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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/09/12 13:43, 提供元: フィスコ フューチャー:ITコンサル事業を中核に顧客のDXを推進、「次世代バンキングシステム」を軸に知財を展開し成長加速*13:43JST フューチャー:ITコンサル事業を中核に顧客のDXを推進、「次世代バンキングシステム」を軸に知財を展開し成長加速フューチャー<4722>は、フューチャーアーキテクトを主要子会社とする持株会社であり、ITコンサルティング&サービス事業を主力とする。金融、流通、小売、製造業など多様な顧客のDXを支援している。ビジネスモデルは、経営とITを両輪でデザインするコンサルティングからシステム構築、保守運用、ライセンス収益に至る一気通貫型であり、戦略的かつ長期的な顧客関係を維持できる点に強みがある。 事業は大きく二つに分かれる。第一は売上構成比約9割を占めるITコンサルティング&サービス事業で、一気通貫型のDX支援が拡大していることに加え、フルクラウドおよびフルオープンAPIを実現した金融機関向け勘定系システム「次世代バンキングシステム」やアパレル業界向け基幹プラットフォーム「FutureApparel」などの知財の展開も今後の主要な成長ドライバーである。さらに、2024年3月に完全子会社化したリヴァンプの経営コンサルティング事業・DX事業がフューチャーアーキテクトとのシナジーを生み、収益に貢献している。第二はビジネスイノベーション事業で、東京カレンダーによるネットサービスやイベント収益、ライブリッツのスポーツチーム向けシステム、キュリオシティのラグジュアリーブランド向け店舗デザインなど多様なサービスを展開する。 2025年12月期第2四半期累計決算では、売上高356.4億円(前年同期比8.2%増)、営業利益71.0億円(同3.0%増)と増収増益を達成した。特に、「次世代バンキングシステム」は福島銀行に次いで2行目となる島根銀行で安定稼働を開始し、今後は保守・ライセンス収入の積み上げが見込まれる。また、「FutureApparel」導入の大型プロジェクトにおける設計フェーズも順調に進捗している。加えて、リヴァンプは支援先企業の業績改善に伴う成功報酬を計上したほか、フューチャーアーキテクトとの共同営業、PMIを通じた収益性向上により、収益成長に貢献した。 2025年12月期通期の業績予想は、売上高760.0億円(前期比8.8%増)、営業利益160.5億円(同9.4%増)を見込んでおり、主力のITコンサルティング&サービス事業が業績を牽引する構造は不変である。フューチャーアーキテクトにおいて第2四半期より複数の大型プロジェクトが開始しており、下期も順調に推移する見通し。市場環境としては、地銀97行のうち多数が20年以上前に構築された勘定系システムを使用し続けており、刷新需要が追い風となっている。SBIホールディングスと資本提携する地銀10行のうち4行が既に同社のシステム導入を決定しており、今後の拡大余地は大きい。 同社の強みは、リアルタイムで大量データを処理する技術力にある。物流・小売業界など、大規模データを扱う分野での実績は競合に対する優位性を示している。また、戦略立案からシステム構築、運用保守までを一気通貫で担える点は、従来型SIer(システムインテグレーター)との差別化要因となっている。 IT業界は変化が速いため、中期経営計画は公表していないが、生成AI等の技術を取り込みつつ、売上、営業利益ともに10%成長を維持することを目標としている。「次世代バンキングシステム」を成長ドライバーとして既存事業を拡大させつつ、新事業などへの成長投資も行っていく。また、医療DXのような社会的意義のある分野においても貢献する。 2025年12月期の年間配当は1株当たり46円(前期比4円の増配)を予定している。配当性向の目安は35%で、残りの資金は成長投資や教育投資、M&Aに振り向ける方針だ。近年は連続増配を実現しており、今後も安定配当と成長投資の両立を掲げている。 《HM》 記事一覧 |