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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/06/23 10:33, 提供元: フィスコ EG Research Memo(3):2025年9月期中間期は増収増益で業績底打ちを確認*10:33JST EG Research Memo(3):2025年9月期中間期は増収増益で業績底打ちを確認■イー・ガーディアン<6050>の業績動向 1. 2025年9月期中間期の業績 2025年9月期中間期の連結業績は、売上高が前年同期比2.6%増の5,868百万円、営業利益が同5.8%増の929百万円、経常利益が同7.0%増の933百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同13.4%増の607百万円と増収増益となった。売上高に関しては、同社の上期計画値(6,044百万円)に対して97.1%とわずかに届かなかったものの、3四半期連続で増収を続けており、業績の底打ちが確認できる。ソーシャルサポート事業では、EC・フリマサイト向けのカスタマーサポート及び監視業務などが好調だったのに加え、Fintech関連サービスのカスタマーサポート及び本人確認業務が拡大した。営業体制面では、既存顧客との関係構築強化に取り組んだ結果、既存顧客の売上高が増加した。サイバーセキュリティ事業では、クラウド型WAFとコンサルティングサービスが堅調に推移した。さらに、チェンジHDグループ会社の既存外注業務の同社への移管が拡大するとともに、相互の顧客基盤を活用した共同提案を実施した。 利益面では、営業利益で前年同期比で5.8%上回るとともに、上期計画値(781百万円)を19.0%上回った。営業利益率では前年同期を0.4ポイント上回る15.8%となった。各センターの稼働率の向上や受入派遣社員の正社員雇用推進などによる採算性管理の強化、生成AIを実装した各種システムの活用等を通じて売上総利益率が改善したこと(前年同期から1.7ポイント上昇)に増収効果も加わり、株主優待費用などの費用増を吸収して増益を達成した。 セグメント別では、ソーシャルサポートは、売上高は前年同期比11.3%増の3,693百万円となった。EC・フリマサイト向けのカスタマーサポートと監視業務が伸長するとともに、Fintech関連業務、チェンジHDグループ会社の業務などを受託した。ゲームサポートは、売上高は前年同期比11.3%減の744百万円と減収となった。国内ゲーム市場は変わらず大型のヒットタイトルに恵まれなかったものの、家庭用ゲームやPCゲームのカスタマーサポートの大型案件を受注した。アド・プロセスは、売上高は前年同期比7.7%減の651百万円と減収となった。引き続きデジタル広告市場における時流に即した需要を捉え、新規顧客開拓に注力したが、既存顧客の売上高の減少を吸収できなかった。なお、消費者庁の「インターネット通信販売等適正化事業」は継続受注が決定した。サイバーセキュリティは、売上高は前年同期比1.0%増の477百万円となった。クラウド型WAFの拡販が伸長するとともに、コンサルティングサービスが好調だったものの全体として伸び率は低かった。各企業のセキュリティ強化、サプライチェーンリスク低減などサイバーセキュリティ需要は拡大しており、市場のポテンシャルは大きい。その他は、売上高は前年同期比21.2%減の301百万円となった。 2025年3月末の財務指標では、自己資本比率87.3%、流動比率789.5%と安全性が極めて高い。現預金10,320百万円、有利子負債ゼロと資金(調達)余力も十分あり、今後の業界再編及びM&A戦略をリードするうえで財務基盤は健全である。 2025年9月期は増収増益予想を据え置き。進捗率はおおむね順調で予想上振れも 2. 2025年9月期の業績予想 2025年9月期の連結業績予想は、売上高が前期比8.5%増の12,365百万円、営業利益が同6.7%増の1,819百万円、経常利益が同6.8%増の1,824百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同15.4%増の1,220百万円と、期初予想を据え置いている。前期を底として、回復基調が確認できる見通しである。 既存BPO領域では、市場の成長、新たなサービス・技術の登場、規制強化などの契機を捉えるとともに、誹謗中傷・なりすまし広告などの被害拡大や人手不足といった社会情勢を背景に、継続的な成長を見込んでいる。特にEC・フリマ、Fintech関連、ゲームサポートにおけるSNS運用、風評調査などに成長の余地がある。また、引き続き営業組織の体制強化に取り組み、顧客の潜在的なニーズを汲み取り提案を強化することで、新たな案件創出に注力する。チェンジHDグループの既存外注業務の同社への移管を拡大するとともに、チェンジHDグループの顧客基盤を活用してサービスの拡販・提供に取り組む。これにより、大企業、官公庁(入札案件)、自治体などのエンタープライズ向けデジタルBPO領域を拡大する。ゲームサポートでは、前期の家庭用ゲーム向けカスタマーサポートの受注を受け、ほかのゲームメーカーへの横展開を進める。 サイバーセキュリティ事業においては、サイバー攻撃による情報漏えいやWebサイトの改ざんなどの被害拡大を背景に、企業・学校・病院・地方自治体などあらゆる組織のサイバーセキュリティ対策に関する旺盛な需要が存在する。これを受け、既存サービスである「脆弱性診断」「WAF」「コンサルティングサービス」を軸に、市場の需要に応じてワンストップでサービスを提供する。上期に計画どおりの伸びを実現できなかった反省を踏まえ、コストパフォーマンスの高いツール診断サービスを開発するほか、セキュリティ研修やe-learningコンテンツの整備を行い、顧客開拓を積極化する。 通期の売上高・営業利益予想に対して、中間期の進捗率は、売上高で47.5%、営業利益で51.1%とおおむね順調に推移している。弊社では、BPO及びサイバーセキュリティ領域における外部環境がおおむね良好であること、前期から行っている営業力・マーケティング力の底上げの成果が顕在化していること、ゲームサポートでの家庭用ゲーム領域への進出、チェンジHDとの連携効果(公的機関攻略、生成AI活用など)などが期待できるため、売上高・各利益の予想上振れの可能性が高いと考えている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫) 《HN》 記事一覧 |