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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/03/18 11:01, 提供元: フィスコ トレードワークス Research Memo(1):株式取引システムのシェア拡大と金融アセットの強化により高成長目指す*11:01JST トレードワークス Research Memo(1):株式取引システムのシェア拡大と金融アセットの強化により高成長目指す■要約 トレードワークス<3997>は、証券会社やFX会社などを主要顧客とする独立系システム開発会社である。インターネット証券取引システムを中心とした証券業界向けの金融ソリューション事業が売上高の大半を占める。エンジニアのリソース強化を目的に、2022年3月に(株)あじょ、2023年7月にペガサス・システム(株)とITシステム開発会社を相次いで子会社化し、事業規模拡大に向けて積極投資を行っている。 1. 2024年12月期の業績概要 2024年12月期の連結業績は、売上高で前期比22.3%増の4,591百万円、営業損失で55百万円(前期は31百万円の利益)となった。売上高は前下期に子会社化したペガサス・システムが通年寄与による増収効果(434百万円)と大型開発案件の獲得(400百万円)により過去最高を更新したが、利益面では人件費の増加(131百万円)や本社・子会社移転に伴う固定費増加(52百万円)、受注損失引当金(49百万円)及び貸倒引当金(23百万円)の計上等が減益要因となった。なお、本来の収益力を示すEBITDA(償却前営業利益)も同27.1%減の125百万円となったが、受注損失引当金や貸倒引当金等の一時費用の影響を除けば、同15.4%増の198百万円と増益であった。 2. 2025年12月期の業績見通し 2025年12月期の連結業績は売上高で前期比13.3%増の5,200百万円、営業利益で180百万円を計画している。株式取引システムでは既存顧客からの継続受注が見込まれるほか、FX/CFD取引プラットフォームの開発案件も受注し売上貢献する見通しだ。また、前下期より開始したブロックチェーン技術を用いた特典配信プラットフォームサービス「toku-chain」も顧客数の拡大により伸長が期待される。増収効果に加えてコスト管理機能の強化並びにDX推進による業務効率向上に取り組むことで、営業利益は2期ぶりに黒字に転じる見通しだ(2025年4月より事業開始予定のオンライン型金融アドバイザリーサービスについては業績計画に織り込んでいない)。 3. 成長戦略 今後の成長戦略として、「株式システムのシェア拡大」と「金融アセットの強化(収益構造の強化)」により高成長を目指す。主要顧客先とはベンダーと顧客という関係ではなく、事業成長をともにする「パートナー」として強固な関係を構築していく。2025年3月にはSBIホールディングス<8473>や松井証券<8628>、岩井コスモ証券(株)に対して第三者割当増資を実施し、539百万円を調達して財務基盤の強化を図った。SBIホールディングスとは証券分野やデジタル証券領域、次世代金融領域における金融サービス・取引基盤の開発を共同で推進する業務提携契約も締結している。今後は銀行・保険業界やデジタル経済圏を持つ他業種へ各種ITソリューションを展開していくことで、商圏を拡大していく。また、新規事業として2025年3月末に子会社化した(株)ミンカブアセットパートナーズにて、オンライン型金融アドバイザリーサービスを開始する。株式、FX、暗号資産などの金融アセットの適切な取引機会をリアルタイムで提供する自動取引システムを用いたサービスとなる。顧客は金融法人だけでなく一般個人向けにも提供していく予定で、今後の成長が期待される。 4. 株主還元策 株主還元については、経営基盤の強化を最優先し将来の事業展開と内部留保とのバランスを考慮して利益配分を行うことを基本方針としており、2024年12月期の1株当たり配当金は前期と同額の20.0円とした。2025年12月期も20.0円を予定している。また、2024年12月期末より新たに株主優待制度も導入した。毎年12月末の株主(600株以上保有)に対して、株主限定の特別Webサイト「トレードワークス・プレミアム優待倶楽部」にて利用できるポイントを保有株数に応じて贈呈する。また、自己株式取得や株式の流動性向上施策についても適宜検討していく方針だ。 ■Key Points ・2024年12月期は損失を計上するも過去最高売上高を連続更新 ・2025年12月期は連続2ケタ増収、営業利益は2期ぶりの黒字転換へ ・高い技術開発力を強みにネット証券から大手総合証券、銀行・保険、他業種へと商圏の拡大を図る (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《HN》 記事一覧 |