| 携帯版 |
|
|
|
フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/09/09 11:03, 提供元: フィスコ アクシスＣ Research Memo（3）：経営アジェンダを解決する戦略実現人材を最適配置*11:03JST アクシスＣ Research Memo（3）：経営アジェンダを解決する戦略実現人材を最適配置■事業概要 1. ビジネスモデル アクシスコンサルティング<9344>の近年の経営アジェンダは、従来のIT化やコスト削減といった業務効率中心の経営課題から、複数領域にまたがる高度で複雑なものへと変化している。一方、経営アジェンダを解決することができる戦略実現人材が、労働人口減少と産業構造の急激な変化を背景に質・量ともに不足している。企業には人材の価値を最大化するための仕組みが求められているが、こうした経営アジェンダに対峙できる優秀な人材を、組織を横断して最適配置・活用することは、難度が高くなっている。同社は、そうした企業の経営アジェンダを解決に導き成長を支援するため、豊富なスキルデータベースから戦略実現人材を選定し、人材紹介とスキルシェアの両面から効果的に配置するソリューションを提供している。 人材紹介とスキルシェアをサービス展開 2. サービス内容 同社のサービスは、正社員の採用を支援する人材紹介「AXIS Agent」とスキルシェアに大別される。スキルシェアは、独立してフリーランスとなったコンサルタント（フリーコンサルタント）など外部人材を活用して手軽に企業の課題解決を図るサービスで、プロジェクトなどにより経営課題や事業課題を解決するフリーコンサル「AXIS Solutions」と、経営相談や資料作成など様々な面で経験や知見を生かせるスポットコンサル「AXIS Advisors」がある。いずれも求職者（人材側）と求人企業（企業側）をつなげるサービスである。 (1) 人材紹介「AXIS Agent」 人材紹介は転職を目的とするサービスで、コンサルティングファーム向けと事業会社向けに分かれる。サービスの内容は、ともにキャリアアドバイザーが橋渡しをし、祖業であるコンサルティングファーム向けでは大手顧客を中心に人材を紹介している。マネージャー以上の転職紹介に強みがあり、支援した転職者からフリーコンサルの発注を受けることが多いのも特徴である。事業会社向けでは経営人材などの紹介が中心となっている。コンサル人材の約半数が事業会社への転職を指向しているうえ、事業会社側のニーズも経営アジェンダの高度化・複雑化とともに強まっているため、事業会社に対する認知度の向上が同社の成長に直結すると考えられる。 収益構造は、求職するハイエンド人材が直接または外部求人サイトから「AXIS Agent」に登録し、同社が戦略実現人材としてコンサルティングファームや事業会社に紹介し、転職先から紹介手数料（売上高）を受け取り、外部求人サイトに利用料（売上原価）を支払うという流れになっている。このため、売上総利益率は約9割と高率である。 (2) スキルシェア フリーコンサル「AXIS Solutions」は、コンサルタントとして独立することを目的としたハイエンド人材に対するサービスである。同社アドバイザーが橋渡し役となって、コンサルティングファーム向けに戦略・DX分野の実績が豊富なフリーランスを紹介、事業会社向けには戦略展開やDX課題の解決に最適なハイエンドのフリーランスを紹介し、プロジェクトの遂行を支援している。また、スポットコンサル「AXIS Advisors」は、ハイエンド人材の副業紹介を目的とするサービスである。主に事業会社向けで、1回30分からコンサルの依頼が可能なため、スタートアップを含めて様々な企業が手軽に利用している。また、同社アドバイザーが関与しないWebによる自動マッチングの仕組みを活用しているため、多数のコンサル人材が登録しており、同社の「AXIS Agent」や「AXIS Solutions」への入口にもなっている。 収益構造は、同社が受注したプロジェクトに、フリーランス人材をアサインすることで売上をあげる。フリーランス人材への業務委託料を原価として計上するため、売上総利益率は1割〜3割と相対的に低くなっている。経営アジェンダに応じて多彩な戦略実現人材をアサインできるため、需要が加速度的に拡大しているようだ。また、コンサルティング経験のある同社社員がコンサルタントとしてプロジェクト・マネジメントを行い、複数のフリーランス人材の活用や他社との連携を図ることで、柔軟なプロジェクトチームを運用できるため、大規模かつ複雑な案件の受注も可能となっている。 業界トップクラスのスキルデータベースなどに強み 3. 同社の強み 同社の強みは、業界トップクラスのスキルデータベース、経営アジェンダに応じた柔軟な人材配置、戦略実現人材との中長期的な連携にある。 同社のスキルデータベースは、ハイエンド人材に特化した10万人の登録者を擁し、10%+αと言われる業界成長率を上回る勢いで登録者数が増加している人材紹介プラットフォームである。さらに、登録者の内容（データ属性）にも強みがある。具体的には、DX・IT人材（登録者構成比31.0%）、戦略・CxO人材（同18.5%）、マーケティング・営業人材など（同33.1%）、会計・SCM人材など（同17.4%）と、近年需要が高まっているニーズに対応できるスキル人材が多数登録している、BIG4（デロイトトーマツコンサルティング、EYストラテジー・アンド・コンサルティング、KPMGコンサルティング及びPwCコンサルティング）の4人に1人が登録しており、登録者の質の高さがうかがえる。 経営アジェンダに応じた柔軟な人材配置については、人材紹介とスキルシェアを組み合わせた複合的なサービスを提供できる点に強みがある。クライアント企業の雇用形態にとらわれず、経営アジェンダに対し、最適な人的資本を柔軟に配置して一元的に対応できる。戦略実現人材との中長期的な連携に関しては、戦略実現人材のキャリアのあらゆる段階で同社が伴走しているため、一回限りの転職や案件紹介で終わらず中長期的な信頼関係を構築できる点も強みである。このため、キャリアを重ね採用権限を持つに至った戦略実現人材が、発注者として人材に関連する課題解決を同社へ依頼するケースが増加しているようだ。 （執筆：フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光） 《HN》 記事一覧 |