では、「グレアムの意見では、もし計量的に20〜30の割安な銘柄を持ては、徹底的な調査など必要ない。」と記載されています。

 また、割安株、配当利回りが高い銘柄がアウトパフォームすることについては、同様の記載がジェレミー・シーゲルの「株式投資」にもあります。

 更に、「第3部マーケットタイミング」や「第28章 弱気相場とリセッションの歴史」の部分では、マーケットに居合わせる重要性を記載しています。これはチャールズ・エリスの「敗者のゲーム」の名言「稲妻が輝く瞬間に市場に居合わせなければならない」と同じだと思います。

 また、投資期間については5年間を提示しています。これは、モニッシュ・パブライの「ダンドーのバリュー投資」の3年間よりも長くなっています。

 更に、91ページでは「配当の増大」を記載しています。これは、「監修者まえがき」で指摘されている「配当成長株投資のすすめ」に通じるものです。

 このように、本書は、さまざまな良書に記載されている重要な点について記載されている大変有益な本でした。未読の方は、是非、読まれることをお勧めします。

スマイル 会社員
個別株27年


データをもとにしたバリュー投資指南本 日本版があれば・・

本書は主に米国市場を具体例にして豊富なデータをもとにバリュー投資の有利さや留意点について丁寧に解説した内容となっている。

低PER、低PBR、配当利回りなどを指標としながら、具体的な歴史的データをもとにバリュー株投資の有利さについて丁寧に解説するとともに、個別銘柄を選択する際の留意点等についても、具体的な個別銘柄の事例を挙げながら解説している。

一般にバリュー株投資は感覚的には退屈なところがあり、材料性等から市場で注目されている目立つ株と比較すれば地味な印象もある。が、タイミングウォッチのような戦略をとらず、丁寧に中長期での投資を継続すれば成果につながりやすいこを本書は丁寧に示しており、こうした投資方法をとる場合の支え、励ましにもなろう。

但し、本書で示されるのは米国市場の例であり、個別銘柄では世界的によく知られた企業も登場するが、なかなか具体的なイメージをもってとらうることが難しい場合もある。本書の視点をもとに、これは日本市場にもあてはまるのかどうか、同様の方法で検証したような本があるといいのだが・・。

ふしみん 60代 個人投資家
鳳凰堂のランダムウォーカー


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